マネーとダイヤモンドと言っても資産運用の話ではありません。
代表的な性科学者の名前です。


二人の紹介をする前にまず押さえておかなければならないのは
人間の性は皆さんが思っているほど確かなものではないと言うことです。
男性か女性かという明確に区切られた両極のどちらかではなく、
多くのグラデーションがあると言う事です。
完全な男性、あるいは完全な女性などこの世には存在しません。
男性、女性として規定されているのは、分布図に大きく二つの
山があり、その平均値をとって男性、女性としているだけに過ぎず、
科学的に裏付けられた絶対的なものでは無いのです。
すなわち平均値が変われば、定義も変わることになり、
情報処理の仕方により、ふたつの性ではなく、
多くの性を恣意的に産み出すことができることを意味します。
だから、余り性差を気にすることはないのです。

さてさて、書いているうちに話がどんどん横道にそれていって
しまいそうなので、元に戻しましょう。

マネーはこの性の多様性に対して、あくまでも男女と言う二項に
こだわった人で、平均値から大きくはずれる人は、幼い頃に本人に
も、場合によっては家族にも黙って、外科的に強制的に科学の名の下に
外形上近い方の性にしてしまい、その性として社会的に育てていけば
全てうまく良くと考えた人です。
その結果、多くの性同一性障害に苦しむ人々を産み出してきました。
根拠となった科学的根拠も適当なものだったし、
術後の患者の精神的ケアなどフォローもしていなかったので、
顕在化しなかったのですが、ブレンダ事件で全否定されてしまいます。

ブレンダと呼ばれた少年

¥1,600
株式会社 ビーケーワン

対して、ダイヤモンドは命に別状がない限り、
外科的手術を施さないで当事者や家族に全てを話し、
第二次性徴期に当事者に性を選択させることを主張しました。
その中には、半陰陽として生きることを選択することも含まれています。
しかし、半陰陽を選択できるようにするためには、世間に半陰陽の存在、
すなわち性の多様性を認識してもらい、尚且つ選択した人が
住みやすい環境づくりをしていかなければなりませんので、問題山積です。

さて、私がマネーとダイヤモンドと言う資産運用の話と
勘違いしてしまいそうな両者の名前に興味をもったのは、
この名前が非常に二人の考え方を象徴しているなぁと思ったからなんです。

マネー、訳せばお金です。
お金は円からドル、ドルからユーロ、ユーロから元など
様々な通貨に交換できます。
それぞれの通貨自体には実態が無く、交換レートと言う
他通貨の関係性の中でのみ価値が規定されています。

一方、ダイヤモンドはまさしくダイヤモンドであり、
変わらぬ価値を持ち続けています。
性がふたつではなく、それぞれの固有のものであるとすれば、
その違いは顔つきの違いや性格の違いと同じレベルで
語られるべきであり、性の違いは殊更に強調すべきことではなく、
相対化されていくことになります。

名は体を表すとは良く言ったものだなぁと二人の名前と思想を
知ってそう感じました。