続いては移植外科の教授と顔合わせ。

つねに胸の前で指を組んであごは引き気味。

船越英一郎似で色気むんむん。ギラッギラ。

ちょっとかっちょいい。

 

おたがいの自己紹介もほどほどに、夫から病気の経緯や病院遍歴・糖原病のはなしもする。

いままでどの先生も糖原病に関しては完全スルーだったけど、びっくりするくらい熱心に聞いてくれて

夫のこころが少しづつ開いていくのが分かる。

 

このままじゃ東京オリンピックが見れる気がしない‥と、夫がすこし弱音を吐くと、

まかせて!一緒にがんばろう!と、頼もしいお言葉。

極度の医者不信の夫も、先生のみなぎる自信とオーラに圧倒されて希望がみえたようだった。

内科では、年内もつか・もたないかと言われていた身。 

わたしたちには、先生が神にみえた。

そして、まるでドラマのワンシーンのような光景で、わたしの脳内では白い巨塔のアメージンググレースが流れていた。

 

その後は、専門的な手術の説明やほかの移植外科の先生たちとの顔合わせ。

たくさんの人に会いすぎてよく覚えていない。

 
糖原病は、肝臓が糖を代謝する酵素を持っていない(つくれない)病気だから、
酵素を持っている正常な肝臓を移植すると理論的には治るとのこと。
 
そして生体肝移植で重要なのは、とにかく肝臓の大きさらしい。

ドナーにとっても患者にとっても、カラダに負担のない大きさであれば、血液型・血縁関係の有無は問題なし。

肝臓の大きさには個人差があるものの、体格に比例することが多くて女性から男性は難しいケースが多いらしい。

夫とわたしは、身長が20㎝くらい・体重は倍以上の差がある。

 

わたしが先生にキュンキュンしてるのを知ってか知らずか『奥さんは細身だからどうかなー』と先生が言うと、
『むかしは女子プロレスラーみたいだったんです』と、つかさず夫‥。
バカ!アホ!余計なことを!!!!

なごやかな雰囲気!?で診察は終了。

さっそくお盆明けにドナー検査をすることになる。

 
やっぱ治せない内科と治せる外科は違うねー。
などと話しながら、病室へもどり、終わったのは15時すぎ。
疲れたけど、夫の顔が明るくなってほんとうに良かった。