明日の記憶/渡辺謙

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この作品は随分と前に観ていたのですが、
記事にしないままでした。
理由は記事に書くことが無かったから・・・

最近、「痴呆を生きるということ」、「認知症とは何か」を読んだのを機に
記事に書くことにしました。

従来は、介護する側を主人公にした作品が多い中で
このように若年性アルツハイマー型認知症当事者とその妻を中心とした作品は
非常に珍しいとは思うのですが・・・

主人公が壊れていくプロセスの中で苦悩や受容が
表現されてはいるのですが、何かが足りなかったのです。
その理由が、、「痴呆を生きるということ」、「認知症とは何か」を読んで
わかったような気がしました。

それは彼の行動が彼の履歴から合理的な行動であること、
喜怒哀楽などの情動記憶が残ることが描かれておらず、
絶望の中の希望が、自分のことを忘れても
なお、彼を見捨てず献身的に介護しようとする妻への希望であり、
当事者の立場での希望、認知症の人への希望ではないのです。
認知症に罹る、すなわち廃人なんですよね。
情動記憶があり、まだ体で感じることができるのに・・・
だから、記事に書く気にならなかったのかも知れません。


さて、認知症で健在化する家族の闇は下記の映画に詳しいです。
認知症などの患者を抱えることは、
表面上、うまくいっていると思われた家族の持つ
わずかなヒビを一気に顕在化させますね。

人間の約束 ニューマスター版/三國連太郎

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明日の記憶@映画生活