vol.3 ~ドラムを少ないマイクで録る~
東京は快晴ですね!
こんな日はのんびりお散歩でもしたい気分になります。
夕方にはとあるバンドさんから池袋Jazzフェスティバルへお呼ばれされているので、ちょっくら覗いてまいります。
ライブに呼んで頂けるのは嬉しい事ですね。
これを読んでらっしゃるアーティストの皆様も、是非お邪魔させて下さい!!
さて、それでは今日のお題です。
少ないマイクでドラムを録る!!
この様な状況ではどうしたらよいか、というご質問を前回頂きましたので、今日は私なりに分析してみます。
レコーディングスタジオでドラム録音をする時は、何か効果を狙っている時以外はほぼ、10本以上のマイクでレコーディングします。
なぜなら、それぞれの楽器のバランスを後で取りやすいから。
私も、ほとんどのセッションで10本以上のマイクを立てます。
ではでは、たとえば自宅やリハスタ、ライブハウスでレコーディングする時はどうしたらいいでしょうか??
さすがにマイク1本でフルセットを録るのはなかなか厳しいものがあります。
何百万円もする、素晴らしい状態のビンテージマイクでもあれば別ですが。
今回は細かいマイキングの場所に関しましてはある程度省かせて頂きます。
なぜなら、マイクの数が少なくなればなる程、マイキングの微調整で最終形が大幅に変わってくるからです。
それでは、お手軽なマイクが2本から4本という設定で今日はお話を進めましょう!
・2本でレコーディング
まず、ドラムセットの基本になるパーツから考えていきたいと思います。
もちろん、キックとスネアですよね!
では2本あったら、キックとスネアをちゃんと取れれば合格としていいのではないでしょうか?
2本マイクでは、私なら大きく分けて2種類の立て方をします。
まずは、2本が同じマイク限定の状況下ではありますが、ステレオ録音が挙がるでしょう。
XY方式など有名ですよね。
マイクセッティングの参考としては、真上から狙うオーバーヘッド的なセッティングではなく、ドラムセットの正面から、しかもドラマーの耳くらいの高さがベストだと思います。
狙う先はKickの上方部分辺りでしょうか。
意外とバランスよく、キックもスネアも、そしてシンバル類の音も拾ってくれます。
続いてご紹介するのが、キック+トップの2本レコーディング。
キックは正面からオーソドックスなオンマイキングで突っ込んじゃっていいと思います。
前回のブログで書いたATM25の役割です。
これはその場所にあるマイクで録るしかないので、SHUREのSM57しかないならそれで十分です。
問題はTopですね。
マイクの本数に限らずこのマイクはレコーディングでいつもツボになると思います。
基本はドラムキットを全て捉えるつもりで、、、なんてみんな言いますが、上から1本で狙って完璧には捉えられるものでもないでしょう。
ポイントは、録る曲の中でどのドラムパーツが重要な位置づけにあるか。
これもよく皆が言う話ですが、まずスネアの聞こえがいい位置を正面やドラマの背面から見つけ、そこから等距離になるドラム上方にマイクを立てるのは鉄則です。
続いて、私の場合はその曲のポイントになるパーツを考えます。
例えば、刻みのハットがキモになる曲なら、ほんの気持ちハット寄りな方向で立てます。
フロアタムが重要ならやや逆よりに。
ほんの気持ちですよ。
あまり大胆な事をしてしまうと、ドラム全体のバランスが崩れてしまいます。
でも、そのほんの少しが後々、楽曲の中で大事な部分を少しでもカバーしてくれます。
・3本でレコーディング
では、3本マイクがある時はどの様なパターンが考えられるでしょうか。
これはまず、2本マイクの応用で考えられます。
まず、一つ目はステレオ+キック。
先ほど2本マイクでご紹介したステレオレコーディングでドラムの幅を作りながら、キックで芯を足すといった考えです。
この時は、私なら2本のステレオ用マイクはドラム上方からオーバーヘッドとして使います。
キックは1本の単体マイクでカバーされるので、他のパーツをカバーしやす
いのはやはり上方ですから。
ドラムに幅を持たせたい時は、この方法がお勧めです。
続いて、キック+スネア+トップ。
やはりキックとスネアがちゃんと録れていれば、大抵の音楽はリズムが安定して聴こえます。
そしてそこにトップでキット全体を足してあげることで、全体のバランスを保つ事ができます。
そしてキック+スネア+ハイハット。
これはシンバルやタムなどをほぼ鳴らさない時に使用します。
ライブのステージモニターの返しなどでも、3点と呼ばれて多くの人が演奏に必要とする3つのパートですよね。
他にも色々とあるかもしれませんが、オーソドックスに私が使うのはこの3種類のマイキングです。
・4本でレコーディング
それでは、最後に4本マイクでのレコーディングを考えてみましょう。
4本あると選択肢は大幅に増えます。
今回は、中でも私が多く使いそうな組み合わせをご紹介いたします。
最初は最もオーソドックスなパターンで、キック+スネア+ステレオオーバーヘッド。
さすがにハイハットやタム類は少し弱いものの、ちゃんとしたポイントを見つければ10本のマルチマイクレコーディングに匹敵する音で録れるはずです。
続いて、キック+スネア+ハイハット+トップ(又はアンビ)。
これはドラムの重要な3点を確実に抑えた上で、更にドラムキット全体の音をカバーします。
派手な曲にはあまり向かないのですが、基本を押さえたレコーディングが可能となるでしょう!
そしてこれはレコーディング現場では試したことがないのですが、一度はやってみたいというのが、、、
ステレオオーバーヘッド+アンビ2本(近距離と遠距離)。
これは考えただけでも楽しいマイキングだと思います。
ポイントでパーツを一つも押さえないのですが、ほぼ確実にドラムキット全体をバランスよく捉えられるセッティングです。
ステレオのオーバーヘッドはXY方式などでバランスよく全体をカバーします。
続いてアンビの近距離は、キックとスネア、特にキックの鳴りを見据えたマイキングがいいかと思います。
最後にアンビ遠距離は、逆に細かい事を考えない、普通のアンビとして立てたので十分でしょう。
ステレオ感を失う事なく、自然なドラムの聴こえ方を再現するにはぴったりなマイキング方法です。(だと想像しています。)
ここでちょっとだけ豆知識。
知ってる方がほとんどだと思いますが、アンビはコンプやリミッターでがっつり潰すと、パンチのある音になって使い勝手が飛躍的に向上します!
とりあえず、今回のネタはこの辺りまでにしておきます。
他にも、皆様のお勧めマイキングなどございましたら、是非教えて下さい!!
この章を通して、最も重要な事を言い忘れていました。
昔読んだ「ミックスの全知識」的な本に書いてあったいい言葉があるのですが、音が焦点を結ぶ場所にマイクを立てるという事です。
こればかりは自分の耳を信じるしかありません。
一番、狙っている楽器がインパクトのある音で聴こえる場所が、マイキングポイントですから!!
最近2回連続でドラムレコーディングのお話だったので、次回は他の楽器に入っていきたいと思います。
長いブログを最後まで読んで下さいまして、誠にありがとうございました。
最後に、ブログのランキングアップに是非ご協力ください![人気ブログランキングへ](https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fimage.with2.net%2Fimg%2Fbanner%2Fbanner_24.gif)
こんな日はのんびりお散歩でもしたい気分になります。
夕方にはとあるバンドさんから池袋Jazzフェスティバルへお呼ばれされているので、ちょっくら覗いてまいります。
ライブに呼んで頂けるのは嬉しい事ですね。
これを読んでらっしゃるアーティストの皆様も、是非お邪魔させて下さい!!
さて、それでは今日のお題です。
少ないマイクでドラムを録る!!
この様な状況ではどうしたらよいか、というご質問を前回頂きましたので、今日は私なりに分析してみます。
レコーディングスタジオでドラム録音をする時は、何か効果を狙っている時以外はほぼ、10本以上のマイクでレコーディングします。
なぜなら、それぞれの楽器のバランスを後で取りやすいから。
私も、ほとんどのセッションで10本以上のマイクを立てます。
ではでは、たとえば自宅やリハスタ、ライブハウスでレコーディングする時はどうしたらいいでしょうか??
さすがにマイク1本でフルセットを録るのはなかなか厳しいものがあります。
何百万円もする、素晴らしい状態のビンテージマイクでもあれば別ですが。
今回は細かいマイキングの場所に関しましてはある程度省かせて頂きます。
なぜなら、マイクの数が少なくなればなる程、マイキングの微調整で最終形が大幅に変わってくるからです。
それでは、お手軽なマイクが2本から4本という設定で今日はお話を進めましょう!
・2本でレコーディング
まず、ドラムセットの基本になるパーツから考えていきたいと思います。
もちろん、キックとスネアですよね!
では2本あったら、キックとスネアをちゃんと取れれば合格としていいのではないでしょうか?
2本マイクでは、私なら大きく分けて2種類の立て方をします。
まずは、2本が同じマイク限定の状況下ではありますが、ステレオ録音が挙がるでしょう。
XY方式など有名ですよね。
マイクセッティングの参考としては、真上から狙うオーバーヘッド的なセッティングではなく、ドラムセットの正面から、しかもドラマーの耳くらいの高さがベストだと思います。
狙う先はKickの上方部分辺りでしょうか。
意外とバランスよく、キックもスネアも、そしてシンバル類の音も拾ってくれます。
続いてご紹介するのが、キック+トップの2本レコーディング。
キックは正面からオーソドックスなオンマイキングで突っ込んじゃっていいと思います。
前回のブログで書いたATM25の役割です。
これはその場所にあるマイクで録るしかないので、SHUREのSM57しかないならそれで十分です。
問題はTopですね。
マイクの本数に限らずこのマイクはレコーディングでいつもツボになると思います。
基本はドラムキットを全て捉えるつもりで、、、なんてみんな言いますが、上から1本で狙って完璧には捉えられるものでもないでしょう。
ポイントは、録る曲の中でどのドラムパーツが重要な位置づけにあるか。
これもよく皆が言う話ですが、まずスネアの聞こえがいい位置を正面やドラマの背面から見つけ、そこから等距離になるドラム上方にマイクを立てるのは鉄則です。
続いて、私の場合はその曲のポイントになるパーツを考えます。
例えば、刻みのハットがキモになる曲なら、ほんの気持ちハット寄りな方向で立てます。
フロアタムが重要ならやや逆よりに。
ほんの気持ちですよ。
あまり大胆な事をしてしまうと、ドラム全体のバランスが崩れてしまいます。
でも、そのほんの少しが後々、楽曲の中で大事な部分を少しでもカバーしてくれます。
・3本でレコーディング
では、3本マイクがある時はどの様なパターンが考えられるでしょうか。
これはまず、2本マイクの応用で考えられます。
まず、一つ目はステレオ+キック。
先ほど2本マイクでご紹介したステレオレコーディングでドラムの幅を作りながら、キックで芯を足すといった考えです。
この時は、私なら2本のステレオ用マイクはドラム上方からオーバーヘッドとして使います。
キックは1本の単体マイクでカバーされるので、他のパーツをカバーしやす
いのはやはり上方ですから。
ドラムに幅を持たせたい時は、この方法がお勧めです。
続いて、キック+スネア+トップ。
やはりキックとスネアがちゃんと録れていれば、大抵の音楽はリズムが安定して聴こえます。
そしてそこにトップでキット全体を足してあげることで、全体のバランスを保つ事ができます。
そしてキック+スネア+ハイハット。
これはシンバルやタムなどをほぼ鳴らさない時に使用します。
ライブのステージモニターの返しなどでも、3点と呼ばれて多くの人が演奏に必要とする3つのパートですよね。
他にも色々とあるかもしれませんが、オーソドックスに私が使うのはこの3種類のマイキングです。
・4本でレコーディング
それでは、最後に4本マイクでのレコーディングを考えてみましょう。
4本あると選択肢は大幅に増えます。
今回は、中でも私が多く使いそうな組み合わせをご紹介いたします。
最初は最もオーソドックスなパターンで、キック+スネア+ステレオオーバーヘッド。
さすがにハイハットやタム類は少し弱いものの、ちゃんとしたポイントを見つければ10本のマルチマイクレコーディングに匹敵する音で録れるはずです。
続いて、キック+スネア+ハイハット+トップ(又はアンビ)。
これはドラムの重要な3点を確実に抑えた上で、更にドラムキット全体の音をカバーします。
派手な曲にはあまり向かないのですが、基本を押さえたレコーディングが可能となるでしょう!
そしてこれはレコーディング現場では試したことがないのですが、一度はやってみたいというのが、、、
ステレオオーバーヘッド+アンビ2本(近距離と遠距離)。
これは考えただけでも楽しいマイキングだと思います。
ポイントでパーツを一つも押さえないのですが、ほぼ確実にドラムキット全体をバランスよく捉えられるセッティングです。
ステレオのオーバーヘッドはXY方式などでバランスよく全体をカバーします。
続いてアンビの近距離は、キックとスネア、特にキックの鳴りを見据えたマイキングがいいかと思います。
最後にアンビ遠距離は、逆に細かい事を考えない、普通のアンビとして立てたので十分でしょう。
ステレオ感を失う事なく、自然なドラムの聴こえ方を再現するにはぴったりなマイキング方法です。(だと想像しています。)
ここでちょっとだけ豆知識。
知ってる方がほとんどだと思いますが、アンビはコンプやリミッターでがっつり潰すと、パンチのある音になって使い勝手が飛躍的に向上します!
とりあえず、今回のネタはこの辺りまでにしておきます。
他にも、皆様のお勧めマイキングなどございましたら、是非教えて下さい!!
この章を通して、最も重要な事を言い忘れていました。
昔読んだ「ミックスの全知識」的な本に書いてあったいい言葉があるのですが、音が焦点を結ぶ場所にマイクを立てるという事です。
こればかりは自分の耳を信じるしかありません。
一番、狙っている楽器がインパクトのある音で聴こえる場所が、マイキングポイントですから!!
最近2回連続でドラムレコーディングのお話だったので、次回は他の楽器に入っていきたいと思います。
長いブログを最後まで読んで下さいまして、誠にありがとうございました。
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