CANON Demi S です。
下の白いのが普通のDemiでして28mm F2.8のレンズを搭載しています。
これに対しDemi Sは大口径の30mm F1.7の明るいレンズを搭載しています。
このレンズは後に発売されるDemi EE17にも使用されていますがこちらが先になります。
この個体は非常に程度が良く、どうやら以前にしっかりした人にオーバーホールされたような感じですが革の貼り替えが上手くできなかったようで接着剤がはみ出していたので革だけ張り直すだけでテスト撮影無しで出品しようとしたんですが直前でフィルムカウンターが動いていないことを発見。
仕方がないので軍幹部を外して原因を調べていたら今度は途中からシャッターが切れなくなってしまいました!
シャッター故障の原因を調べるためシャッターユニットにアクセスしなければならず結局はここまでバラすはめに.....。
んで故障の原因はシャッターボタンに連動するシーソーのような動きをするレバーを固定&中心軸となるネジが緩んでいるだけでした。
フィルムカウンターはカウンターを動かす爪に付いているスプリングがへタっていたので部品取りのDemiから移植して修理完了。
ここまで分解したんだからなぁ。。。という事でファインダーとレンズも分解&清掃してしまいました。
ここまで手を入れてしまったならばとテスト撮影してみる運びとなりました。
フィルムはKodak URTLAMAX ASA400を使用しました。
以前にDemi EE17とDemi Cをテスト撮影していてなかなか良い写りをしていたので今回もかなり良い結果になるだろうと予想していましたがそれ以上の良い結果となりました。
いつもの窓からの撮影です。
どうやら露出オーバーのようです。
Demiの露出計は1/500秒・F16・ASA400が最大値となるのですが針がオーバー側に目一杯の位置にあるとそれが正しい位置なのか振り切っているのかの確認をする方法がありません。というか手の施しようがありません。
結果どうやら振り切っていたようですね。
右、日陰の暗い部分もしっかりと写っています。
これ、右側だけ露出がオーバー気味ですね。
なぜでしょう?
左側、一番手前にピントをあわせたので途中から上手くボケてくれました。
Canonet QL17同様近接した撮影には強いようですね。
ゾーンフォーカスでこれですから。
これも右側だけが露出がオーバーしています。
後で解ったんですが露出調整&確認をしている時に指が露光機のセレンを遮ってしまうことがあるんです。それで露出を間違えたんだと思います。
左側なんですが手前から二番目の白いプランター辺りにピントを合わせてF16で撮影したんですが一番手前から無限遠まで全部ピントが合っています。
京浜急行は三浦半島内でもそれなりにスピードを出すので撮影が難しいです。
更にハーフサイズカメラは画角が小さいため動く鉄道を撮影するのは苦難ですが今回は上手く撮れました。
1/500秒があるのとシャッタボタンがとてもスムーズに動いてくれたおかげです。
こちら通常の露出で撮影したのですが影になってしまっていますね。
ですのでカメラのASA感度を200に減感して撮影しました。
本当に近接撮影に強いです。
思った通りのCANONらしい描写力の良い写りでした。
一般的には上位機種のDemi EE17の方が人気があると思います。Demi EE17はEE露出システムですが、Demi Sはマニュアル露出のカメラととなります。
同じレンズを持っているなら自分の意志で絞り値を変更させて自由に撮影ができる本機も悪くありません。
マニュアルといっても操作性がとても良いのでとてもお気軽にバンバン撮影する事ができます(操作時に指で受光部を遮らないように)。
それでいてこれだけの描写力があるのなら充分ではないでしょうか。
ただ、セレンが元気に生きている個体を探し出すのが問題となってしまいますが。