ゆっくりと言葉を吐き出しながらかなり支離滅裂な話をした。

途中で届いていた冷めたルームサービスを諒さんに促されて口にした。

スープとパン。美味しいはずなのに味がしない。

二口ぐらい食べたところで諒さんが口を開けて私の前に顔を出す。スプーンを口に運ぶと美味いなと言ってまた口を開ける。

パンとスープがお腹に入ったら諒さんがお風呂にお湯を張る。


少しあたたまろう。

先に入って。

1人がいいか?一緒がいいか?

わかんない。

じゃ、一緒に入ろう。髪の毛洗ってやる。

えっ?

気持ちいいぞ。心配するな。エロは抜きだ。


私はそれでもぼんやりと外を眺めると後ろから丁寧に服を脱がしてくれる。一緒に入ったお風呂の中でも他愛もない話ばかり。

ふと気になった。


なんで何も言わないの?

答えは麻美が出すものだから。

ん?

もう半分以上は分かってるだろ。

正しいかわかんない。

選んだものが正しいよ。

俺は聞き役だからなんでも言っていいぞ。なんて優しいご主人様だ。

自画自賛?

麻美が褒めてくれないからな。


クスッと笑うと髪の毛を洗ってくれた。

ぎこちないけど大きな手で頭を撫でながら洗ってもらう時間は本当に心地よかった。


細いな。髪。

そう。体は太いのにね。

そうくるか。

うん。

気持ち悪いところは?

ないよ。これ毎回して欲しい。

やだね。

ケチ。

こんなに時間と労力費やしてるのに?ケチ?

うん。

欲張りだな。

好きでしょ?


答えない諒さんは笑いながらトリートメントを馴染ませると上から私の顔を見るとリップ音を立てたキスをしてくれた。


エロなしって言ったくせに

キスがエロって歳か?

確かに。。(笑)


ホカホカの体のままベッドに横になると諒さんにしがみついて寝た。朝になるとすでに仕事をしていた諒さんがおはよと言ってくれる。


今日は予定通りの時間で帰るか?

うん。答えなんとなくでた。

そか。

帰ってから話してもいい?

分かった。

俺はこっちの支社に顔出して仕事するから空港で待ち合わせよう。

えっ?

12月だからね。anywhereに感謝だな。

うん。


諒さんを送ってホテルをチェックアウトしようとしたら既に先に払っていた支払いが戻ってきた。諒さんが出してくれたらしい。。

タクシーに乗ってお寺に行くと住職が迎えてくれた。

カズと話をしたあと、住職とも話をして気持ちを話すとそのまま空港へ向かった。まだ諒さんは来ていないからカフェで待つ。

やってきた諒さんはにっこり笑って落ち着いたなと。。2人で並んで座って帰るとは思わなかったけど空港にはいつもの車が止まっていた。

私はお土産を渡すと諒さんも準備していたようで3人で笑いながら家まで送ってもらった。


いい顔になったな。

そう?

とにかく疲れてると思うからゆっくり休みなさい。

うん。おやすみなさい。

部屋の前まで送らなくても大丈夫そうだな。

うん。ありがとう。でも見送らせてね。

はいはい。


部屋に入ると家族が心配そうに迎えてくれた。

でも顔を見て声を聞いて安心したようであまり深く話すこともなくベッドに入る。


カズと交わした約束は彼が最後。

今度あったら諒さんに話そう。。