そう。
おねーさんの声はとても静かだった。
ここのところ睡眠不足の私に付き合って深夜になるとLINEを送ってくれるおねーさんは私が万が一寝ている時はLINEの通知ぐらいでは起きないと知っている。(笑)
昨日の夜は安定で眠れずにぼんやりと起きていたので他愛のない話をしていた時の一コマ。
「時々思い出すのよ。あの子のこと。。」
「私もです。最近は特に。。」
そういうあの子はいまだに連絡が取れない。
どこかで幸せにやっててほしいなぁと。無責任な願いを思うのはあの子もMだから。
Sって根が優しいのが必須条件。
でないとただの野蛮人になってしまう。
そりゃやってることだけ見れば野蛮人だもんなぁ。。
でも好きと言うフィルターがかかるとそれが分からなくなってしまうことがある。
そんなあの子の消息は今でもおねーさんは気にかけているようで。。
もう10年ほど前のことなのに。。。
「あの時人生で一番怖い人をみた瞬間だった。」
「あー、あれ?御主にも後で少し嗜められたような。(笑)」
「怒らなかったんだ。」
「あの人は私に怒ることはないよ。今まで一回も。」
「そっかぁ。。」
「私が優秀だからじゃなく太陽だからね。Sは
」
「そっか。。」
救急搬送されたあの子の病院の待合室で見たおねーさんは背が高いS男の腕を普通に曲がらない方向に圧をかけながら笑ってた。手を離せと大声を上げる男にここは病院だから折れてもすぐに治療できるよ。と。。。
怖さと猟奇的な美しさを生まれて初めて見た瞬間で頃合いを見て御主がやめとけ。と言っておねーさんの腕を握って止めなかったらほんとに折れていたんだろうなぁと。。。
もうかなり昔のことなのに未だに思い出すと鳥肌が立つ。
この人を手懐ける御主って。。。と思うと苦笑いしか出ない。
「私も若かった。」
「今ならどうします?」
「ん。。。あんなに時間かけない。」
「えっ?進化してる。。?」
「人間は成長する生き物だから。(笑)」
確かに。。。
私にはあんなことはできないだけにこの回答は嬉しかった。
リスクが大きいことはわかっているけれどそれでも求めてしまうこの厄介な性癖を正しく理解して受け止めて満足させる人は少ない。
でもそれは逆もあり。
自分の性癖を正しく理解するのってなかなか改めて考えないから分からないなぁと。。
そう言う意味では私も彼のおかげでその機会を得ることができた。
そんな話をしたらおねーさんはあったかい声で
完全復活まで後少しかな?
私にはこの意味がいまだに分からないけれど深掘りせずに。。。
ケセラセラ。