キヤノンのニューキャノネットQL17-Lです。

 

 

キャノネットはとても優秀なカメラで私の経験ではメカニカル的に深刻なダメージを抱える個体は少なく、露出計も配線の引き直しや可変抵抗の抵抗値の変更といった軽整備で大抵は復活してしまうような感じです。

唯一の欠点は光学的なレンズの謎のクモリが発生するということでしょう。

ですから今回のようにここまで手間が掛かるケースは非常に珍しい感じがします。

否、よく考えてみればカメラのコンディションが云々というよりも私自身のケアレスミスやミスアンダスタンディング(誤解・勘違い)が原因のように思われます。

そのために沼に首元迄嵌ってしまいドロドロの状態で格闘し、どうにかこうにか露出計の配線のハンダ付けには成功しました。

後はこの精度を確認または調整するるだけです。

 

 

組み上がった時は夜間だったので一夜明けて本日露出計を計測してみます。

まずセコニックではご覧の通り1/500秒でF8をやや下回る程度です。

 

 

キャノネットは1/500秒でF11をやや下回っています。

つまり-1.0といった感じですね。

まぁ、誤差の範囲内といったところでしょうか。

更に精度を詰めることもできますが…。

この状態で納得できる撮影者様ならばこのままで撮影すれば良いし

もう少し明るい方が良いと思われたらASA感度を一段落とす(つまりASA感度400のフィルムなら200に設定する)ことで補正できます。

つまり選択の範囲を与えるということで今回は敢えてこの状態でO.K.とします。

 

 

やったぁ~!

これで沼から抜け出せるぞぉ~!

と安堵していたら何か違和感が…。

あれ???

何か鏡胴のユニット部とボディの間にガタがあるような…。

あちゃ~、コリャ革を剥がして前板を外してユニット4本の取付ネジを増し締めしないといけない…。

 

 

私の嫌いな作業

第一位 モルト貼替

第二位 革の貼替

なのですが沼から這いずり出ることに成功した現在は非常に肩が軽くなり上機嫌です。

最近は寒くなったのでドライヤーを使って革を温めながら剥がしていきます。

そうしないと革が破れてしまう確率が爆上がりします。

因みに革の素材や接着剤は各メーカー及び年式ごとに違います。

キャノネットはかなり剥がしやすいですね。

 

 

革は前板が露出する部分だけ剥がせばよいです。

 

 

前板を剥がしました。

そしてネジを増し締めします。

ガタガタに緩んでいました。

よし、これでO.K.です。

組み戻しましょう。

 

とここで、私の脳裏に悪魔が囁いてきました

『レンジファインダーカメラの無限遠のピントって合っているの?』と…。

そ、それは…。

今まで触れてはいけない、疑問を持ってはいけないとして自分に言い聞かせていました

もしそれに興味を持ったらとんでもなく面倒くさいことになりそうな気がしているからです。

しかし、今ほどおあつらえ向きなタイミングはありません。

調べてみましょうか。

 

 

う~ん…。

やっぱりこんな感じですか⤵⤵⤵

なんとなく予想はついていましたが…。

これってメーカー側がワザとこうなるようにセッティングしているような気がしてきました。

というのも今まで無限遠のピントを計測してきた殆どの機種が実際の無限遠のピントの位置より手前(近距離)になってるんです。

しかも大体同じような位置じゃないかと思われます。

ひょっとして私が拘っている無限遠のピントの再調整と云うのはなんとも無意味な作業だったのでしょうか…。

 

 

とはいえ詳細を確認してみるとキャノネットの場合ヘリコイドリングには直接アクセスできそうです。

フォーカスリングの奥にある黄色っぽい金属がヘリコイドリングです。

 

 

フォーカスリングとヘリコイドリングを連結している三本のイモネジも全てアクセス可能です。

意外と簡単に無限遠のピントの再調整は出来そうです。

 

ただ…。

ヘリコイドの無限遠のピントの調整してしまうと、レンジファインダーの方の無限遠というか二重画像の合致はどうなってしまうのでしょうか?

 

いろいろと迷う部分もありますが…。

取り敢えず今回は無限遠のピントの再調整を行ってみましょう。

レンジファインダーの二重画像の問題は再調整後に考えるとしましょう。

そしてテスト撮影を行ってみて、その結果を精査・熟慮して今後の無限遠のピントの再調整について考えてみることにします。

 

では今回はここまでとさせていただきます。