先日のセミナーで
リベラルアーツについてもお話もありました。
リベラルアーツ、日本でちゃんと紹介されたのは、
ハーバード大学は「音楽」で人を育てる──21世紀の教養を創るアメリカのリベラル・アーツ教育
こちらの本でです。
リベラルアーツとは、一般教養といっても全人格的教育っていってよく・・・
ギリシャ・ローマ時代に生まれた理念で
「人が持つ必要がある実践的な知識・学問」
とされており、
音楽の他に、文法・修辞学・論理学・算術・幾何・天文合わせて7科のことを言うんですね。
音楽がバッチリ入っているところがポイント
バランスの取れた人格形成を目指す!
全人格的教育!!
なので、総合大学には音楽学部があるそうです。
日本みたいに、音楽は音大ではなく総合大学にあるんですね。
そこには、先人の努力があったみたいです。
「ハーバード大学は音楽で人を育てる」によると
アメリカにおいて音楽を専門的に学ぶということは、ここ100年来の傾向に過ぎなかったそうで、
今は、多くの教科と並行して音楽が存在する形が主流になっているそうです。
現在ハーバード大学では、学部生6600名の約半数3000人以上が何らかの芸術活動に携わっていて。
中でも音楽活動は活発でキャンパス内では年間約450の学生コンサートが行われている とのこと。
意外でしたね。ハーバード大学って頭のいい人ばかりで、本を読みながら歩いている?
なんてイメージでしたが!
意外とノリノリで音楽しちゃっているのかも?
じゃあ
なぜアメリカには音楽学部は、音楽大学ではなく、総合大学にあるのか?
ハーバード大学の場合
Commitment to liberal arts & sciences is at the core of Harvard College's mission:
before students can help change the world, they need to understand it.
The liberal arts & sciences offer a broad intellectual foundation for the tools to think critically,
reason analytically and write clearly.
リベラル・アーツと科学の教育はハーバード大学にとって最も中心的な教育理念であり目標です。
学生達は世界に貢献できるようになる前に、まずはリベラル・アーツと科学の教育を通して広い知識の基礎を学び、
比較分析力、判断力、表現力を得るのです。
また
ハーバード大学の一般教養科目はカテゴリーに大別されている
美学的・解釈的理解
文化と信念
経験的・数学的思考
論理的思考
生態体系の科学
物理的宇宙の科学
世界の諸社会
世界の中心のアメリカ合衆国
この中の「美学的解釈的理解」カテゴリーの中に芸術関連科目が含まれていて。
このカテゴリーの目的は、文学・絵画・彫刻・建築・音楽・映画・舞踏・宗教・装飾などの文化的表現を、
理論的かつ批判的に解釈し、芸術の世界と知的に関わり合うこと
芸術の世界と知的に関わり合うこと
だからこそ、
Faculty of Arts and Sciences (芸術科学学部)には
7つの学問(文法・修辞学・論理学・算術・幾何・天文・音楽)がすべて入っているそうです。
芸術科学学部の学生達はそれらのクラスをまんべんなく履修。
それだけ音楽の授業の価値を感じているってことなんですね。
日本の総合大学はここまで徹底されてはいないようです。
だからこそ、
スポーツ得意な子も、
お勉強が得意な子も、
女の子も
男の子も
是非是非、音楽、ピアノでバランスの取れた人間形成を!
また
金澤正剛著『中世音楽の精神史』によると
リベラルアーツとは、自由七科とも呼ばれ、
言語に関わる三科目(文法・修辞学・弁証法)と
数学に関わる四科目(算術・幾何・天文・音楽)があり、
音楽は後者に属していており。
音楽は幾何や天文学と同じく数の論理で説明されるもので、古代ギリシャ思想を源流とした、キリスト教的世界の調和を象徴していた・・・・
中世の大学においてはこの自由七科の要素を引き継いだ教養学が教えられており、音楽の授業では専らこの理論書が使われていた・・・
なるほど。
音楽は数学系なんですね
音楽と数学ってほんと近いと思います。
中学以上の生徒に聞いてみたところ・・・
生徒には音楽していると数学得意になるよって言っています
今回お話しくださった
バイオラ大学のピアノ講師でいらっしゃいます河村まなみ先生
バイオラ大学の場合
芸術科目(音楽、美術のいずれか)は全学生必須。
音楽一般教養のクラスがある。(音楽史入門、ピアノ・クラス、など)
経験があれば、専門クラスやレッスンも受けられる。
音楽学部生でなくてもオーディションに通れば、合唱団、オーケストラ、吹奏楽団に参加できる。(奨学金がもらえる場合もある)
音楽学部主催の演奏会も見ることができる。
メジャー(専攻)マイナー(副専攻)という学位を取ることもできる
一般の学生さんもこんなに音楽を学ぶチャンスがある!
それだけに音楽の必要性を感じているんですね。