さぁ始まりました心身耐久ひたすらレンズクリーニングのデスマーチです。

2本目はキャノン NEW FD 50mm F1.4 です。

シリアル番号:507880です。

 

 

コレは引き出しの中に入っていたので非常に綺麗なんですけど…。

確か5年くらい前に横浜は大口の『ペンギンカメラ』さんで買ったやつの様な気がします。

 

 

これだけ綺麗ならこのまま現状でスルー出来るかと思ったのですが…。

よぉ~く見ると絞り羽根にわずかに油染みがあります。

 

 

そして後玉の中のレンズに小さなカビが生まれています。

やはり5年も放置するとこうなってしまうんですねぇ…。

しゃぁーないので分解してクリーニングしますぅ⤵⤵⤵

 

 

NEW FD レンズの銘板はねじ込み式ではなくはめ込み式です。

それに気づくまでそれなりに時間を浪費しました。

その後3本のネジを緩めてフィルター&フード取付リングを外します。

 

 

リングを外すだけで前玉がスポッと外れます。

 

 

実は私.....

キヤノンのNEW FDシリーズレンズと

ミノルタのNEW MDシリーズレンズが大嫌いなんです。

理由は余りにも樹脂(プラスチック)を多用しているからです。

軽量化の為でなくコストダウンの為なのが見え見えです。

画像の前玉を構成するというか定位置にはめ込むための枠が樹脂製でして無理をしてコジって嵌め込もうとすると折れてしまったりレンズがガタガタとしてしまったりします。

ミノルタのNEW MDシリーズの標準レンズの前玉に至ってはレンズ以外はすべて樹脂製で非分解式になっています。

そのくせ前玉の内側が異常にカビ易いのですからたまったもんじゃぁありません。

 

 

絞り羽根の変色は油染みではなかったようです。

取り敢えずベンジンで羽根全体を拭いておきました。

そして元に戻しました。

 

 

次は後玉の中のレンズのカビ取りです。

 

 

正規の順序では裏側にあるステンレスのプレートを外してから

マウント部を外すのですが…。

このレンズの後玉外周にはなぜか溝が掘ってあります。

 

 

カニ目スパナを掛けられない程の薄い溝なので小型のケガキコンパスを使ってこのまの状態で後玉を緩めてみます。

 

 

上手く外れてくれました。

これで作業工程をショートカットする事ができました。

 

 

青色LEDでカビの位置を探しますが見当たりません。

なぜでしょう?

 

 

この様に確かにカビはあるのですが…。

 

 

まさか!と思いレンズをひっくり返して再び前玉を外して絞り羽根を拡げてこちら側から青色LEDを使って覗くと… 見えました!

つまりカビは前玉側にあったのです。

後玉を開ける必要はなかったのです。

後玉を開けてしまった事が後にとてつもない時間の浪費を強いられることになってしまいます。

 

 

NEW FD レンズには後玉の中にOリングの様なパッキンが入っています。

これが劣化したのかクリーナー液の影響でふやけて肥大化してしまったのかよくわからないのですが、穴の中にキッチリと嵌らなくなってしまいました⤵⤵⤵

このパッキンにダメージを与えぬように後玉を捻じ込むのはかなり難しいです。

 

それと、

レンズの分解&組立自体はそれほど難しくはないのですが…。

レンズを完璧に汚れやクスミやホコリを残すことなくクリーニングして拭き上げる事が意外に面倒でして、一度沼に嵌ると何度も何度も果てしなくやり直すことになってしまう事があるのです。

今回がまさにその最悪のパターンでした。

納得のできる仕上がりになるまで90分以上もかかってしまいました⤵⤵⤵

 

 

クリーニングの拭き取りさえ成功すればこのレンズは完成です。

このレンズは元の状態が良かったので極上品のように仕上がりました。

クリーニングの拭き上げで意外な時間のロスをしたのでサッサと次にかかりましょう。