「パンドラ」

 

20代に入ってから夜に眠れなくなった

日付が変わる頃にベッドに入るんだけど

結局起き出して毒にも薬にもならない

漫画を読みながら無意識からの声を待つ

 

愛すらも結局幻想だったのかと問いただせば

壊れてしまうものがあるとここまで来たけれど

 

目覚まし時計が鳴る前に肩を叩かれて

霞んだ目で君の後ろ姿を認める

それで僕は悪い夢だったと気付けるんだ

形無いものを永遠に信じることは出来ない

 

 

大きな地震が起きて僕は数少ない生き残り

負け犬だったけれど少しだけ優越感を味わった

素敵な恋人や尊敬できる友人もできたんだ

それでも10年経った今心は一人ぼっちのまま

 

諦めることを覚えて泣くことを辞めはした

でも手を伸ばし続けている気持ちが解るかい

 

日が昇る前に目覚めてしまって

言語化出来ないけれど良い夢だったなんて

右目から零れた涙を拭って2度寝した

でも背中に壁を感じるもう譲れるものはない

 

 

無駄な抵抗の最中に誰かが僕の背中を刺す

いくら苦しんでも死にきれずに謝れと叫んだ

 

 

目覚まし時計が鳴る前に肩を叩かれて

霞んだ目で君の後ろ姿を認める

それで僕は悪い夢だったと気付けるんだ

形無いものを永遠に信じることは出来ない