ポニーキャニオン
ノー・マンズ・ランド

戦争の愚かさ、馬鹿馬鹿しさ、不条理を
とても良く表現された良い映画だと思います。

ボスニアとセルビアに限らず、民族紛争は
第三者から見れば、馬鹿馬鹿しいけれど、
当事者からすれば、歴史の積み重ねもあり、
そもそもの原因も忘れ去れら、ただただ憎しみだけが
記憶された根深くも深刻な問題です。

そして、その中に入り、中立を掲げ、人道援助を
行う国連軍の無力さ、愚かさ・・・
中立を掲げ、傍観することは加担すること。


紛争解決に中立など有り得ない。
ただ一方に一方的に加担するのはなく、
両民族間に横たわるこじれた問題を解きほぐし、
要素還元を行い、それぞれの課題毎にどちらを支持するかを
判断していくこと。
例えば、課題が10に還元できれば、それぞれの課題に
ついてどちらを支持するか判断して、合計の支持数が多い
方に加担することになる。
しかし、各課題の重要さは同じではないし、
さらに課題毎の重み付けは両民族間で違っていたりする。
しかも、両民族に横たわる問題は、こじれているのではなく
複雑な問題ゆえ、実は要素還元できなかったりするのだけど。

このような複雑さを理解せず、もはや生理的に拒絶するような
間柄になった両者に対して、変に人道ぶって、話せばわかるだの
理解できるはずだだの第三者が介入するほど愚かなことはなく、
その仲裁は両者の対立を助長するだけ。

介入は早期に行わなければ意味が無い。

ここまでひどくなった場合は、強制的分離しかない。
この映画の文脈では武力行使!

あれ、これって児童虐待DVの解決と同じ?