前回の続きです。
最近では「元ビートルズ」という冠を
つけないと誰だかわからない人もいる
（！？）らしいジョン・レノンですが、
もう40年以上前に亡くなっているので
仕方ないかなとも思います。その一方
で、学校の音楽室にはベートーヴェン
やバッハやポール・マッカートニーら
と並んでジョン・レノンの額も偉大な
音楽家の一人として飾られているらし
いので、その辺は一般常識＋アルファ
の範疇の話として進めさせていただき
ます…！
ジョン・レノンに限らず、80年代まで
のヒット曲は、ほとんどがシングル・
レコードのA面として発売されたもの
ですが、稀にＢ面（レコードの裏面）
にカップリングされた曲のほうが話題
になったり、有名になることもありま
した。
例えば、日本だとCMソングとしてA
面の曲よりも有名になった松田聖子の
「SWEET MEMORIES〜甘い記憶〜」
（1983年）などは皆さん、ご存知な
のではないかと思います。
もしかしたら、30代以下の人は知らな
いのかな…そもそも90年代以降、アナ
ログのレコード盤は、CD主流の時代に
変わって一気に消滅、「Ｂ面」という
概念すらなくなってしまいました。
そして、多くはメインの曲のカラオケ
バージョン等が一緒に入っているだけ
の「付随曲」的な扱いとなり、Ｂ面の
文化は80年代でほぼ終了します。
ですからＢ面曲の話自体、40代以上の
方でないと、あまりピンとこないかも
しれませんが、少なくとも大ヒット曲
のＢ面にカップリングされていた曲は、
それなりに聴かれる回数も必然的に多
く、発売国によってはA面とＢ面が逆
になるケースもあるほど、お試し的な
勝負曲の供給場所にもなっていたよう
に思います。
その意味で、日本で最も有名なＢ面の
曲といえば、「いっぽんでもニンジン」
（1975年）でしょう。↓
何しろ日本で現在に至るまで最も売れ
（約455万枚）、ギネスブックにも登
録されている名曲「およげ！たいやき
くん」のＢ面曲ですから…これは流行
りました。小学生の頃、クラスの全員
が歌えるほど「いっぽんでもニンジン」
は有名になりました。
今聴くと古臭いアレンジですが、子供
向けの曲としては、なかなかの名曲と
いうか、楽しい歌詞ですね！
ただ、この曲を作った、なぎら健壱は
発売前に曲の権利を10万円でレコード
会社に買い取ってもらっていたので、
印税は一切もらえなかったそうです！
さすが江戸っ子ですね…。
前置きが長くなりました…ここからが
本題です。
ジョン・レノンのシングルヒット曲の
Ｂ面は、その大半が妻のヨーコ・オノ
（小野洋子）の歌と曲です。もちろん、
ジョンの意向でそうなっているのだと
は思いますが…
知らない方にとって、その歌はかなり
ショッキングなものになるでしょう。
決して名曲とは言えない前衛アートの
延長線上にある表現の一つとして覚悟
しておかないと聴いてられません。
「百聞は一聴にしかず…」とだけ言っ
ておきましょう。
前回ご紹介したジョンの名曲「マザー」
のシングルＢ面曲「ホワイ」です。↓
ヨーコは、ひたすら「why?」と叫ん
でいるだけです。ある意味、凄い…。
ギターを弾いているのは当然、ジョン
・レノンです。時折、ジョンの掛け声
も聴こえます。おそらく、ドラムスは
リンゴ・スターですから、サウンドと
しては非常に良いのですが…。
下記は短い動画ですので、その気狂い
じみたヨーコの歌の一端を垣間見てく
ださい。↓
ヨーコの悪名高き代表曲で、ライブの
定番にもなっていた「ドント・ウォー
リー・キョーコ（京子ちゃん、心配し
ないで）」は、「コールド・ターキー
（冷たい七面鳥）」のＢ面曲です。
「マザー」も「コールド・ターキー」
も放送禁止処分を受けたジョンの代表
曲ですが、この処分はヨーコのＢ面の
影響もあったからではないかと勘ぐり
たくなります。
大ヒットした「スターティング・オー
バー」のシングルＢ面曲も、よりによ
ってヨーコの「キス・キス・キス」で
す。これは『ダブル・ファンタジー』
のアルバム2曲目にも収録され、その
露出頻度の多さから、一部ではかなり
悪評も含めて話題になっていました。
これらは聴くに堪えないぐらい下手な
歌なので、ここでは動画を掲載しませ
んが、ご興味があれば検索してみてく
ださい。すぐに見つかると思います。
最後にヨーコの代表的問題作「オープ
ン・ユア・ボックス」（1971年）を
ご堪能ください（BOXとは、女性器
を表す隠語のようです）。↓
この曲は、ジョン・レノンのシングル
ヒット曲「パワー・トゥ・ザ・ピープ
ル」のＢ面曲です。
ジョンの曲がＢ面だったら、もっと大
ヒットしていてもおかしくないと考え
るのは、自分だけじゃないと思います
…ちょっと、お口直しが必要ですね。
A面の「パワー・トゥ・ザ・ピープル」
をお口直しにどうそ。↓
