胸膜炎という謎の症状に見舞われて、1日中寝ていた。

 

不思議と体調が悪い時はそこまで痒みも襲ってこない。痒みにも忖度ってのがあるんだな。

 

熱が出たからまだ体は重いけど、翌日はなんとか仕事を乗り切った。ここまで来ればもうこっちのもんで、勝ったも同然。

 

明日はお休み。そして地元の花火大会がある。

 

いちいち病気に構っている時間ももったいないから、抗生物質と痛み止めを食らいながら、せっかくの休みを堪能することにした。
 

夕方、早めに食事を摂ったら、花火が見えるとこまで歩いていく。

 

結構距離があるけど、病み上がりとハイテンションのお陰で体は軽い。

 

どうせ汗で痒くなるのは織り込み済みだから、大量に痒み止めも塗ってきたぜ。

 

何度も言うが、夏の花火と冬のイルミネーションは三度の飯よりも、おやつのバナナよりも好きだ。

 

正直、この暑さにたくさん歩くことは無理だなと思っていたが、花火の音を聞いたら最後。

 

体内の細胞達が水を得た魚のように全力で盆踊りをしているから、もう行かない以外の選択肢はない。歩くこと20分。着いた。

 

近づけば近づくほど大きな音と美しく散る花火の端くれが見えるから、もう疲れや暑さなんてどこ吹く風。

 

久々に来たこの場所に懐かしさを感じながら、正面に打ち上がる特大の花火を眺める。

 

あーなんて、美しき。浴衣を着た若者を見ながら、江戸時代の花火を思い出す。

 

昔はもっと人がいたのに今年は少ないな。みんな、熱くて家でかき氷を食べているほうが良いのかしら。

 

そんなことを思いながら、目の前で次々に打ち上がる妖艶な花火たちをゆっくりと眺めていた。

 

来て良かった。これで一つ、今年の夏を満喫することができたぞ。

 

蒸し暑さの中にそよぐ夜風が何とも言えぬ夏の香りを運んでくる。

 

ぷぅ~んっつって近寄ってくる蚊の音も、今日ばかりは夏を彩る快適な音色だ。
 

30分ばかりの花火大会を堪能した。つい先日、胸が痛くて苦しんでいた自分はどこかに行ってしまった。

 

これで良い。今年の夏は思いっきり楽しむのじゃ。

 

そうしている内にいつしか月日は流れて、体も心も元気になっているじゃろう。

 

さあ、明日からまた打ち上げるぜよ。