リコーダー教室、まわしよみ、LGBT…
構想は色々あっても実質一人の活動でなかなか実現できない中で、
Facebookを見れば、みなさんアクティブだから私の活動は無意味
なんじゃないか、私の出る幕はないんじゃないか、
打ちのめされそうになりながら自分に言い聞かせる・・・。

最近、あの神戸の事件の少年Aが手記を出し、
販売1位になるなどで増刷というニュースを見て、やり切れなくなった。
私の想いを本にして世に出したいと思いながら、
LGBTのことも含め、洗いざらい書いて、
笛田千裕・女性として本を出版したいと思いながら、
資金のことなどでなかなか実現できずにいる。
それは私のいたらなさだけど、
でも、かたや、世に出してほしくないという遺族の声もむなしく売れる手記。
少年Aは少年法に守られ、未だ罰せられないまま社会に出、
顔も実名もさらさずに世に本を出した。やりきれない。

わたしにできることはあるのか。
今日、テレビを見ていて心に触れた二つのこと。
ひとつは「カンブリア宮殿」。
タニタの社長が出演していた。
私の活動はビジネスでもなんでもないけど、ある意味、自営業なので、
経営者の言葉や本などはよく目を通す。

体重計など、メーカーだったタニタは今はレストランや
カフェも手掛けている。
タニタはレストランだと思われてもいい。
舵を切るならめいっぱい。
でも、実は、それはすべて一本の線でつながっていた。
体重計など健康機器を作る企業の社員は健康でないといけない。
そんな思いから社員食堂は生まれ、少しでも会社のPRになれば
とうけた社員食堂のレシピ本出版が大ベストセラーに。
どこで食べられるのかという声が上がり、レストラン事業に乗り出した。
それでも信念はただ一つ。
「人々を健康にして私たちはごはんを食べられる。
非常にやりがいのある仕事」と社長。

私の活動は「数値化」できない。
ど引きこもりで、私は何もできないと思ってた中、まずは
リコーダー演奏を一人でもいいので聞いてもらいたい、
じゃあもともとおしゃべり好きなのでMCしながら、
私が披露できるものと言ったら私の人生だし、
私の生き方を語りながら演奏してみよう、
がんばってない、落ちこぼれの烙印をいっぱい押されたけど、
私なりに頑張ってる姿を全部さらけ出してみよう、
すると、小学校に上がる前に我が子をなくされたお母さん、
障害を抱え、もうこの子と死のうかとさえ思いつめたお母さん、
沢山の方に出会い、今日、あなたと出会えて、生きようと思った、
そう声を掛けられた。

やる気がない子だと思ってたけど、そうじゃないのかもしれない。
この子にはこの子なりのペースがあることに気付かされた。
見えない障害のことをはじめて知った。
つい男の子でしょ、女の子でしょ、って言っていた。
性別がない人もいる、性別は男女だけじゃないと知ってハッとした。

そんな沢山の声を聞き、もしかしたら社会を動かす一端に
なるのかもしれない。
同情してもらいたいだけの物乞い、と揶揄されたけど、
私が見えない障害やLGBTを語ることで、偏見が解消されたり、
誰もが生きやすい社会に貢献できるかもしれない。
それでもし私が生きていけるなら、まさに、
「人々を健康にして私たちはごはんを食べられる。
非常にやりがいのある仕事」になるかもしれない。

私は名誉も肩書きもなければ有識者でもない。
だけど、身をもって経験したことがいっぱいある。
いじめも、不登校も、引きこもりも、見えない障害も、LGBTも、
メディアとの付き合い方も、子育ても、食育も、環境教育も、
リアルに子育て経験はないけど、それ以外はこの身を持って
経験し、土絵の具だってまわしよみだって、
リコーダー演奏が私の一番のウリではあるけど、
ただ演奏するだけでなく、演奏と共に思いを込めたい。
演奏はあえて言うなら手段。演奏に何のメッセージを届けるか。
一見重いテーマの話しも演奏を交えることで、
届けやすくなるのではないか、
そうやって引き出しを増やしていった結果が、
なんでもやさんみたいな今の私。

「リコーダーを通して人にも地球にもやさしくなれる」が
あいまいとか、リコーダー演奏に、まわしよみ新聞、
土絵の具、ネイチャーゲーム、すべてばらばらなようだけど、
引きこもりから一歩踏み出す時、実は見切り発車なようで、
しっかりと思っていることがあった。
わたしにできること、わたしにしかできないことを考えた時、
単に演奏だけでなく、演奏をあえて手段にすることで、
いじめについて話題にした時、重いと敬遠されがちだったものが、
演奏を交えることで、和やかな雰囲気な中で考えてもらう
機会になる、理想は、呑み屋でお酒飲みながら、
「最近ニュース見るとよ、いじめがひでぇが、ありゃよくねぇよなぁ」
とぼやくおやっさんのような、そんな気軽にいじめのこととか
話題にしてほしい、だからこそ、私は演奏して語る。

そして、もう一つ。
コンビニ売上高一位でありながら空白県だった青森に
出店したセブンイレブン。
セブンアンドアイ会長の一言。
「競争相手は同業他社ではなくお客さんの嗜好。
これまで同業他社に行ったことがない。
仮に同業他社が合併したとしても、一つ一つ自分たちの
できることをやっていけばなんてことはない」と。
何と言う芯の強さ。
私なんざ、Facebookを見て、みんな活動してるのに
私は何もできてないとつい比べ、ましてや、同じ音楽をされてる
方が精力的にライブされてたり、カフェでレッスンなど、私が
やりたくてもまだ実現できてないことをすでに実現してるのを
見るとへこむ、ダメな私なのに、同業他社は気にならない、
とはっきり言える会長。

ある意味、自営業なので(笑)
何気ない買い物でも経営者の言葉を思い出したり、
いろんなサービス、商品から自身の活動にフィードバックして、
そこに学びはあるか?と自分に問う。

私も頑張らねば。
私にできること、私にしかできないことがきっとあるよね。