分割を利用した投資に対する倫理感 | リアルな証券マンの嘆き

分割を利用した投資に対する倫理感

 前回upした直後に日本証券業協会から大幅分割銘柄に関して株券を翌日交付することを検討し、今年中に実施するという報道が日本経済新聞の一面で報道されましたのでご記憶の方も多いと思います。
 
 逆を返すとこの三月はまだOKですよ!!

ということです。

 投資の世界は甘くないのは解っていますし、法に触れなければOKということも解っています。ただ、投資家も我々証券マンも倫理観を忘れてまで投資していくのはどうかと思います。

 世の中の流れがある方向に向かっていこうとしている時に、まだOKだからと言ってそこから利益を追求しようとする。私からすれば「みっともない」投資だと思います。

 「投資家の自己責任」という言葉がありますが、一歩進んで「投資家のモラル」を意識して投資して欲しいと思います。大きなお世話かも知れませんが、最近この件に関してあるセールスレディと口論になったものですからあえてupさせていただきます。彼女は「何が悪い」派で、お客様にそういう選択肢もありますよと教えてあげるべきだという意見です。

 何を言っているかというと、三月末の大幅分割銘柄の転換社債をお客様に勧めるということに関してです。前回UPした時と世の中の情勢が明らかに変化してきているので、あの時は私は賛成派でしたが今は反対派です。私募と公募では当然違いますから一概に言えませんけど、私が問いたいのはその姿勢です。ルールに違反していなければ何をしても良いのかということです。

 ましてや自分のお金でもないのに何も知らない?投資家に買わせるなんてどうかと思います。倫理観の問題なのですが、セールスレディは(すべての方ではありませんが)上司の言うがままにお客様に案内しております。その判断に自分の考えなどまず入りません。まだまだお寒い日本の証券業界での現状です。

 もちろん80年代のバブル時と比べればまだましですが、アメリカと比べると物足りない気がします。(アメリカを見てきた訳ではないのであくまでイメージですが・・・)

 何か私の感覚がズレてしまっているのでしょうか?

 阪神大震災の時に私は関東のある支店で営業をやっていました。その日の株式市場で建設株が復興需要で急に買い物が入ったのをよく覚えています。実際にその後も大きく値上がりする銘柄が続出しました。でも私は不謹慎だと考え一切お客様には案内しませんでした。その時の思いが強くて今回もこういう反応になってしましました。

 自分では判断できかねる部分もありますので、どなたかご意見を聞かせて下さい。