オリンパス EES-2 の無限遠調整のためのシャッター開放に固定する方法として
あるアイデアが昨日ひらめきまして急遽材料を取り寄せることにしたのですが、その材料が届くまで少し時間がかかるようなので本日は先にこちらのカメラの無限遠調整を行います。
コニカ Eye3 です。
なんと二度目の返品です。
返品されると往復の送料は当方負担となるため採算的に赤字になってしまいます。
最初はシャッターストロークが長すぎて使いにくいとクレームがあり返品。
原因はシャッターボタンの中に入っているレリーズボタン用の極小のピンを挿入し忘れていたためにストロークが異常に長くなっていました。
ピンを挿入して再出品して最近また売れました。
すると今度はファインダー内のフォーカスインジケーターの指針の示す距離とフォーカスリングの示す距離が一致しないとしてクレームがありまたも返品となってしまいました。
『誤差の範囲じゃないかなぁ…。』
とも思ったのですが、ある点が気になり更に不審に思ったので返品を即刻了承しました。
不審に思った点というのはテスト撮影の時にピントを無限遠にして撮影したらなんかピントが甘いような気がしていたんです。
『これがこのカメラの実力なんだろうな』
と当時は思っていたのですが、今回のオリンパス ペン EES-2の事象を受けてから
『ひょっとしてEye3も無限遠がズレているのでは?』
それが原因でファインダー内の指針とフォーカスリングのズレが発生しているのではないか?と推測されたからです。
テスト撮影時の画像です。
これらの画像は全て無限遠で撮影したのですがこのようにピントが何となくぼやけた感じだったんです。
左は無限遠で撮影していてやはりピントが甘い感じがするのですが
右はおよそ1.5m位で撮影しているのですがこちらはピントは合っています。
EES-2の時は全ての画像がボケまくっていたので直ぐに無限遠を疑いましたが
Eye3の場合はボケがほぼ無限遠だけだったので『このカメラの実力』と思ってしまいました。
そこでこのカメラの無限遠のチェック&調整をすることにしました。
まずは銘板(ASA&光センサユニット)を固定しているリングをカニ目スパナで外します。
ハンダを溶かして銘板ユニットを取り外します。
銀色の3個のネジを外してアルミの鏡胴を外します。
金色の三個のネジを外してフォーカスリングを外します。
赤←の大き目なネジが前玉をフォーカスリングのヘリコイド部に固定するロックネジとなっています。このネジは逆ネジなので注意が必要です。
念のため現在の位置をケガキ針でマークしておきます。ネジ直近の白い2本の線がそれです。
ロックネジが付いている銀色のフォーカスリングのヘリコイド部を無限遠の位置に回します。
ピントグラスをフイルム室フレーム部に密着するようにテープで固定します。
フィルム室のフレーム部には銀色の4本のレールが横に走っています。
外側(赤←)のレールよりも内側(黄←)のレールが0.15mm低くなっています。
これはフィルムの厚さ(実測値は0.153mmでした)と同じです。
つまり内側のレールの上にフィルムが乗って撮影されるのでこのレールに密着するようにピントグラスを固定します。
(画像はコニカ Eye3ではなくオリンパス Trip35です)
ミニ三脚を使ってレンズの軸線をあわせます。
まずは現状の検査・確認です。
やはりボケていますね。
では調整を行います。
ロックネジを緩めて前玉を左右に回転させて一番ピントが合っていると思われる場所を探し出してロックネジを締めこんで固定します。
これが調整後の前玉の位置です。
調整前の合わせマーク(赤←)とはずいぶん移動しましたね。
今回はテスト撮影は行いません。
次回のEES-2での無限遠調整でテスト撮影を行います。
調整方法が同じなのでEES-2の結果が良好であればこちらもO.K.という判断です。
なお、『ファインダー内のフォーカスインジケーターの指針の示す距離とフォーカスリングの示す距離が一致しない』というトラブルは無限遠の位置ずれとは全く無関係でした。
こちらの原因はフォーカスリングの動きを指針にリンクさせるレバー歪み(曲がり・たわみ)でした。曲がり具合を調整して正しく連動するようになりました。
単純な組立ミスで二度も返品されてしまい赤字になってしまうという現象。
国内であれば送料が違うのでここまでの打撃を受けないのでしょうが…。
リスクの高い販売方法ですね。
また無限遠に対する認識も7カ月前とはだいぶ変わりました。
失敗すればすべては自分に返ってくる。
まだまだ未熟な部分があるなぁ~っと痛感させられた今回の件でした。