前回の終わりに告知しました、今回は七戸に伝わる「姫塚伝説」を取り上げたいと思います。

 

 なぜここで取り上げるのか?ニヤリ

 それは「あかてこ」の伝承を追っていたら見つけたからです。しかもかなり似たような話ですので取り上げずにはいられませんでした。

 

私の勝手なイメージです……ウインク

 

 では改めまして「姫塚伝説」です。

 これは地元ではよく知られている話のようで、七戸城跡にその塚はありました。キョロキョロ

 

 横にも小さな塚があります。

 

 そして案内板もしっかりとありました。

 

「姫塚」の伝説

 

 昔、七戸城の殿様には美しいお姫様がおり、身分の低い武士と恋仲となり、それがある日、殿様に知られ、相手の武士は殺されてしまったそうです。

 その殺された武士の後を追い、お姫様も自害したと伝えられています。

 ここにある二つの塚は、お姫様と武士がこの世では一緒になれなかったが、あの世で二人が一緒にいられるようにという思いで、二人が埋葬されたものと言われております。

 

 ※あくまで諸説ある中の一説です。

 

ここにある石碑は昭和四十七に、三百年忌追善供養のために建てられたものです。

 この姫塚の呼び方にはさらに諸説があり、「姫ヶ塚」「鍋塚」などとも呼ばれております。

                                      七戸町観光協会

 

 諸説ある中の一説とのことですが、あまりにも似すぎていますね。凝視

 令和の時代に生まれていれば、こんな悲話にならずに済んだのかな?

 身分違いの恋にまつわる悲話が(実際に多かったのか、それとも後世に誰かが付け加えたのかは不明ですが)伝承の始まりなのは間違いなさそうです。

 

 ちなみにこの姫塚伝説にはこんな説も見つけました。

 

 今から三百年ぐらい前、現在の柏葉公園の場所に七戸城がありました。そこには美しい姫がいました。名前はお稲姫といい、その父である殿様は、姫が成長するにつれますます美しくなるので、年頃になったらどんな立派な人と結婚するのか、どこの国から縁談がくるか、とても楽しみにしていました。

 ところが、当時家来の中でもひときわ目立つ美男子があり、姫はいつしか身分の違いも忘れ、この男を好きになり、殿様の目を盗んでは会うようになりました。

 やがてほかの家来や女中に見つかり噂にのぼるようになり、とうとう殿様の耳にもはいってしまいました。

 殿様は身分が違うとか、見苦しいとか、武士道にあるまじき行為であるとなじりながら二人とも打ち首にしてしまいました。まだ十六才の若さだったそうです。

 その後、毎夜姫の悲しい泣き声が聞こえてくるようになりました。それは何か思いのこすことがあるかのような泣き声でした。

 泣き声が毎夜毎夜聞こえてくるので、殿様は哀れをもようし、裏の堀のほとりに小高い社を造り、二人のとむらいをしました。そして「自分の非をさとるならば逆さ杉を立派に育ててみせよ」と杉の木を二本植えました。そうすると年ゆくごとに、不思議にも大木となって育ちました。聞くところによると、枝もさかさにのびる木であったということです。

 この大杉はおしくも太平洋戦争の時、護国の一翼にと献木されたそうです。

 稲田姫のまつられている姫塚は、今は淋しい場所になっていますが、一度そのそばにたたずんでみて下さい。昔七戸が城下町であったころのことが、それに悲恋に終わった美しい稲田姫が、目の前に浮かんでくると思います。

 

【「姫塚由来記」(七戸城悲恋物語)】

 

 お稲姫という具体的な名前までありました。びっくり

 

 身分違いの恋、からの悲恋。いつの時代でも人を引き付ける何かがあるのでしょうね。

 

 せっかくなので、もう一つのお話を。

 「あかてこ」を調べていたら「かん子伝説」という話も知りました。

 これはいくつか他の方もブログで紹介しているので内容はざっくりとしか書きませんが、

 

『岩淵かん子は八戸藩士の家に嫁いだが、夫に他に好きな女性ができたため、母子とも川に突き落とされ溺死。さらに、銀杏の根元に逆さ埋めにされたため、幽霊となって現れるようになった。それから女の人の泣き声が聞こえるとか、火の玉まで目撃されるようになった。地元の人たちは、かん子の祟りだと言って、高台の銀杏の木の根元に、供養碑とかん子稲荷神社を建立して霊をなぐさめた』

 

というものです。

 

 せっかくなので寄ってみました。訪れる人がいないせいか、社も廃墟のようです。

 

 

 

 供養碑も何て書いてあるのか、判別できません。

 

 今回「あかてこ」を調べていたら、その地域に似たような話がいくつか伝わっていることが分かりました。

 元々は1つだった話が、時間と共に分れたのかもしれないし、どれも実際に起きた出来事だったのかもしれません。

 

 こういった伝承は日本の各地に存在します。

 

 また時間を見付けて、ちょっとだけ歴史を遡る調査をしたいと思います。(ほぼほぼ我流ですが 口笛

 

 ではその時に『伝承の始まりを追って』でお会いしましょう。ニコニコ