グッバイ・ジョー/ヴァル・キルマー

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少年が非行に走ったのは先生の確信的な一言から。

父親が自分の通う小学校の校務員。
先生は授業中に父親の職業を言わせ、
皆の前で辱めます。

それ以来、彼は非行に走り、
万引きなどの軽犯罪を繰り返します。


犯罪者は社会が生み出すのですね。

そして、遂には父親の借金を返すため、
また父に割られた母が大切にしていたレコードを買うために
強盗に入り、鑑別所送致になります。

鑑別所に送致される当日、
母と二人で行ったファミレスに一人で行き、
その時と同じメニューをオーダーします。

その後、別居している父に会います。
父に強盗に入った理由を聞かれるのですが、
答えません。


父は自分の借金を返すために
強盗したことを知っていて彼に言います。
世の中には、良い人間と俺のような人間がいる。
お前は絶対に俺のようになるな!
Love you!


この父の言葉こそ、幼い頃から
彼が求めていたことなのでしょう。

この作品では、父のライフ・ヒストリーは
一切明らかにされませんが、
おそらく父も社会的に排除され続けていたのでしょう。

安部さんは再チャレンジとは言うけれど
彼らはそもそも一度も社会から
チャレンジする機会を与えられていません。
ずっと低空飛行のままです。
再チャレンジできるのは
あくまでも一度社会的に成功して失敗した人であり、
最初からチャレンジする機会を与えられていない人は
再チャレンジの有資格者にさえなれないのです。
再チャレンジ政策に要した費用を回収できる可能性が
ある人だけが再チャレンジできるのです。


安部さんも再チャレンジを言う前に
まずはチャンスを得るための
教育に投資してほしいし、
それは住んでいる場所や両親の経済状況や
経歴にかかわらず平等に与えなければなりません。
だから、学校間競争もほどほどに。
バウチャーも善いけれど
良い学校に行くために転居したり、
何時間もかけ通学できない子どももいるのだから。

グッバイ・ジョー@映画生活