家に昭和丸と名付けたが、家内は動物たちと話すときには、Showamaru House と呼ぶ。繰り返して言っているうちに、車で家に行くことと家の名前とを結びつけさせようとしているのだ。

家はあるものの、狭い駐車スペースのゲートが壊れていて、網をはってあって入れない。

屋根は一箇所雨漏りをしているようだし、冷暖房も入っていない。キッチンにもコンロも冷蔵庫もないから料理はできない。もちろん、家具調度品はひとつもない。半年間も空き家になっていたので、埃っぽい匂いがする。

それでも、電気と水を通してみたら、隠れ家に来ているような気がして楽しい。

少しずつ少しずつ家に余っているものを持って行って、海の音を聞きながら作業をしている。昨日などは、海が大荒れで雨がガラス窓にたたきつけられるように降っていた。

コストコでまとめ買いをするミネラルウォーター、家内とふたりで乗る自転車、寒さを凌ぐための毛布、畳の部屋で壁に持たれて作業ができるように、枕をひとつ…まだまだ一夜を過ごすことさえままならない。

快速が止まる駅が近いので、家内も仕事が終わったら駅まで20分程度でこれる。駅は車で5分ぐらいの距離にある。

昭和時代を彷彿とさせる、狭い急な階段をとんとんと上がると、もうそこは別世界だ。