キャノン デミEE17が予定より一日早く完成してしまったため、昨日はなんだかノンビリしてしまいました。
ヤシカハーフ14とキャノンデミEE17のテスト撮影があるのですがあいにくの天気でできません。
仕方がないので一眼レフ用の交換レンズであるキャノンのFD35mm F2 凹レンズ仕様(S.S.C.ではない)を分解清掃していたのですが中玉と後玉にアトムレンズ(トリウムレンズ)が使われていて黄変していました。
ご覧の通り左の中玉と右の後玉が黄色くなっています。
中玉はイエローフィルターが付いているんじゃないか?と思えるほど黄色いです。
ということでボロボロになった紫外線発生器で二日間ほど日光浴をさせます。
やる事がまた無くなってしまったので手持無沙汰になってしまいました。
それで机の周囲を見回していたら程度が悪くて一年前から放置されていた一台のカメラに目が留まりました。
遊びがてら構造を知るためにこのカメラを分解してみることにしました。
そうしたらなかなか面白い構造をしていたのでこのカメラのことを記事にしたいと思います。
リコーのオート35Vです。
知る人ぞ知るような、かなぁ~りマイナーなカメラかと思います。
でもどうですかこのデザイン?
なんとも奇抜です。
ですが私の胸にはこのデザインが突き刺さりました!
当に一目惚れです!
丸みが全く無くてスパッとカットされていて上半分が銀色で下半分が黒の一直線なツートンカラー。革が貼られていないのも斬新なデザイン。
ボディの黒い部分は下部にかけて緩やかにすぼまっている。コレが堪らなく良い!
空想特撮シリーズウルトラマンに登場した三面怪人ダダをなんとなく彷彿させます。
また、イタリアのカロッツェリアザガート(Zagato)がデザイン・製作したアルファロメオジュニアZに連なりそうなデザインに感じます。
こんなカメラを当時の日本人がデザインして1961年後半に発売したなんて驚きです。
そしてレンズキャップが白(クリーム)色というのも素敵です。
上面はストロボ設置台しかありません。
フィルムの巻き上レバーと巻き戻しレバーは下側にあります。
これも凝った造りになっています。
巻上げレバーは手前の部分を90度回転させて使います。
巻き戻しレバーはクルリと反転させて使います。
巻上げレバーはこの様になります。
巻上げレバーの動きが判りにくいので動画にします。
そしてシャッターは左側上にある黒いレバーなんですが
製造元のリコーはこのシャッターレバーを『招き猫型』と呼称しています。
言いえて妙なもんだなぁ、と感心しました。
ショルダーストラップホルダーも非常に凝っていて外周部がわずかに赤と青で彩られて遊び心を醸し出しているように感じます。
しかもこれ、ギザギザの部分をつまんで回転させると「スポッ」と抜けるんです!
実に凝った造りです。
裏蓋には遮光材としてモルトではなく毛糸のようなものが使われています。
モルトの様に加水分解しないので未だに充分現役で使えます。
周囲の金属も腐蝕していません。
とてもナイスです!
フィルム室はこんな感じです。
ファインダーの窓と一体になっている所が興味深いです。
フォーカスリングにFLASHと刻印されていて欠けた部分に距離に応じて様々な色が出てきます。
これは何でしょう?
鏡胴下部にこんなレバーがありましてここにも色が表示されています。
どうやらFLASHを使う時にフォーカスリングに表示された色に合わせてレバーを同じ色に設定するようです。
それでは分解していきましょう。
こちらは昨日遊び気分で分解した個体とは別の個体です。
これを復活させたいと思います。
程度は良いのですが残念ながらセレンが死んでいます。
昨日分解した方のセレンが活きていたので後で交換します。
恒例の薄いリングを緩めてセレンとご対面しましょう。
あれっ!ナンかいつもと構造が違う?
リコーオート 35Vを分解修理された方をネットで探したのですが非常に少なく、参考になるものが殆どありませんでした。
てすから今回は予備知識なしでブッツケ本番的な分解になります。
ASAダイアルを回すと窪みが出て来たのでネジが緩められそうです。
右側と合わせて二本のネジを外します。
ASAダイアル全体を少し左に回して引き抜くと外れます。
矢印の部分で噛み合わされています。
それと同時にセレンからの電気が通電します。
巻上げレバーと巻き戻しハンドルをカニ目スパナで外します。
巻上げレバー側は逆ネジですので注意。
レバーの下にしっかりしたナットがあるのでカニ目スパナで緩めます。
が…。
か、固い!
異常な固さです。ヤシカハーフ14の悪夢が甦ります。
イヤ、それ以上です。
ナットが半分欠けてしまった程の固さです。
こうなったら最後の手段です。
CRC 3-36防錆剤を噴霧してしてしばらく放置してから
ジャパンホビーツールのカメラオープナーというちょっと特殊なカニ目スパナを使ってナットに引っ掛けて画像の様に絶対ズレないように手でしっかりと固定してオープナーの端をプラスチックハンマーで緩める方向に思いっ切りひっぱ叩きます!
そうするとその衝撃でナットが緩みます。
昔、自動車やオートバイを修理していた頃に使っていたショックドライバー(インパクトドライバー)の原理の応用です。
ですのでカメラ修理屋の発想ではありません。
この方法はナットへ瞬間的に強大な衝撃を与えるので一歩間違えるとカメラにとてつもないダメージを与えてしまい再起不能になる可能性があるのであまりに危険です。
真似をされる方は自己責任でお願いします。
どうしてもナットが緩まない時の究極の手段です。
あまりにもリスキーなのでできるだけ使いたくないのです⤵⤵⤵
まさに宇宙戦艦ヤマトの波動砲みたいなもんです。
巻き戻しハンドルの下にもナットがありました。
こ、これも固い!
コリャぁ、固着というよりも工場での組立時にかなりのオーバトルクで締め付けられたような気がします。
致し方ありませんねぇ、あぁ~厭々ながら二射目の波動砲を放ちます。
あとCRC 3-36噴霧を忘れずに。
両方のショルダーストラップホルダーをカニ目スパナで緩めます
すると上部カバーと裏蓋が一体で外れます。
実にシンプルで賢い構造です。
下部カバーはレバー類を全て取り外しているので簡単に外せると思ったら裏蓋のオープナーが引っ掛かって外れません。
なのでオープナーのカバーを外します。
更にオープナー本体も外します。
下部カバーが外れました。
が、レバーとハンドルが取り付く穴にはワッシャーというよりシムが入って今した。
中身の構造が見えるようになりました。
軍艦が無いというか軍艦部の半分がボディと一体になっています。
コリャぁ~ファインダーの取り外しが難しそうだ。
次に前板というかシャッターユニットを外すためにフィルム室側から固定しているナットとを緩めて外します。
ま、またまた異常に固い!
こりゃ危険回避のために先に後玉を外します。
か、固い!
三カ所もこんなに固いというのは絶対おかしい。
当時の生産工場の中にオーバートルクで締め付ける工員がいたという説が濃厚になってきました。
事実、昨日分解した個体はこんなにも固くなく簡単に緩んだのに。
ナットにゆっくりと巨大な力をかけていくと画像の様に溝の角が欠けてしまい緩める事が不可能になってしまいます。
という事で…。
波動砲の三射目です。
絞り羽根がCRC 3-36の油分に汚染されてしまった…。
後で清掃しないと。
シャッターユニットからボディにハンダ付けされている日本の電線を外します。
シャッターユニットが外れました。
今日はここまでにさせてください。
あんなもの三回もブチかましたら精神的にかなり疲れてしまいました。



































