一枚の写真を見て我慢しかなかった。

なぜ私?

スタイルも表情も何もかもお似合いすぎる。

そんなことを考えている私のことを見透かしたように諒さんは言葉を続けた。


いい女だろ?

そうだね。


どうして私だったんだろう。。

Mだから?

あまりにも未完成だから?


全ての質問を飲み込んでお似合いだね。と言うと諒さんはその女性のことを語り出した。

話が終わると何故私にこの写真を見せたのかもわかった。そして灰となった写真は流れていった。


涙を流す私を見た諒さんは麻美が泣くことないだろ?と言ってくれたがその顔が優しすぎてまた私は更に泣き出す。少し重めの水曜日の夜。

抱きしめられた私はいつもよりギュッと抱きしめ返すと諒さんから軽く息を吐くことが聞こえた。

半世紀以上も生きてれば何もないことはない。だから知らされた内容に対する涙ではない。この人はずっとこれを1人で持ち続けるつもりだったのだろうか。そう思うとふと思い出した。同じこと諒さんも私に言ってくれたことがあった。(苦笑)

そんな諒さんが言ってくれた言葉は私の救いの言葉だった。


麻美のおかげでやっと踏み出せる。


同じだよ。全く違う道だったけどそこから芽生えた感情が同じだからずっとずっと共に。。



心が乱されても戻る場所があるとわかる今これ以上の幸せは要らないと思って諒さんのシャツで涙を拭いた。