驚いたことに一昨日は昼頃から天気が晴れ出したのでYASHICA Lynx-14のテスト撮影を行いました。

ASA感度を二段階下げてもまだシチュエーションによっては露出計の数値がセコニックの露出計の数値とズレるので撮影結果が心配です。

ペトリカラー35の修理が完了してからテスト撮影をしてから一緒にフィルムを現像に出します。

 

さて、今回の主人公のペトリのカラー 35 ブラックボディです。

 

 

昨日は無限遠の調整を行いました。

これによって無限遠の位置がかわってしまったのでファインダー内にあるフォーカスインジケーターの指針が正しく無限遠を指し示すかどうかが気になります。

 

 

ファインダーの脱落したミラーが取り付きました。

 

 

驚いたことにハーフミラーはバネで固定されています。

接着剤も少しだけ使われているようですがこれなら簡単に脱着できます。

トんでもない所にコストをかけていますね。

 

 

ファインダーの内側のレンズ達をクリーニングしていたらレンズが飛び出してきてしまいました。

エポキシ接着剤で固定します。

エポキシ接着剤が硬化するまで本日は手を付けられません。

 

 

仕方がないのでcds素子を新品に交換します。

まずcds素子を固定しているプレートをネジを緩めて外します。

 

 

cds素子は矢印の部分に差し込まれているだけなので引き抜くだけで簡単に取れます。

 

 

左がオリジナルのcds素子で右が新品のcds素子GL5528です。

GL5528は裸の状態なのでカバーを作成します。

 

 

cds素子が入る穴の径は6.0mmなのですが、私が在庫しているパイプは6.5mm と5.5mmでした。

新たに6.0mmのパイプを発注しましたが到着まで二日かかるためこちらの作業もこれ以上進められませんので本日はここで作業を止めます。

 

 

一晩経過してエポキシ接着剤が完全に硬化しました。

良く見るとファインダー覗き口上部にエポキシ接着剤が少しはみ出ています。

エポキシ接着剤が完全に硬化していない状態でクリーニングを行うとこの部分に振れてしまい指紋が付いてしまったりシルボン紙の破片が付着してしまったりしますので完全に硬化するまで待ちました。

おかげでファインダー内がとても綺麗になりました。

 

 

ファインダーをボディに取り付けます。

無限遠の位置が変わったためファインダー内のフォーカスインジケーターの指針がズレてしまっているのではないかと予測しているのですが…。

 

 

案の定見事にズレています。

本来は右隣にあるお山の形をした所に針が来ないといけません。

当然その分最短距離の方も1m → 1.5m辺りにズレてしまいました。

さて。。。

どうしたものでしょうか…。

 

 
ファインダーの下部の構造です。
動画のようにピンセットを当てている部分にボディ側にあるヘリコイドに連動するレバーが接触して針が動きます。
左側にある指針のレバーが左に動くほどインジケータ示す距離は近くなります。
 
 
赤矢印がボディ側のレバーです。
水色矢印のように前後に動きます。
 
 
ということは…。
レバーの赤矢印の部分を黄矢印の方向へ曲げてあげればよさそうです。
こういう力技はあまりやりたくないというかとても神経を使うのですが…。
 
 
調整のやめに何回もファインダーを取り外すと思うので
露出計の針にダメージを与えないためにファインダーに被る青と緑の電線を外してきます。

 

 

無限遠を示すお山のマークの真ん中に針を合わせると最短1mを示す人型のマークには針が届かなくなり

人型のマークの真ん中に針を合わせると今度はお山のマークに届かなくなってしまいます。

 

 

仕方がないので双方に針が届くギリギリの所に合わせることで妥協しました。

力技で部品を曲げるということはある意味『部品の正しい状態』ではなくなってしまうということになります。また力加減を間違うと誤って破損してしまいます。

ですから非常に神経を使います。

今回も微調整の繰り返しで2時間近くかかってしまいました。

 

ゾーンフォーカスで撮影する場合はF値を8~11と大きめに取っておいてあとは目測でおおよその距離を設定してあとは被写界深度の力によってピントを合わせるという方法が基本かと思います。

ですから無限遠でのピントをシビアに調整する必要は無いのかもしれません。

そのため今回のように製造メイカーがフォーカスのインジケーターを調整が出来るようなマージンを設定しなかったか、もしくはこのカメラの場合はスペース又は構造的に余裕がなかったのかも知れません。

 

また、マニュアルフォーカスのレンジファインダーカメラでも無限遠での二重画像はピタリと合致していてもレンズ側の無限遠が合っているかどうかは実際に計測してみないと判らないと思います。

 

今回はたいした作業でもないのに精神がやたらと疲れてしまいましたのでここで終わりとさせていただきます。