ヤシカのハーフ 17です。
3回も分解と組立を繰り返して露出計の調整を行いながらもようやくテスト撮影までたどり着きました。
前回説明した通り露出計本体にあるボディ取り付けるためのネジ穴がバカ穴(楕円)になっているため組み立て方によっては露出計の位置がズレて露出に狂いが生じる可能性があります。
このため今回のテスト撮影結果はあまり芳しいものではないと予想しております。
また撮影中にファインダー内の露出計の指針を確認していると常に1/250秒を指していました。日向でも日陰でも明るさに関係なく針が動きませんでした。『コレ、本当に大丈夫なのかなぁ』と撮影の途中から更に不安になりました。
なので結果が気になります。
今回使用したフィルムはKodakのUltraMax ASA400です。
あと今回も測距離用にペンタックスSPを随伴させています。
あらら? チャンと写ってる!
日向と日陰が混ざった状態でも、逆光でもちゃんと写っています。
普通に見れるレベルではあります。
日陰の花もちゃんと写っています。
小さな花の描写も文字の描写も悪くはありません。
建物の四角い窓もしっかりと四角いです。
色合いも良いです。
ただ.....、全域でちょっと解像力が甘いというかシャープさに欠ける感じがあります。
右は日陰だったのですが何故か黒くなってますね。
暗すぎて露出制御範囲外になったのでしょうか。
普通に写っています。
左は無限遠なのですが何故かボケました。
しかし右は何故か他よりもシャープに写っています。
このカメラの無限遠は7m以上です。
このように無限遠になるとピンボケとまではいかないまでもピントが甘くなるみたいです。
シャッタースピードがどれくらいなのか確認できるかと思い走行している電車を撮ってみました。
距離はどちらも無限遠です。
左はまともに写っています。逆光気味だったためシャッタースピードが1/500秒に近かったのかもしれません。
右は明らかにボケました。これは左より撮影角度が横からに近かったせいか順光だったのでシャッタースピードが遅くなったのかもしれません。
それでもこれだけ写れば大したものです。
無限遠での撮影です。
やはりピントが甘いというか緩いですね。
このカメラは3m~5m辺りが一番良く写るのでしょうか。
絵馬と大きく書かれた文字にピンと合わせました。
確か3m前後だったと思いますが被写界深度はあまり深くありませんね。
ご参考までにこちらはオリンパスEES-2で撮影した画像です。
被写界深度が深いです。
左の小さな文字は判読不明です。
逆に右は距離1mの近接距離でも良く写っています。
上のEES-2の右に勝っています。
オリンパスEES-2で撮影した画像は全ての文字が判読可能です。
おそるべし!
これは。。。
私が距離の測定を間違えたのでしょうか。
これらは全て無限遠で撮影したのですが比較的に良く写っています。
木陰の暗い場所で撮影してみたのですがまぁ、一応写っていますね。
左は手前のにゃんこ先生(距離約3m)にピントを合わせました。
こちらは後のにゃんこ先生(約5m)にピントを合わせました。
やはりこのカメラは近距離向きなのでしょうか。
予想以上に露出の測光力が正確なのには驚かされました。
また、ファインダー内の露出計の指針はやはりアバウトなようで正確ではないようです。しかも昼間の晴天時に太陽にカメラを向けても1/800秒やOVERが差し示されることはありませんでした。
画像の解像度や描写力にはシャープさに欠ける感じがあると思います。
しかしいかにも60~70年代のハーフカメラらしい写り(映り)とも言えます。
(というよりもオリンパスEES-2の能力がバケモノなんだと思います)
発色というか色合いは優秀です。
無限遠でのピントが甘くなるのは予想していました。
組立・修理編では記事にしなかったのですが実は無限遠の検査をしていたんです。
その時にズレていることが判明しました。
調整しようかと思ったのですが、専用の治具でもない事には作業がものすごく難しくなりそうなので止めました。このため記事にはしませんでした。
そもそもハーフサイズカメラで遠景を撮ろうとする人はあまりいないんじゃないでしょうか。
ですから近距離がキチンと写るようにメーカーがわざとそのように設定しているのかもしれません。
当初の予想が散々な結果に終わると思っていたので想像の斜め上をいく感じでとても良く写っていると思ってしまいました。
また、シャッター羽根を洗浄した苦労の甲斐があって撮影時のシャッターの切れがとても良くなりました。カシャ!という小気味よい音と共に実に気持ち良いです。
実はヤシカ ハーフ17はまだ完治していません。
テスト撮影中にフィルムカウンターが動いていないことを発見しました。
昨日は動いていたんですけどねぇ。
これからまた軍艦を外します。