{F687CBC2-DA2A-45CD-BFEB-28D7BFC0509B}

世界は広い。

2000年にステンシルグラフィティなる洋書を見つけ、魅了され、それから2年後、本格的にステンシルをやり始めて今に至ります。

2000年当時はまだBANKSYやOBEYが今ほど一般層に知られてないくらいでしたね。

{858283A6-A254-44BF-AF7B-70D42168628E}

この人達の作品を見てステンシル始めた人は世界中に沢山いるでしょう。

2016年の今、

自分は2002年からステンシルやってきて意識してたのは、BANKSYやOBEYの作品の中身やネタではなく、ステンシルスキルの部分で、この人達よりもカットラインをリアルに出すことを重点にしながらやってきたように思います。

一版でリアルな顔を出すこと。

{5B52AFC5-A621-4348-95B2-F49A53938C3A}

やはりその意識の根底にあるのは、グラフィティ。

路上で如何に素早く仕上げられるか否か。

BANKSYはやはりその最高峰であり、オリジネイターであります。

{BCC1929D-F945-45B3-A33B-3ABAD9F962C3}

ネタも思想的であり、政治的であり、メッセージ性に富んでいて、ブラックユーモアも満載。

{038CF3FE-7D91-4475-A5C4-F2C6EFC4D266}

カットラインはリアル。
そして版の数は多くない。せいぜい3版くらいかな。

対して、OBEYの作品は

{49BA4CC1-B55A-4328-98CD-FA5D51677BF8}

{A8090696-D841-4361-8C78-678494A12392}

カットライン自体はシンプルで版の数もやはり少ない。1人仕上げるのに白黒赤の3版くらい。

{2361D394-454E-4689-82E3-EA08C2A017CA}

{E04F8E47-B019-4A1C-9D4A-5776ECCFA982}

OBEYはプロパガンダポスターとしてのインパクトやクオリティに重点が置かれている。ステンシルグラフィティというよりかは、ステンシルデザインポスターを量産して張り巡らすスタイル。

両者とも、政治的であり思想的であり、民衆に寄り添ったメッセージ性の強い作品だからこそ世界的に広く支持され続けてきているのでしょう。

{FDCA1763-9AB8-46E8-943A-5692E7471F84}

それらの作品の中身を真似たり、パクることは出来ないと、素直に自分は自分のやりたいことやろうと、ステンシルカット技術の向上と共に色々な版を制作し、”一版でリアル”を追求し続けたワケです。

最近になって、世界的に影響を与えた浮世絵師や、彫り師、刷り師などの日本古来の技術や、また着物反物の染め用版の存在と優れた技術を知り、

如何に日本人らしく細かいカット作業が出来るのかとやってみたりもしました。

{38872A88-992F-4C87-8E97-00BE5DB4D81E}

そしてある程度細かいカット作業にも慣れてくると、飽きも出てくる。

もっと細かくやれるし、やるべきなのだろうけど、一版でリアルを出す限界もある。

リアルを求めて細かくすればするほど、版が一発吹いて壊れるくらいのモロさになる。

そこはグラフィティ品質を保ちたい。

持ち運べる、いくらかの吹き付け回数に耐えられて、一発吹きでリアルな版であること。

{97BD483D-7ADA-40E8-BE97-E240ABEE3E94}

そこでふと、世界のステンシルアーティストと名乗ってる人達のスキルを見てみようと掘ってみました。

いやはや、やはり世界の動向は見ないとダメですね。

ボーッとしてる間に皆さんに完全にブッチぎられてました。

スキルの質、表現の質は、2000年に買ったSTENCIL GRAFFITI本のレベルの何倍も先に行ってました。当然と言えば当然ですが。

そして、それでも尚、BANKSYやOBEYの地位が確固たるものであることは凄い。

世界の動向は、もはやステンシルグラフィティというよりは、完全にステンシルデザインですね。

より写実的であり、

{FFD90540-AD50-43B4-A886-689F380007A2}


デジタルグラフィックデザインをアナログステンシルでそのまま形にしたようなものが当たり前になっている。

{64500309-61A3-45C4-8F02-6103F6FC5577}


コレらのリアルな版をアナログ出力するには、細かい版を幾重にも重なる必要があるわけで、


{9E0B1A49-F945-44F9-A750-0D335FDA2FFC}

{1A811AB6-70F7-452D-9212-8FDEF07C4246}

{137CE9CF-289A-49C6-B8CB-DEAEAA4C1300}

{D8AE605B-98EC-4347-B99B-C1F5D12772FE}

もはや、日本人だから細かい作業が得意なはずという根拠の無い過信は崩れ去りました。

{627D40D1-409C-4EDB-B453-4DDD407FDC57}

{86591A9C-108F-40F1-8504-1A52E7FEC177}

{870575DE-4FAE-4496-9FF1-70272F308D93}

{C1C64A7E-63BB-4607-A2E1-0F9D528492B4}

確かに凄い。

ジャパニーズステンシルとしてシルクスクリーンの素となった版と細かさが似ているが、恐らく更に細かい。

{7D527AD3-A69F-406A-B7CB-D82318D37775}

コレらの作品は、自分の今まで制作してきた作品とは明らかに毛色が違う。

じゃあこれから細い版を何枚も重ねたリアル作品を創るのか?

それはしないです。否、出来ないです。

一つの作品にあんな細い版作るのが面倒くさい。時間掛かり過ぎる。

如何に早く、沢山の作品を産み出すかの方が自分的には楽しい。一日一版、ハイ次!って感じ。

{8761D09E-09C4-4BE8-98DF-FD078DB0701C}

一つのメイン版を、様々な版との組み合わせで創作する方が楽しいでしょ?

と、自分に問いかけ、言い聞かせてます。

{5538D954-AF98-4EEE-A78B-F3EEA274D91C}

BANKSYやOBEYも先ほど挙げたような細い版じゃないにも関わらず、世界に衝撃を与え続けているのは、やはり作品の中身や質、それを支えるアイデアとユーモア。

そして僕が好きなウォーホルや写楽のポートレイト群。

{64E4EFAC-4E8D-4E5D-8A44-BBCC4F30809F}

{EC64DCD9-C9E1-427B-971A-2155D9E5CBC7}

写楽の、顔の特徴を際立たせてポップに表現した大首絵に、

{7A669BCF-37B6-4D0D-B565-330DDAEF4BDA}

{66C40823-B9BA-48AE-835B-FFEDC3C4C1BE}

{3FCAD4C1-597A-41F2-A686-3A2E93819F2F}

ウォーホルは有名人を自身がポラロイド撮影して、それをそのままシルクスクリーン印刷して色を様々に塗ったりしたヤツが好きだし、憧れます。

写楽にしても、ウォーホルにしても、作品から何か滲み出る、人間臭い”間”がある。

細かいのは凄いが、細かいだけが全てじゃない。

最近よく見る、写真にしか見えない絵とか、、、

なら写真でよくね?

写真のように描ける技術は凄いが、表現としては凄くないような?!

そのワザワザ描くっていう無駄さに価値があるって思えるけども個人的に魅力は感じ無いかなぁ。

それより、写真から感じるイメージに合わせて色を様々にブチ込む方が僕は好きですね。

{FF6138DA-A192-4F8D-92D4-1202DB782BC4}

{2944D436-D230-45C7-BFA2-ED815B833A56}

{B2979714-2B19-4365-A438-19D4DA399C01}

ウォーホルはやはりシンプルながら素晴らしい。

誰でも出来そうな印象を与えながら、結局誰もウォーホルには成れない。なり得ない。

そして、そんなウォーホルが嫉妬したバスキアもまた素晴らしい。

いや、凄まじい。

{72E43A45-2F66-405F-95C7-2C1D7AE008E2}

無茶苦茶に見えても、最終的に素晴らしい印象を遺す。

{4A54E5F2-5CB6-4B29-A0E8-6514C07FE307}

{8E0BCE9B-6B90-47E5-B169-06718A68AE07}

こんなもん、全身搾っても出ねえし、出せねえ。

{5806222B-A9D8-4A59-A07C-54A36CDA1CB1}

バスキアは幼少期にダヴィンチの人体解剖図を親から与えられては読み、描いたらしい。

{6EDF0CEB-F539-4AB1-9CB4-3103671EC47A}

{B802BF42-4E2C-486A-A44A-9689BB5505EB}

今、このダヴィンチの人体解剖図の存在を知った僕には到底、現世では辿り着けない。

なので、いつか我が子にこのダヴィンチの人体解剖図を与えてみたいと思います。

ちょいと脱線しましたが、

現在、ステンシル技術における世界標準ラインを目撃したワケですが、

僕は凄い集中力も無いですし、これといって特異な人脈による特異な経験もせず平凡に育ったもんで、

{07FB2292-BD8A-4A97-9127-C793BB982D8B}

ひたすら個性を放つ人達に影響受けやすいタイプでして、故にアレやコレやと手を出しては寄り道ばかりして、

後で全然進んでないことに悩み苦しむ馬鹿野朗であります。

{3A841836-1C7B-469A-985E-AA561013059C}

もう誰かに影響受けて、その都度脱線してる暇も無いので、

自分は自分らしく、
よりワガママに、
名声に対する嫉妬心も溶かすほどの
自分の内なるドロドロしたクソッタレな部分をステンシルというフィルターを通してドリップしなければなりません。

分かっちゃいるけど、出来ないことが多いですが。

何かインプットしなきゃと今年に入って色々ネタを拾ってますが、そのインプット作業にハマってしまって何からアウトプットしたら良いか分からなくなっているのが、正に今。

{D2C3C650-A9F6-4AF9-A72F-0421EF293CD7}

相変わらずスロースターターな馬鹿野朗です。

アウトプット、それを出来るようにする為に何をすべきか?

ひたすら創り出すのみですね、ハイ 。

寄り道すんなよ。

バイバイ、またね。