鉄板のマカロニ・ウエスタン〜”オープニング主題歌”トップ5 | リアルパワーストーン by 風水師・西山貴琉

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天然石を活用し、気の流れを改善してハッピーライフを実現したいという方のための知恵袋ブログです。ちょっと興味があるだけという方も、マニアの方も、業者の方も、皆で一緒に楽しめるような話ができたら最高ですね!

く昨日はバレンタインデーでしたね。


そんな日に似つかわしい話題かどうか、

わかりませんが、前回の続きです。


前回まで、究極のマカロニ・ウエスタン

「オープニング主題歌」ベスト10の6位

までご紹介しましたので、今回は5位〜

上位の発表です。いよいよ佳境に入って

きました!


なお、前回もお話しましたが、ブログ内

の重複内容を避けるため、エンニオ・モ

リコーネ関連の作品は当ランキングから

除外させていただいています。


「エンニオ・モリコーネ関連」とは、ブ

ルーノ・ニコライ作品も含める、という

意味です。その理由については、下記の

リンク記事「謎の巨匠ブルーノ・ニコラ

イについて」をご参照ください。その中

で紹介している『荒野の10万ドル』は、

もしモリコーネ関連作品を含めた場合に

唯一、このランキングでトップ5に入る

可能性がある作品でしょう。



それほど、このランキングのトップ5は

「鉄板」のオープニング主題歌、という

ことです。



第5位『皆殺し無頼』(1966年)


原題『Johnny Yuma』



原題にもなっている主人公「ジョニー・

ユーマ」は、1960年代前半にアメリカ

で放映されていた連続TVシリーズ『西

部の反逆者ジョニー・ユーマ』から名前

だけ勝手に拝借したものと思われます。


ザ・ワイルダー・ブラザーズが歌うテー

マ曲「ジョニー・ユーマのバラード」は

映画そのものよりも、遥かに人気が高い

典型的なマカロニ・ウエスタンの主題歌

です。


主人公ジョニー・ユーマを演じる濃い顔

のマーク・ダモンは、当然イタリア人か

と思いきや、50年代から映画に出ていた

アメリカの売れない俳優でした。が、本

作とセルジオ・コルプッチ監督作『リン

ゴ・キッド』(1966年、原題『Jonny 

Oro』、音楽は『無宿のプロガンマン』

のカルロ・サヴィーナ)でブレイク。↓



未公開作ながら、アンソニー・ステファ

ンと共演した『荒野の死闘』(1968年)


他、少なくとも10本近いマカロニ・ウ

エスタンで主演スターとして活躍。70

年代後半以降は『ネバーエンディング・

ストーリー』『U・ボート』『ショート

・サーキット』『スターリングラード』

等の製作総指揮としてヒット作を連発、

ハリウッドでも成功を収めています。


『皆殺し無頼』の音楽で名を馳せた美貌

の作曲家ノラ・オルランディはイタリア

映画界初の女性コンポーザー。『二匹の

流れ星』(1967年)や、マーク・ダモン

主演作『オーウェルロックの血戦』(19

67年、劇場未公開、予告編動画参照↓)

など、数本のマカロニ・ウエスタン音楽

を手がけています。


その後、ジョージ・ヒルトン主演の劇場

未公開作『The Strange Vice of Mrs. 

Wardh』(1971年、当時イタリアで流

行していたジャッロ映画=サイコホラー

や殺人ミステリー、犯罪スリラーなどの

総称で、後のスプラッター映画に影響を

与えたといわれている。下記動画参照↓)


の彼女の妖艶な音楽は、タランティーノ

監督作『キル・ビルVol.2』でも使われ、

再び脚光を浴びました。



第4位『ガンマン無頼』(1966年)


原題『さらばテキサス』


マカロニ・ウエスタン三大スターの一人

フランコ・ネロ主演、『皆殺しのジャン

ゴ』のフェルディナンド・バルティ監督、

そして現代スペインを代表する音楽家=

アントン・ガルシア・アブリルが雰囲気

満点の主題歌を作曲しています。


『無宿のプロガンマン』他、幾多のマカ

ロニ主題歌を歌っているマカロニ御用達

歌手ドン・ポウエルにとっても、まさに

これが代表作となったマカロニ絶頂期の

作品です。


当たり役=ジャンゴと同様、フランコ・

ネロは保安官役でも、相変わらずの無精

ヒゲで寡黙なヒーローということから、

平均的なマカロニ・ウエスタンとの映画

評もありますが、「背面撃ち」等の派手

なガンアクションや親子兄弟のドロドロ

なドラマは、これぞ「ザ・マカロニ・ウ

エスタン」というべき王道を印象付けた

典型作品であるからに他なりません。


この後、フランコ・ネロはハリウッドに

招かれ、ミュージカル映画『キャメロッ

ト』のランスロット役(歌は吹き替え)

に挑戦。さらに、いつものマカロニとは

かけ離れた、カルメンが題材の悲恋もの

ウエスタン『裏切りの荒野』(1967年、


音楽は名作『鉄道員』などの重鎮カルロ

・ルスティケリ)で大方の期待を裏切り、

再びセルジオ・コルプッチ監督と『豹/

ジャガー』(1968年)で元祖ジャンゴ

のコンビが戻ってきます。


ちなみに「無頼」の付いた邦題が続いて

いますが、これはすべて当時の配給会社

ヘラルドのブランド戦略によるもので、

例によって決して続編などの因果関係は

全くありません。



第3位『真昼の用心棒』(1966年)


原題『虐殺の時』



「ジャンゴ」に続く、フランコ・ネロ

主演のヒット作で、今回は金鉱掘りの

青年役です。呑んだ暮れの兄に扮した

ジョージ・ヒルトンの出世作ともなり

ました。


不穏な原題が示すように、これは後に

イタリアン・ホラーの巨匠と呼ばれる

ルチオ・フルチ監督の出世作でもあり

ます。


そのせいか、やたらと軽く人が殺され

ていくマカロニ・ウエスタンと違い、

生々しい子供の死体など、おぞましい

雰囲気がどことなく漂います。


ムチ打ちが得意な敵のボスに痛めつけ

られ、瀕死のフランコ・ネロはまさに

ゾンビのようになります。



数あるマカロニ・ウエスタンの中でも

ピカイチのカッコよさを誇るセルジオ

・エンドリゴの主題歌「Back home 

someday」は、イタリアのヒットチャ

ートで1位となっています。


音楽のラッロ・ゴーリはその後、復讐

に燃えるメキシコ人を米国人のロバー

ト・ウッズが演じる『復讐の用心棒』↓

(原題『My name is Pecos』、196

7年)他、多くの未公開イタリア映画

を手がけています。


ちなみに、ルチオ・フルチ監督とフラ

ンコ・ネロは『白い牙』(1973年)、

その続編『名犬ホワイト/大雪原の死

闘』(1974年、いずれも劇場未公開、

音楽も両方カルロ・ルスティケリ↓)

で再びコンビを組みますが、これらは

カナダが舞台の家族向けウエスタンと

いった感じで、マカロニ色もホラー色

も、あまり感じません。


この2本を除くとルチオ・フルチ監督

のマカロニ・ウエスタンは『真昼の用

心棒』を含め、3本あります。


一つは1975年の劇場未公開作『荒野

の処刑』、最後は主演ジュリアーノ・

ジェンマの70年代最後のマカロニ・

ウエスタンとなった『シルバーサドル

 新・復讐の用心棒』(1978年)。


前述の『復讐の用心棒』とは例の如く

全く関係のない映画です。


これは子供との交流を描いたマカロニ

らしからぬウエスタンですが、イタリ

アではかなりヒットしたにも関わらず、

なぜか日本では劇場未公開に…。


ちなみに当時、ジェンマは日本の主要

映画雑誌で、常に人気スターベスト10

に入っているほど、根強い人気がまだ

ありました。


この翌年、ルチオ・フルチ監督は『サ

ンゲリア』(原題『ゾンビ2』)の大

ヒットで、以降はホラー映画専門の人

みたいになっていきます。


(続きは次回に…)