ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
ガタカ

いわゆる遺伝子操作で作られたデザイナーベイビーが全盛で
人間が人種や性別ではなく遺伝子のみで評価される時代。
その時代に「神の子」(自然出産)として生まれた遺伝子的に不適合者が
遺伝子エリートでありながら障害者となったために
競争社会から離脱したエリートの助けをかりて身分詐称をして
超エリートである宇宙飛行士になるまでの話です。

DNAレーシズムを考えるには良い作品です。

尿や血液などによる本人認証は
いろいろな工夫でごまかせても、
知識や体力などはだませないので、
生まれたときに不適合者と判定され、
寿命が30.2歳だと宣告された主人公が努力で乗り越えていく。

遺伝要因だけではなく環境要因も重要ですし、
遺伝的に優秀だとする評価の基準は
恣意的であり、時代の価値観も反映されるので、
普遍的な評価基準にはなりえないはずです。
むしろ多様性を確保することにより
種としての強さを確保しているのですから、
単一的な評価は種を滅ぼす方向に作用するでしょう。
そのような風潮に対する警鐘です。


それに内的ケイパビリティだけではなく
内的ケイパビリティが発揮できるための
外的ケイパビリティも必要ですね。
そう遺伝だけではないのです、たぶん。

スポ根的な物語りなんですが、
それがスポ根的にならないようにうまく表現された
おしゃれな映画です。

ラストシーンは泣けます。
とにかく面白かった。

ガタカ@映画生活