不妊治療 ~子供を授かるまで~

不妊治療 ~子供を授かるまで~

不妊治療や不妊に関することを書いていきます。誰かのお役に立てたら幸いです。

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 排卵された卵は、卵管の先端部の「卵管采」から卵管の中に入り、そのまま子宮方面へ進みます。途中、卵管采に近い「卵管膨大部」で一時待機して、精子がやってくるのを待ちます。


 膣内に射精された精子は、まず膣の一番奥にたまります。その後、精子は子宮の出口(頸管)から分泌される頸管粘液の中を泳いで子宮へ入ってきます。

 頸管粘液は、ホルモン分泌に応じて排卵の数日前から増加して、排卵の直前にもっとも分泌されるようになります。排卵後には粘液が減少して、子宮内に新たな精子や有害な物質が入らないように保護する作用をもっています。

 子宮の中に入った精子はいろいろな方向へ進みますが、その中のいくつかは卵管の子宮への開口部に達して、さらに卵管のなかを泳いで卵管膨大部に達します。精子は子宮と卵管を通る間に、受精する能力を得ます。また、同時に精子の頭をおおっているカバーが取れて、内部が露出します。このような精子だけが、卵に結合できるのです。

 

 卵子と精子の旅がタイミングよく進むと、両者は卵管膨大部で出会います。

 卵に近づいた精子は先体から出す酵素によって卵を包んでいる透明帯を溶かして、その内部に頭部が入り込みます。1匹の精子が透明帯を通過すると、透明帯が反応してほかの精子が侵入できなくなってしまいます


 透明帯の中に入った精子は尾部が取れて、受精が始まります。卵の核と精子の核がそれぞれ「雌性前核」「雄性前核」をつくり、これが融合することともともとの46本の染色体に戻って、受精が成立します。


 1個の卵子と1個の精子が合体して1個の受精卵をつくることで。ようやく「受精」が完了するのです。


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「そろそろ赤ちゃんがほしい」



 そう思ったら、まずは女性の体のしくみやサイクルがどうなっているのか思い出してみましょう。

昔、保健の授業で習ったきりで、忘れてしまっていることがたくさんあるかもしれません。しかし、妊娠のメカニズムをよく知ることが、不妊治療の最初の一歩でもあるんです。


 女性の体には月に1回、月経と排卵が起きます。そのサイクルは平均で約4週間、月経の始まった日から次の月経までおよそ28日間です。しかし、月経の周期はこれよりも短かったり長かったりすることも多いのです。なかには周期が短くなったり、長くなったり乱れがちな方もいるかもしれませんが、おおよその話として目安になる期間を示しておきたいと思います。




排卵

 月経がはじまった日から約2週間、この間に卵巣の中では卵の発育が進みます。

 卵巣の中には、うまれたときにすでに数百万個の原始卵胞があります。そのうちの数個から20個ほどの卵胞が、脳下垂体から送られてくるホルモンの刺激で成長を始めます。成長を始めた卵胞のうち、最終的に大きく発育する卵胞は1個だけです。これを「主席卵胞」といいます。残りの卵胞は主席卵胞の栄養となってしぼんでいき、排卵には至りません。まれに2個の卵胞が成熟することがあって、そのまま排卵、受精、妊娠すると双子になります。

 主席卵胞は、約20㎜になるまでじっくり成熟していきます。この期間は、基礎体温で見ると低温期にあたります。平均的な発育期間は約2週間ですが、長い人は主席卵胞をじっくり育てていくために低温期が長くなるのです。

 すっかり成熟しきった卵胞は、脳下垂体からのホルモンの刺激を受けて卵を「排卵」します。このときの卵は、肉眼では白い点としてようやく見えるかどうかといった大きさです。






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 体外受精や顕微授精で受精卵が多数できた場合には、多胎妊娠を避けるために子宮に戻す胚を1~2個(35歳以上に2回以上続けて妊娠できなかった女性において)にして、残りを凍結保存する方法が広く行われています。また、精子も凍結保存する技術が確立されています。

 

 ところで、受精卵を凍結保存するのは、受精卵が余分にできたときばかりではありません。もっと積極的な意味合いで、凍結保存技術を活用することもあります。


 たとえば、体外受精や顕微授精を受けるときには、採取する卵の数を多くするために卵胞期にホルモン剤の注射を受ける場合がほとんどです。しかし、このホルモン剤の影響で、胚がもぐり込む子宮内膜が普段のように育たないことがあります。

 子宮内膜が順調に育っていないと、胚を子宮に戻しても着床せずに終わる、つまり妊娠に至らない恐れが大きくなってしまいます。

 このようなケースでは、採卵した周期には胚移植を見送って、胚を一度凍結保存します。

 そして、次の周期に自然な子宮内膜が育ってくるのを待つ、あるいは内膜の発育を促すホルモンを補充して子宮内膜の状態を整えます。そこに、凍結保存しておいた胚を融解させて、子宮に戻す方法もとられています。

 また、最初の体外受精や顕微授精で妊娠が成立して、その後赤ちゃんが誕生したケースでは、数年後に次子の妊娠のために凍結保存した胚を利用することもあります。同じ時期に発育した卵であっても、凍結保存によって、数年をおいて兄弟姉妹として誕生する可能性もあるわけです。世界の中では、20年間保存した精子を使って妊娠した事例も報告されています。


 現在、治療現場で用いられているのは受精卵と精子の凍結保存だけですが、今や卵や卵巣組織の凍結保存技術も可能になって一度に採取した卵を数回にわけてつかえるようになりつつあります。また、卵巣組織の凍結保存がかのうになれば、新たに進歩の恩恵を受ける人もいるでしょう。こういった治療技術の発達で、不妊治療を受ける方々の身体的負担が軽減されるのは喜ばしいことです。



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 顕微授精は、顕微鏡をのぞきながら卵の中に精子を注入する方法です。注入する方法は3種類ほどありますが、精子を卵の細胞質に直接注入する「卵細胞質注入法(ICSI)」の妊娠率が向上したために、これが広く用いられています。このため、顕微授精のことを「ICSI」と呼ぶようになってきました。

 自然な夫婦生活では、1回の射精で数億個もの精子が膣から子宮、卵管へさかのぼっていきます。人工授精では通常2000万から3000万個の精子が必要で、最低でも500万以上の精子濃度が、治療を受けるボーダーラインとされています。体外受精でも、卵と精子を同じシャーレに入れて自力で受精を起こすためには、数万個の精子が必要だと考えられています。

 しかし、ICSIならば、精子がたとえ1個しかなくても受精が可能です。
 つまり、顕微授精が行われるようになって、それまで体外受精が不可能とされてきた高度乏精子症でも、理論的には妊娠が可能になってきました。

 さらに、射精された精液中には精子が発見されないものの、精巣上体に精子がいて針をさして精子を採取することができれば、顕微授精で妊娠が可能になりました。

 最近では、精巣内の精子を用いて、顕微授精が受けれるようにもなってきています。
 かつては、精液の中に精子がいない「無精子症」の場合は、妊娠をあきらめてたり、第3者から精子の提供を受けてAIDを行うしか方法がありませんでした。ところが、顕微授精の普及は男性不妊のご両親に大きな恩恵をもたらしました。1個でも精子が見つかれば、妊娠が可能な時代になったのです。
 顕微授精の妊娠率は、ほかの治療と同じようにご夫婦の状態で結果が異なります。不妊の原因が乏精子症だけならば、高い妊娠率が期待できます。しかし、妻にも不妊の原因となる因子があり、40歳以上の高齢になるなどの、複数の因子が重なるとそれだけ妊娠率も低くなります。
 しかし、全体的には顕微授精の妊娠率は、体外受精よりも良好なことが多いものです。最近では、体外受精で受精がうまく起きない場合に、残された卵を顕微授精させる「レスキューISCI」なども行う施設もあります。



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体外受精・胚移植(IVF・ET)は、卵をいったん体外に取り出して、シャーレの中で卵と精子を受精させて、受精した受精卵を子宮内へ戻す方法です。一般には「体外受精」、「IVF」と呼ばれています。

 もともとは卵管がつまっているなどの卵管性不妊の治療法としてはじめられたものですが、今までは人工授精を何回かうけても妊娠できなかったときに、残された方法として広く用いられています。
 月経周期の中で自然排卵されるのは、通常は1個です。妊娠するためには本来卵は1個あればよいのですが、体外に取り出す操作の過程で、卵がうまく受精しなかったり、あるいは受精後の分割がうまく進まない恐れもあります。
 このため、体外受精では一度にたくさんよい卵をとれるように、ホルモン剤を使って卵巣を刺激します。そして、ほどよく卵が育ったところで採卵し、精子と受精させて受精卵を培養して、分割が始まった良好な胚を選んで子宮にもどします。その後は、ホルモンの状態を見極めながら、妊娠が成立するのを待ちます。

 体外受精はこれだけの手順を踏んだ大掛かりな治療ですから、妊娠率もさぞかし高いものだろうと思われる方も多いかもしれません。
 
 しかし、現実はなかなか厳しく人工授精と同じように、ご夫婦の状態によって結果には大きな差が出てしまいます。
 たとえば、不妊の原因が卵管のつまりだけの卵管性不妊ならば、妊娠率は3割から4割という高い数字が期待できます。しかし、精子の数が極端に少なかったり、女性の年齢が40歳を超えて高齢であったりすれば、成績は悪くなってしまいます。全体を平均すると、体外受精の妊娠率は2割から3割の間に落ち着きます。

 また、体外受精の妊娠率は、施設の年間実施数によっても差があるのも現実です。年間に100例以上の手がけている施設では、医師も手技になれていますし、培養を担当するスタッフも技術を確立していると考えれます。なので、「体外受精の年間実施数」を目安に治療をうける施設を検討する必要があると言えるでしょう。


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人工授精は、採取した精子を女性の子宮内に注入する治療法です。


 夫の精子を妻の子宮に注入する配偶者間人工授精(AIH)を一般的にAIHと省略して呼ぶことが多いです。


 AIHは、原則として夫の精子が少ない場合に行われます。また、精子数が正常で性交のタイミングを指摘する「タイミング法」を何回か試してみてなかなか妊娠に至らない場合に、AIHをすすめられることもあります。このほか、子宮頸管から分泌される粘液が少なくて精子が子宮にたどりつかないときや、頸管粘液の中に精子に対する抗体ができて精子が死んでしまうときにも、AIHが行われます。
 
 「人工授精(AIH)によって、どのくらい妊娠することができるのでしょうか?」

 人工授精は、精子の数や運動率、奇形率などの状態によって、妊娠率が大きく異なるのが実情です。一概に何%ということはできません。精子の状態が悪ければ悪いほど、人工授精での妊娠率は低下します。また女性側の条件によっても、結果当然違ってきます。
 しかし、人工授精で妊娠した例から振り返ると、何回くらいまで人工授精を受けたほうがいいのか、おおよそ見当がついてきます。人工授精の回数と妊娠率の関係をみると、1回目で妊娠する例は人工授精による妊娠例全体の約3割、5回目まででは約7割、そして人工授精で妊娠した人の約9割は、10回目までで妊娠しています。

 このデータからは様々な情報が読み取ることができます。
 つまり、1回目の人工授精で妊娠するのはおよそ3人に1人ですから、いい結果が得られなくてもさほど気落ちする必要はないということです。5,6回目の人工授精を1つの区切りと考えて、ほかの治療法を視野に入れてみたほうがよいということです。また10回人工授精を続けても結果が得られないときは、ステップアップを考えてみたほうがよいこともあります。
 しかしこれは、あくまで一般論なので主治医とよく相談されて、何回までAIHを試してみるのか、考えてみてはいかがでしょうか?


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不妊症の基本的な検査の中で、もっとも重要なのが、「子宮卵管造影法」です。

 排卵によって卵巣から飛び出して卵子は、卵管のなかを通って卵管膨大部で受精をします。そして、受精卵は子宮にたどりつき、子宮内膜に潜り込むと妊娠が成立します。この検査は、受精や着床の場となる卵管や子宮の様子を確認して、不妊の原因を突き止めるのに重要な手がかりになります。

 検査法は、子宮口から造影剤を注入して、液が子宮から卵管を通って腹腔内へ通り抜けていうくようすをエックス線でみます。通常は月経が終わってから次の排卵までの低温期におこないます。これによって、子宮の奇形や子宮筋腫の有無、左右の卵管のつまり具合や卵管の癒着などがわかります。
 
 正常な子宮は、本来きれいな逆三角形をしています。しかし、子宮奇形や、子宮筋腫、子宮内腔癒着などがあると、造影剤はいびつな形で映し出されます。また、子宮の両端から伸びている卵管を通った造影剤は、最後には通り抜けて腹腔内に広がっていくのが正常な状態です。しかし、卵管が詰まっていたり、出口がとじていると、造影剤はその部位でせき止められて、腹腔内にでてきません。

 子宮卵管造影法は、異常のない人にとってはそれほど痛みを感じない検査です。ところが卵管が部位的にせまくなっていたり、つまっていると注入する圧力などで痛みを感じることもあります。
 つまり、検査中に感じる痛みの強さも、卵管が通っているかどうかの1つの判断材料になるわけです。

 検査は、卵管の通りをよく治療としての役割もかねています。とくに、検査後2~3週間は妊娠しやすくなるとされているので、積極的に受けることをお勧めします。
 
 しかし実際には卵管が通っているのに、検査のときの機械の加減などで、たまたま通っていないように映ってしまうこともあります。1回の検査で得られた結果は、絶対確実ではないということを知っておく必要があるでしょう。



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普通の性生活を送っているのに、2年を過ぎても子供ができない場合を「不妊症」と定義します。

 なかなか妊娠しないけれど年齢的にそろそろ産み時かなと思ったら、検査を受けてみてはいかがでしょうか?その結果から治療を考えてもよいのです。
 一般的に初診では、まず問診票を記入します。項目は、身長、体重に始まり、既住症や家族の病歴、アレルギーの有無、月経の様子や生理痛はどの程度かなどがあります。診療では、内科の病気の検査や内科の治療を優先することもあります。
 そして、内診です。女性器のようすを診るために膣鏡や経膣超音波のブローブを入れて、子宮や卵巣のようすを調べます。緊張していると体に力が入ってしまい、器具を挿入したときに痛みを感じることがありますので、リラックスしましょう。また内診を受けやすいようにゆったりとしたスカートをはいていかれると、脱ぎ着がスムーズです。

 不妊症の検査は、月経の時期によって受けれる内容が異なります。

「卵胞期」(月経が終わった直後)では、超音波検査による卵胞径の計測、採血によるホルモン測定、子宮や卵管のようすを調べる子宮卵管造影検査などを行います。

「排卵期」には、再び卵胞径の測定で卵胞の育ち具合を確かめ、採尿して排卵を促すホルモンの測定、性交後検査(フーナーテスト)などを行います。

「黄体期」には、超音波検査で卵胞が破裂して排卵が起きたことを確かめ、採血してホルモンを測定します。

 月経の周期ごとに様々な検査が必要なので、一通りの検査が終わるまでに1~2か月はかかります。こういった基本的な検査だけでは不妊の決定的な原因は見つからないこともありますが、その場合はより詳しい検査が必要になります。
 また、不妊の原因を突き止めるためには、夫の検査も必要です。精液検査で夫の精子の状態を検査します。夫の協力が得られにくいような場合は、医師に相談してみてください。


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「奥さんから見て、ご主人は不妊治療をどこまで協力してくれそうだと思いますか?」

 回答は実にさまざまだと思います。
「なんでもOK」「ずっとどこまでもだいじょうぶ」など、不妊治療に積極的に取り組もうをされる方。「ART(生殖医療補助)は反対するかもしれない」「IVF(体外受精)は嫌だ」と、一線を設けている方。「わからない」と、まだ悩んでいる方など多くの考えがあると考えられます。
 不妊治療を始めるにあたってご夫婦の取り組み方は、十人十色。最初から足並みがそろって突き進もうとしているご夫婦もあれば、これからじっくり考え方向を検討したいというご夫婦もいます。なかには、夫婦の間に温度差があって、2人の意思が一致しないということもあります。

 不妊治療は、夫婦の共同作業です。ご夫婦の意向が一致していれば問題はありませんが、ご主人の協力がなければ不妊治療を進めることはできません。産む性である女性と、パートナーである男性とでは、受ける検査も治療方法も異なりはしますが、ご主人の支えがなければ不妊治療を続けるのは困難です。

 私も男性ですから、産婦人科の門をくぐるのは抵抗を感じるご主人の気持ちはよくわかります。まずは、奥さんだけでも来院され、不妊治療の相談をしてみてはいかがでしょうか?そのうえでご主人とよく話し合いをして、お互いの考えをすり合わせることは、不妊治療を始める上で大切はステップだとおもいます。

 ご夫婦の意思が固まって不妊治療を始めても、決して遅くはありません。

 そして、治療をはじめる時点で一番大切なのは、主治医とよくコミュニケーションをとって、信頼関係を築くことです。ご夫婦の思いを医師に十分伝え、なんでも相談できる信頼関係がなければ、満足のいく不妊治療をすることはできないと私は考えています。
不妊症とは
 愛し合う仲の良いカップルがその愛の結晶である子供を持つことを望むのは、人間として極めて自然な感情であり、大切にされなければなりません。いのちとは体という入れ物は変わっても、祖父母から両親へそして私たちに連綿と受け継がれてきたものです。すなわち、今ここに生きている我々は基本的に次の世代を残す力は皆持っているのだと言えます。
 しかし、なんらかの原因で子供に恵まれないカップルがいらっしゃいます。精子、卵子が作られる時から受精卵がお母さんの子宮内に着床し胎児が育まれるまでの極めて沢山の出来事のどこかにトラブルが生じ、避妊をしていないのに2年以上にわたって妊娠に至れないず子供を求めているのに恵まれないときに不妊症という状態になります。 

まずは産婦人科医に相談を
 月経が順調に来ている方なら年間12回から13回の排卵がありますが、その中で妊娠に結びつくような周期は3割程度のみと考えられています。すなわち、子作りとはあせらずたゆまずのぞむ必要もあります。また、加齢により妊娠する力は低下してゆくことも事実です。結婚年齢が上昇している昨今では、気になることがあるときはまずは我々産婦人科医師に相談していただきたいと思います。

検査と治療
 その治療は原因を明らかにするための「スクリーニング」より開始されます。例えばホルモンの値のチェック、腫瘍の有無、パートナーの精液所見、そして卵管の通過性などの検査がそれに該当いたします。そして原因が絞り込まれたら、それに即した治療法が選択されます。体外受精・胚移植法あるいは顕微授精法を総称して生殖補助技術(Assisted Reproductive Technology: ART) と呼びます。体外受精は不妊症治療の一方法であり受精から初期胚発育の周辺で「お母さんのおなかの中では、少し環境が悪いかな?」と想定されたときに施行されます。すなわち、付属器(卵管と卵巣)が癒着し卵管の動きが悪かったり、卵管自体が通らなくなってしまった例、あるいは子宮内膜症などの骨盤の中に炎症をきたすような例などに施行されます。顕微授精法は精子の数が少ないなど受精の過程の一部に問題があると考えられたときに施行されます。