ヤシカのハーフ 14です。

 

 

予想通り長引いてしまい今回でその6になりました。

今回はモルト貼りから始まります。

私はモルトの貼り替え作業が大嫌いです。

ボディの溝にこびり付いている古いモルトのカスを除去するのが面倒くさいんです。

最初に細いマイナスドライバーを使ってモルトのカスを削り落としてからラッカーシンナーを浸したティッシュペーパーをピンセットを使って溝に押し込みながらモルトの残りかすと接着剤を拭き取らなくてはなりません。

この手間が地味に面倒くさいんです。

その面倒くさい作業は昨日完了させたので今日は貼るだけです。

 

 

素材用のモルトから自分で切り出しても良いのですが、それもまたかなり面倒くさい作業なのでAki-Akashiさんから販売されているカットされたモルトを使用します。

オリンパスのペンシリーズのようなメジャーな機種ならば専用のサイズにカットされたキットも販売してくださっているのですがハーフ 14用は販売されていませんので1.5mm幅と2.5mm幅にカットされたモルトを使用します。

 

 

片面がシールになっているのでこの様に溝へモルトを落とし込んでいきます。

 

 

溝の幅が判らない時の測定にはこのミニノギスが大変便利です。

 

 

この部分はモルトではなく植毛紙を使っていたので切り出します。

 

 

植毛紙を剥がしたオリジナルと同じ寸法に切り出します。

植毛紙も反対面がシールになっています。

 

 

植毛紙を貼り付けました。

 

 

 

モルト貼り替え作業が完了しました。

私はあらゆる部品を取り外しネイキッド(裸)状態のボディの時にモルトの貼り替え作業を行います。

ネイキッド状態の時だと邪魔者はないし誤って壊したり指紋を付けてしまうような部品も無いので気楽に作業ができるからです。

 

 

さぁ、いよいよ前板とボディをがったいさせよう!

と、思ったら後玉の外縁部に微小なカビがあるみたい。

レンズを外してチェックしてみます。

カビではなく微小なクモリでしたので除去できませんでした。

なのでレンズを交換しました。

 

 

前板とボディを合体させます。

シャッターレバーのリンケージの爪とボディ側のフィルム巻上げダイアルのrインケージの爪をかみ合わせるとスポッとハマります。

そして4本のネジで取り付けます。

 

 

前板組付け後にシャッターチャージが上手くいかない場合は赤←の二本のネジを緩めて黄←のバーを現在の位置から左右にズラして調整します。

左にズラし過ぎるとフイルムカウンターが動かなくなります。

 

 

ファインダー内のレンズを清掃します。

毎回書きますが矢印の面はミラーになっていますのでクリーナー等を使って強くこすると蒸着されていたミラー成分が剥がれてしまいます。

なるべくなら手を触れないのが無難です。

 

 

ファインダーを取り付けます。

 

 

実はファインダーを取り付けようとして誤って露出計の針にぶつけてしまい取れてしまったんです!

オワッタ⤵⤵⤵ と思ったんですがファインダーを外してから再ハンダ付けに挑戦したら成功しました!

正規の位置とはズレてしまって針が長くなってしまいましたが、ファインダーを覗いてみたら全く問題が無かったので針がレバーにガッチリ付いているのでそのままとしました。やり直すと付き具合が悪くなって再びモげてしまう可能性があります。

針の角度は分解していなハーフ 14を分解して同じ角度にしました。

直径わずか0.15mmの金属線をハンダ付けするのは至難の技でした。

 

 

ファインダーが付いたら上に紙を接着剤で貼り付けます。

 

 

次に共同部分を組上げていきます。

絞りリングのクリック感を出すためにシャッターユニットの矢印の部分に極小な部品を入れます。

 

 

極小なスプリングとクリックボール同じ役目をするピンです。

 

 

シャッターユニットの上に絞りリングを乗せます。

この時矢印の三個のピンが全て絞りリングの溝(切欠き)の中に入っているようにします。

上から力を加えるように押し続けていないとピンが溝から外れてしまいますので注意が必要です。

 

 

絞りリングを押し付けながら鏡胴を絞りリングのうえに乗せます。

この時に矢印のピンが絞りリングの溝から外れていないことを確認します。

 

 

セットが完了したら菊ナットを取り付けます。

菊ナットを締め込み過ぎると絞りリングの動作が渋くなるので加減が必要です。

良い加減になったら矢印のロックを反転させます。

 

 

続いて電池室です。

ココは古い電池の液漏れで腐食してしまい程度が悪くなっているのが多いです。

 

 

この様に腐食しています。

CRC 3-36で洗浄します。

電極は古いハンダを除去します。

 

 

洗浄と新しいハンダ乗せが完了した状態です。

 

 

電極を電池室に接着剤で止めます。強固に接着させる必要はありません。

 

 

電池室を電線にハンダ付けします。

 

 

電池室をこちらの二本のネジでボディに取り付けるのですが腐食しています・

 

 

CRC 3-36に漬け込んで洗浄したのですがこれが限界でした。

 

 

電池室を取り付けました。

 

 

軍艦のストロボ端子に電線をハンダ付けします。

 

 

三本のネジで軍艦を取り付けます。

 

露出計の針が脱落した時は『もうダメだ!復活できない』と思ったのですが

必死の努力でハンダ付けに成功しました。

あんな細い物をよくつけられたもんだと我ながら感心しました。

もう一台のハーフ 14の修理にも光明が見えてきました。

本日はここまでとなります。

 

次回は露出計の『目』であるcds素子をカスタムします。

ハーフ 14修理のもう一つの頂点です。