昨日天気予報とは裏腹に午後は晴れたので
PETRI Color 35 Delux のテスト撮影に行ってきました。
今回使用したフィルムはKodack ULTRAMAX AS400
電池はLR44 挿入時の電圧は1.54V
フィルターは無しの素レンズ状態です。
以下画像を一気にご覧ください。
前回PETRI Color 35 で撮影した時に露出がオーバー気味でコントラストが弱くなった感がしたので電池をPR44の1.4VからLR44の1.54Vを使用して10%程度電圧を上げれば、露出計の計測値が一目盛り程度アンダー(F値が一段階程度高)になるように表示されるようになるのではないかと思いわざとLR44を使用して撮影してみました。
結果は予想通り前回よりも遥かに見事な映りになったと思います。。
今回も換装したcdsセルGL5528はオリジナルのcdsセルよりも反応が速く、暗い場所の測光に強いのかオリジナルのcdsセルでは黒色に潰れてしまうような影の部分でもしっかりと映し出すような傾向にあるようです。
その事を想定して電池の電圧を変えて撮影しました。
製造が60年近く経過した旧いフィルムカメラでは同じ機種でも個体ごとに露出計のコンディションが違ってしまっています。
個体によってはカメラ内の電線や接点等の長年の経年劣化で抵抗値が増えてしまい1.55Vの電池を使用しても電圧がドロップ(降下)してしまう場合もあります。ですから当時1.35V電池の仕様であっても現行の1.55V電池の方が露出計が正しく動く場合もあります。
また現行の電池についてもLR44の場合だと最初は電圧が1.55Vであっても使用していくごとに徐々に電圧が下がっていってしまいます(SR44はその傾向が少ないのでカメラ向きと云われています)。そうなると電圧が1.55Vの時と1.3Vの時と1.1Vの時では露出計の計測値が同じF5.6だったとしても実際の露出はズレています。電圧が下がるほど露出はオーバーの方に触れていきます。
逆に電圧が上がると露出がアンダーに振れます。←今回はこれを応用しました。
更々には撮影者個々によっても好みが違ってくるでしょうから、全てをカメラ任せにして撮影するのではなく,ある程度は所有者(撮影者)がカメラに寄り添ってあげて独自のより些細なチューニング(調整)を施してあげてください。
今回の撮影結果は「修理人としての私」ではなく「撮影者の私」として対応した結果です。
撮影者といっても私には芸術的センスがないのでただ対象物を撮影するだけですが、その結果・経験を活かして修理する事ができるようになればより一層『使う人の立場になって修理する事ができるのではなか』と勉強になった今回の撮影結果でした。