桜と「さ」の神様
桜の開花を寿ぐ声が各地から聞こえています。八丁堀の桜川公園の桜もほぼ満開で、道行く人も足を止め、桜の花を愛でたり、写真を撮って送ったり、人々の顔も自然にほころびます。
満開の桜を見ると、初代日本トイレ協会の会長でもあった西岡秀雄先生に教えていただいた「さ」の神様を思い起こします。「さ」の神様のこと、ご存知ですか?
神話の世界よりはるか以前、縄文時代から日本では「さ」の神様が信仰されていたというのです。「さ」の神様は山の神で、今でも新潟や山形あたりの木こりさんは、山の神をサガミ様と言っているそうです。
その他、「さか」は神様が下りてくる道、「さかい」は神様と人間の住むところの境、「サケ」は神様へのお供え物、そして、「さくら」は神様が座るところで、「さ」の「くら」という意味だそうです。さらに、「さまよう」は神様が迷わせる、「さみだれ」は神様がみだれる、「さ」が千も集まったから「幸」。ついでに、民謡の「さのよいよい」は良い神様の意、「よさこい」は良い神様来てくださいと呼掛け、などなど。
「さすがは西岡先生」というと、さすがも「さ」の姿から来ている言葉なのでした。
今日は4月10日、東日本大震災から早一ヶ月。いまだに混乱は続いています。今年の桜は特別のものを感じてしまいます。(はしもと)


