ディスアビリティ Disability と ディスオーダー Disorder

この英語は日本語ではともに障害と訳されていますが、
ディスアビリティ Disabilityは四肢の一部が無い、
臓器の一部が壊れているなど器質的な障害を指しているようだ。
身体に障害を持つ人を英語では Disabled と言う。
従って、そもそも欠けているのだから、無理して健常者を目指すのではなく、
障害を障害と感じなくてすむ社会を作る方向に向かうべきだと思う。
そう、障害は社会的に構成される。
自立とは、ケアする人々にきっちりと自分のして欲しいことを伝える能力を
獲得することではと考える。

ディスオーダー Disorder
ストレスやトラウマなど外的な要因による生きづらさを指しているようだ。
従って、適切な療育やケアを行えば、改善される可能性がある。

例えば、
ADHD = attention deficit hyperactivity disorder = 注意欠陥多動性障害
mental disorder = 精神障害
panic disorder = パニック障害

ディスオーダー Disorder の Order は
順序, 順番, 順位 と言う意味であり、
Dis は「不.., 非.., 無.., 反対, 分離, 除去など」の意味を表したり,
否定の強調に用いられる
ので、
ディスオーダー Disorder とは標準から離れていると意味になる。

そもそも標準なんて平均と言うことなので、絶対的なものではないし、
順序をつけるための基準も極めて恣意的なもので、
やはり絶対的なものではない。
だから、ディスオーダー Disorder も
やはり社会が作り上げたものに過ぎない・・・
しかし、とりあえずは今の社会が、
今の順序付けの平均で設計されている以上、
標準から極端にずれている人は生きづらい・・・

一方で、ストレスやトラウマ、PTSDに遭った人々が
ディスオーダー Disorder とされる状況になるのは、
極めて標準的=Orderなことでもある。

Disabledな人も健常者(って何者? 単なるその時々の平均じゃない!)
の標準から極端にずれているだけで、
すべては地続き(スペクトラル)だと言えるが、
あるところから、健常者と障害を持つ人が区分けされてしまう。
そして、この境界線は時代により変化するし、
繰り返すが、そもそも平均なんて何を指標とするかで変わるもの。
メガネをかけている人は今は障害を持つ人ではないけど、
メガネの無い時代のサバンナでは、明らかに障害だったろう。

だから、彼ら/彼女らは決してエイリアンではない。

従って、たまたま今の時代では、
社会的弱者、あるいは障害を持つ人とラベリングされているけれど
実はその根拠って脆弱で、
いつでも立場が入れ替え可能だ。

ソーシャルワークの母、メアリ・リッチモンドの言葉

あなたたちは、自分たちの目の前にいる人たちを、社会から
落ちこぼれた人間だと思っています。
彼らを、なんとか社会の最底辺にまで押し戻し、社会の片隅で
生きていけるようにしようと腐心しています。
しかし、それは間違いです。
彼らにこそ、社会の明日があるのです。
あなたたちは、この社会のあり方を変える戦士を養成しているのですから


ところで、どのような基準でも、いつの時代でも、
平均から極端にずれる人はいるのだろうか?


なんだか訳がわからなくなってきた。
とりあえずの参考文献です・・・

「こころ」はどこで壊れるか

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株式会社 ビーケーワン