繰り返しになるが、私の治療のゴールは骨髄移植である。

そのためには骨髄を提供してくれるドナーさんが見つからなければ目的は達成できない。

兄とは型が合致しなかったと聞いた時、私の型は少し特殊であると知らされた。

私はその時点で、これはだいぶ時間がかかるなと、何となく感じていた。

しかし、そんな私の予想を覆すように、思いのほか早い段階で移植に進めそうな一般のドナーさんが見つかったのである。

基本的な流れとしては、骨髄バンクに登録されている人の中から、病院の先生が私の型に合う候補者を探す。

合う人がいた段階で連絡をし、骨髄提供の意志を再確認する。

改めてドナーさんが意志を表明してくれた段階で、移植前の検査や検診、日程調整などを経て、いざ骨髄提供となる。

今の段階で、意思表明をしてくれており、具体的な日程まで提示が出ていた。

こうなると、移植ができる可能性は9割近いと言って良い。

思いがけず、トントン拍子で話が進んでいき、何とも率直に嬉しかった。

もしかしたら相当難航するのではないかと思っていたので、こんな理想的なスケジュールで移植ができそうなことに感謝しかなかった。

移植に進める可能性が90%と言ったが、残りの10%は何が起こり得るかというと、例えばドナーさんの仕事の都合などでどうしても休みが取れず、無くなってしまうことがある。

また、ドナーさんが行う事前の検査に引っかかって、移植が無しになることもある。

当然、骨髄提供を受ける私自身の検査やコンディションも万全でなければならない。

ドナーさんが見つかってお互いがいくら前向きでも、全ての条件が揃わないと移植には進めないのである。

そんな奇跡的な移植実現に向けて、今できることはひとすら90%が100%になることを静かに願うだけである。

【白血病闘病日記】第66話：現実味を帯びてきた骨髄移植