ヤシカのハーフ 14です。

 

 

組立の続きです。

 

 

前回はシャッターと絞り羽根を直接洗浄するためにシャッターユニットを分解・組立しました。

おかげで各羽根の動きがとてもスムースになったのですが、いまだにシャッターが開きません。光がチラッとも見えない全閉状態です。

現状でシャッターが開かないとなると復活できる可能性は非常に低くなります。

この状況であとできる方法はただ一つフライホイール周りの洗浄だけです。

 

 

ハーフ 17と違ってフライホイールが2個付いていますね。何故でしょう?

これらのフライホイールは極小のEリングで固定されています(大きい方は2個)。

これを紛失しないように慎重に外します。

 

 

次にこの二個のネジを外してフライホイールのストッパをーを外します。

 

 

取り外したフライホイール達。

見た限り不具合はなそうなんですが。

 

 

洗浄のためベンジンに漬け込んでからシェイクします。

 

 

シャフト側もベンジンと綿棒で洗浄します。

こうして撮影してみたので判明したのですが、フライホイールの軸受部はシャフトの上部と下部の一部だけなんですねシャフトの中間部分は細くされています。

おそらく軸受面積をへらして抵抗を減少させるためではないでしょうか。

洗浄後に念のためシャフトにラウナ油(スピンドル油)をベンジンで20倍に薄めたものをほんの少しだけ塗布します。

大量に油を塗布してしまうと後に経年劣化で油が固まり動作不良を起こす可能性があるので薄めてごく微量を塗布しなければなりません。

 

 

フライホイールを洗浄してから乾燥させて組上げました。

今迄の作業の中で目視ではフライホイールやシャフトには何ら問題はありませんでした。

たかが洗浄しただけでシャッターが開くようになるとは思えませんが。。。

 

 

 
それでは動作確認をします。
絞りリングを取り付けてB(シャッタースピード開放)の位置にセットします。
シャッターをチャージしてリリースボタンを押します。
 
ヤ、ヤッタァ!やりましたぁ!
 
見事にシャッターが開放になりました!
キチンと動作していれば動画の様にシャッターが開放になります。
不具合があるときはシャッターが開放にならず閉じてしまうんです。
このカメラはマニュアル操作時にBの位置でしっかり動作すれば他のどの位置でもキチンと動くようになります。
ですから購入等の検品時にはシャッターが開放になるかどうかの確認をすればその個体のコンディションが判ります。
 
本日は短いですがここまでとなります。
というのも前回にシャッターユニットのバックプレートの分解に失敗してしまい一部の部品の組付け時の正しい位置が判らなくなってしまい、もう一台のハーフ 14のシャッターユニットも同じように分解しました。
これからその個体のシャッター&絞り羽根の洗浄を行います。
ですが記事にはしません。作業内容が同じなので意味がないからです。
 
しかし…。
たかがフライホイールを洗浄しただけでココまで激変するとは思いませんでした!
洗浄前はまるで開かないため光が全く見えない状態だったのですから。
やはりそれだけマージンが無いという事だと思います。
やはりフライホイールがこのカメラの最大の弱点ですね。
 
※ 追記 もう一台の方も無事シャッターの開放ができるようになり復活しました。