キヤノンのデミEE17です。

 

前回『AUTOの状態でB(開放)のでシャッタボタンを押してシャッター羽根を開放状態にしたままで絞りリングをマニュアルに回転させてしまうと絞り羽根が壊れる』という注意喚起をしたのですがその記事の撮影中に本当に壊れてしまいました。

 

 

当初はシャッターユニットを前板ごとマルマル交換しようと思ったというよりも、その方が時間短縮になるのでそうしようと思いました。

しかし『でもどうせならダメもとで分解してみようか』という事にしました。

治すことが出来なかったとしても構造を知る良い機会になるでしょうからね。

 

 

ということで修理不能となったジャンク品でリハーサル及び構造の勉強です。

既にここまで分解してしまったのですが、シャッター羽根の分解の際に上下というか表裏逆さまにして分解してしまったためシャッター羽根の構造・配置が判らなくなってしまいました。

後でもう一個のジャンク品を構造確認のために分解します。

 

 

さて絞り羽根のユニットです。

内側にある黒くて円いプレートを取り外すのですが、これも失敗すると各羽根の配置が判らなくなり再現不能となります。

自動車やバイクのようにパーツリストでもあれば助かるんですがねぇ。

 

 

さぁ、これで絞り羽根と対面だぁ!

と思ったら

うげぇッ!

プレートが出て来た。

なぜだかすごぉ~く失敗しそうな気分になりました。

 

 

遂に絞り羽根が出てきました。

上手に分解できたので各絞り羽根の構成が良く判ります。

これならなんとかなるかなぁ

と思うようになったのですが…。

 

 

いくら頑張っても何回もやり直しても4枚の絞り羽根にそれぞれ付いているボッチがプレートの穴に入りません。

 

 

悪戦苦闘する事約2時間!

なんとか組立に成功しました!

とてもベンジンなんか使って脱脂した状態で組付ける余裕などなくて

指紋がベタベタに付いています。

 

 

当初は何も考えずにやみくもに作業していたのですが、

絞り羽根のボッチが1個2個3個と入っていく毎に組付け方法の理屈を発見!

絞り羽根のボッチをそれぞれ90度の角度、直角に対峙するようにすると簡単にプレートに入りました。

絞り羽根が4枚=360÷4枚=90度間隔というわけです。

ヤッパリちゃんと構造を解析して考察して理論付けしてから作業しないとダメなんですね。

まぁ、この答えに辿り着くのに2時間かかったって事ですね。

しかし…。

絞り羽根が16枚もあった昔のレンズの場合の作業の手間は…。

考えると私は絶対にやりたくありません。

 

 

ではお次にもう一個のジャンクユニットでシャッター羽根の構造の解析を行います。

 

 

デミEE17の後玉の更に下にある赤色→の真鍮のナットを緩めます。

カニ目スパナが掛かるように4個の溝が切ってあります。

 

 

するとこの様に前板がフォーカスのヘリコイドリングと一体で外れます。

ヤシカのハーフ14と基本的に同じ構造ですが、ヤシカクオリィティとは違ってキヤノンクオリィティですから非常に作業がやり易いです。

ただ欠点として…。

ココをこのように分解してしまうと再組立後の無限遠のピントがズレるという事になります。

まぁ充分誤差の範囲内ではないかと思いますが厳密には無限遠のピントの再調整は必要ですね。

 

 

それではシャッターユニットからAUTOの絞り制御リングを取り外します。

黒いリングです。

 

 

次はマニュアルの絞り操作リングを外します。

外周の銀色のリングです。

この二本の絞り羽根制御リングの存在がAUTOとマニュアル時の制御方法が別構造であることの証拠です。

 

 

するとマニュアル絞りのリングの下に3本のネジがあります。

このネジを外すとシャッター羽根が出てきます。

ちなみにこの三本にネジは緩めに締まっています。

おそらくシャッター羽根の動きに干渉しないためのクリアランス確保でしょう。

そしてシャッター羽根がバラバラになってしまわないように、このままの状態でシャッターユニットを残して外周部を上に引き抜くような感じでより外します。

 

 

ヨシッ!

今回は上手く外すことに成功しました!

これでシャッター羽根の構成・組み合わせを理解できました。

 

 

注目なのが矢印の羽根のような部品です。

左右のシャッター羽根の間に挟まるようにして組み込まれています。

このようにして左右のシャッター羽根が衝突しないようにしているんですね。

こういう所がキャノンクオリティでしょうか。

ただ…。

油脂等がシャッター羽根に湿潤してくるとシャッター羽根が貼り付く要因の一つになるでしょう。

つまり現在残存するキャノンのデミEE17はシャッター羽根が貼り付いてしまっている個体が多いのではないでしょうか。

しかしこの様に構造さえ判ってしまえばここまで分解しなくてもベンジンを浸透させて清掃するだけでも充分対応出来るでしょう。

 

以上でシャッター羽根と絞り羽根の構造の解析のための予習&練習作業は終了です。

もちろんこの後組立もやります。それも予習の一部です。

次回は実習編となります。