赤いベルベットの布が視界を覆う。

真昼の明るさも見慣れた部屋の中も全てが見えなくなると途端に五感が研ぎ澄まされる。

そしてそのまま放置され何もないことに感覚が更に緊迫する。

すると途端首の後ろを噛まれ腰の力が抜けると体のバランスが崩れた瞬間手首を掴まれる。

少しずつ体の自由を奪われる瞬間が好き。

ちょっとずつ追い込まれるのはじわじわと侵食されているようで全て食い潰して欲しいという思いが増幅する。

低く冷たい声で下される命令には絶対服従で辛くて苦しいのに何故か幸せで。。

微笑む余裕なんでないけれど心の奥底で微笑んでる自分がいることをなんとなく自覚している。

静かに追い込まれていく中に響く音がなんとか受け入れようとする静寂を一気に破壊する。

リズムがあってないような音は耳に残ると同時に身体に一つ一つ痕として残される。

みみず腫れになった背中にそっと口づけられると背をのけぞらせ心地よさにトリハダが立つ。

甘く舐められているのに指先はえげつなく尖った先を捉えて捻る。

痛くて辛いはずなのに甘い痛みに鈍感な私はただ嬌声をあげて懇願する。

もっと。。もっと。。ください。。

でもその声は届かない。かまされた布にしか届かない現実は分かっていても何度も口にする。


うるさいな


背中を離れた口から放たれた言葉と同時に指先も離れた代わりに金属の感触ともっと鋭利な痛みが与えられる。


さて今日はいくつかな?


少し楽しそうな声に身震いする私をみながら更に届く声は


そんなに楽しみか。


そう言って一つ一つ錘か取り付けられる。


ひとつ、、、ふたつ、、、みっつ、、、、、、


カウントされるたびに満たされる感触をなんとか伝えたくて、でも止めてほしくて顔をゆるゆるとあげると頬を打たれ付けられた錘を揺らされた。


我慢できなかった。。。


ガクガクと震え出した体にしなる鞭が心地よく体に這う。

もっと満たされたいと懇願すると同時に最後の錘が取り付けられそして体の芯に奥深く刺された。


死んでもいい


そう思いながら腰を張れば刺された芯が甘く擦り上げていく。


止まらない。。止めたくない。。止めないで。。


何度も叫ふと「目を開けて。麻美」と甘く囁かれる。

ゆっくりと目を開けると貴方の顔が視界に入りそれと同時に最奥を突かれる。

それでも逝きたいのにいけないのは一番感じるところを少しだけかすめているから。。

我慢できず腰を押し付けるとぬるりと交わされる。

懇願するように欲しがるとクスッと笑ってお預けと言われる。


気が狂いそうなほどの快感に身を任せるのかそれとも留まるのか私の中の葛藤が始まる。

涎を垂らし身体を小刻みに震わせ口から溢れた言葉は


やめて。。。


貴方はうすら笑いで見下しながら囁いた。


そうか。じゃ、これでどうだ?


貴方は私が一番欲しいものをその場所の寸前に何度も刺激を与えられる。

我慢できない刺激からなんとか逃げようと体を捩ってもそんなものは全く無意味で。。

そんな記憶が私を女にしてくれる。


行為だけではない。そうして離れた時間に女として熟成される時間が愛しくて堪らない。