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【電子書籍】マクドナルドはなぜケータイで安売りを始めたのか?
吉本佳生・講談社・1700円

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今日、マックでSサイズのホットティーを注文しました。

普通のカフェだったらちゃんと店員さんが淹れてくれたホットティーが出てくると思うんですが、マックってお湯とティーパックとマドラーと砂糖を渡されるんですよね。で、自分でティーパックをお湯につけて紅茶を作る。

いつもやってるから今日も当たり前にティーパックをお湯につけて、砂糖を入れて、マドラーで混ぜたら、ホットティーが完成しました。でも、その時フッと思ったんですが、これって「ティーパックをお湯に入れたら紅茶が出来る」「お湯に砂糖を入れて混ぜたら溶ける」っていうのを誰しも知ってるから成立しているんだって思ったんですよね。

ここまでは当たり前の話ですが、もし仮にですよ、もし仮に今までホットティーって“養殖に成功した事例がまだないホトティという希少な品種のブタのオシッコを三日三晩寝ずにじっくりコトコト煮込み続けたもの”って教えられて育った子がいるとするじゃないですか。それだけの労力がかかるわりには数百円で売ってるな~おかしいな~と思いながらも純粋だからそのままそれを信じて育てられた子がいるとするじゃないですか。

その子が成人するまでたまたまマックに行くことがなくて、22歳の春に彼女とのデートで生まれてはじめてマックに入ったとするじゃないですか。直前に二人で映画を観ていて、メシを食うにはまだ少し早い時間だったから軽くお茶しながら映画の感想でも言い合おうみたいな感じでマックに入ったとするじゃないですか。

そこで「俺、これ好きなんだよね。コストパフォーマンスが凄いよね。」とか言いながらホットティーを2つ頼んだとするじゃないですか。じゃあ、お湯とティーパックとマドラーと砂糖を2つずつ渡されるんですよ。「え?」ってなりますよね。意味がわからないですよね。いやいやいや、俺が注文したのはホットティーだよ。お湯とティーパックとマドラーと砂糖じゃねぇよ!って。

でも、彼女は平然とトレイを持って空いてる席にさっさと座ってしまった。え、なんで?文句言おうよ、って一人で混乱してたら彼女はカップの蓋をとってティーパックをお湯のなかにいれて上下させてる。お湯はどんどん茶色くなる。

あれ?この色、ホットティーの色にすげぇ似てるなぁ、って思いながらも状況が把握できずにボーッとつっ立てる自分。そんな自分に向かって「早く、こっちおいでよ~」って優しく手招きしながら、彼女は片手で砂糖をその茶色いお湯の中に入れてマドラーで混ぜている。え?え?なに?何してんの?それ何?宗教的な何か?

「やっぱりディズニーピクサーはいい仕事するよね~」ってさっき見た映画の感想をしゃべりながら彼女はその茶色い液体を渡してきた。いや、ちょっと待って、映画の感想どころじゃないよ…と思いながらも、試しにその茶色の液体を飲んでみた。

じゃあ、いつも飲んでるホットティーの味がする。ええええー!何これ何これ何これーーー!!パニックになった彼は思い切って彼女にきいてみることにした。


「ねぇ!これ、何!?」

「ん?ホットティーだけど?」

「いや、ホットティーって養殖に成功した事例がまだないホトティという希少な品種のブタのオシッコを三日三晩寝ずにじっくりコトコト煮込み続けたものじゃないの?」

「え?」

「え?」

「…わかんないけど、ブタのオシッコってどれだけ煮込んでもブタのオシッコなんじゃないかな…。」

「だ、だよね…。」



こうして自分が今まで信じていた常識が崩れたら彼は一体どうなってしまうんでしょうね?

つまり何が言いたいのかというと、自分で作るの面倒くさいからちゃんと作ってから出してよってことをマクドナルドさんにお願いしたい。





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