こいつね。
この本ね。
悩むスなー。
職業=アーティストってことはだよ、
それで飯食っていくってことだよね。
今、僕はステンシル(STENCIL)という、
分かりやすく言えば ”切り絵” と ”版画” をあわせたモンをやってる。
シルクスクリーンという、何にでもプリントできる手法の前の手法。
アンディ・ウォーホルもやってた。
ステンシルはシルクスクリーンと違って、写真をそのまま版にして別の物にプリントすることはできない。
だからそのタッチは切り絵に似ている。
今まで作った僕の作品は僕のホームページにて見ることができます。
ここを見てもらえば、僕のステンシルで出せるペイントの雰囲気が分かってもらえるでしょう。
さて、
果たしてこれで僕が飯を食ってるかというと、
答えはもちろん、
”いいえ”です。
生活するために、別に普通の仕事してます。
仕事が休みの日、仕事が終わって帰ってから作業してます。
そもそも、なぜステンシルに興味持ったかというと、
アメリカの"OBEY"や、イギリスの"BANKSY"の作品を、
2002年、一人旅で行ったロサンゼルスで生のストリート作品を観て衝撃を喰らったからで、
それまではスプレー缶やマーカー持って街中をBOMBしてた。
だけど、上には上がいるって思い知らされ、
何か自分に自信が欲しくて、ステンシル始めたら見事、
ハマッタ。
それから2009年の今に至るまで、Tシャツからお店の壁まで色々ペイントしてきた。
7年やり続けると技術は嫌でも上がる。
だって、本気でやってるから。
職業=アーティスト。
巷に溢れるアーティスト。
テレビでもてはやされるアーティスト。
自称アーティスト。
”僕は自分からアーティストって名乗ったことはない。”
僕はまだ、すごく大きくて、捉えることのできない
"ART"
という会社に雇われてる、芸術労働者。
金を稼ぐ仕事はできない、ただの労働者。
アーティストが職業になるってことは、
その人が制作したものが世間一般に認められる、認められたってことかな。
ただし、本物のアーティストは世間一般の反応なんか全く気にせず、自分を信じて作りきったもんが認められた人。
だと思う。
自分の心の中、頭の中にある知識、経験、欲望を惜しげもなくぶつけて、目に見える形で表現できる。
それが、僕の思うアーティストかな。
世間にはアーティストはカタギではないという風潮があるらしい。
確かに。
いつそれで飯を食えるようになるかなんて保証はない。
一生食えないかも。
売れるために一般受けを狙い、それを作って成功する!?
それじゃあアーティストじゃないでしょ。
自分を捨てて、相手に委ねてるモンね、それじゃ。
普通に ”カタギ” 仕事してたら、なかなか作品を作り、ためる時間は少ない。
だからといって、やめるわけにはいかんのじゃ!!
俺の作品は俺しか作れんのじゃ!!
社会不適合者!?
上等、上等。
冒頭の本の中でこんな言葉がある。
”カタギ志向の人にしかアーティストが務まらないようなら、世の中にアーティストは必要ない。”
親に何度ため息つかれたか、
情けないって何度言われたか。
だけど、やり続けてる。
売り方を知らない、不器用な俺。
ただ、まだ少ないが一部の人に受け入れられている実感はある。
それが広まるかどうか、それはこれからの自分にかかっている。
美大を出た、デザインの専門学校出たってだけでアーティストを名乗る輩もいるだろう。
アーティストを名乗るのは簡単。
僕はアーティストに憧れ続ける、
”ART” に雇われている、
芸術労働者( ART WORKING CLASS )でいい。
ART WORKING CLASS "HERO" になれるまで、
自分を信じて作り続けるだけ。
本の中の、この言葉に勇気をもらったかも。
”時代の潮流やムードに背を向けることである。 そして、そのことを卑下せず、胸を張ることである。”
チャン、チャン。