vol.9 ~ミックス キックの出し方編1~
ここ数日は寒波の影響でかなり冷え込みますね!
夜はまた長袖長ズボンのスウェットに逆戻りです。
風邪をひきそうな気温なので、皆さんもお身体にお気をつけて。。。
ちなみに私は朝から偏頭痛でいっぱいいっぱいです(笑)
風邪じゃないので寝たら治りますが、やっぱり健康は大事ですね!
今日のお題に入ります。
ミックス~キックの出し方編1です。
前回のブログではミックス中でのキックの低音作りについて説明しました。
では、低音だけでキックは終わりかというと、そんな事はないですよね!
本日は、低音以外のEQについて説明します。
尚、この説明は生ドラム又は生の音をそのままサンプリングした音源を使用した場合に限ります。
キックの美味しい周波数成分って大体どの辺りに固まっているかご存知ですか?(いつもの話で楽器やプレイヤーに依る話というのは無視して)
*最初に御断りしておきますが、周波数の数字に関しては非常に大雑把なものですので、そのままは当てはめないでください!
低音は、前回説明した通りに200Hzから下ならかなり幅広くあります。
では、その上は??
例えば300Hz~600HzくらいのLow Midとよく呼ばれるところは、Mix全体を通してもモコモコとする帯域になります。
ですので、この部分を大幅に出す事はあまり考えられません。
しかし、モコモコする代わりに、音の分厚さ・アナログ感というのはちょうどこの辺りに影響され易いので、あまりカットし過ぎるのも問題です。
聴いていて、自然に心地いいレベルに調整しましょう。
続いてその上の800Hz~2KHz辺りはどうでしょう?
ここは、コード感や音程の存在する楽器にとって、メインとなる帯域です。
例えば、人間の声は800~1.2KHz辺りに最も集中しています。
ですので、打楽器までこの付近を強調していると、全体のバランスとしてMidに集中し過ぎる傾向が出てきます。
また、1.3KHz~2Khz辺りも、人間の耳では特に耳触りな音が響いている様に感じます。
ここもバランスよく整えましょう。
もちろん、最初からバランスを崩さない程度の音ならば、いちいちEQは触らない方が得策です。
そこは自分の耳を信じて先に進みます!
では、2KHz~4KHzと4KHz~7KHzは合わせて説明します。
まず、2KHz~4KHzというところ、実はスネアのアタック音が非常に多く詰まっています。
ただ、キックでもこの部分を持ち上げると「ベチッ」というイメージの音が強くなりますよね。
美味しい部分かと言えば、存在感を出すには非常に美味しい成分です。
しかし、スネアと存在感の比較を作りたいならば、ここは涙を飲んで我慢をするところだと思います。
その上の4KHz~7KHzですが、この部分こそがKickのアタック音=存在感を出すのに最も美味しい部分だと思います。
*この部分の数字は特に、そのセッション毎に変わります!
この辺りの成分を持ち上げると、「バチッ」という音の成分が強いと思います。
Qについては、広めに上げてもいい時もありますし、2カ所以上のポイントをついてあげる事もあります。
ここは、ロックなどのEQポイントとしては、重要になる事が多いですね。
さて、そこから上の8KHz~はどうでしょうか?
実は、8KHz~12KHzの間にもビーターの音が非常に多く混ざっています。
ここよりも下の帯域を上げるよりも、耳に優しいビーター音になります。
それほどキックが「バチっ」と聴こえない方がいいジャンル、例えばJAZZだったり完全なJ-POPだったり。
この様なジャンルでよく聴かれるキックになり易いです。
では、13KHzから上はどうかというと、、、
正直、Kickのトラックでここを上げても、大きな変化はありません。
特に倍音が多い楽器でもないので、それほど上の帯域を上げる必要がないのです。
キックのEQはこれで全体を網羅したと思います。
次回はキックのコンプ設定について書いていきます。
そうしたら、大体キック周りのベーシックなミックスが完了ですね。
乞うご期待!!!