新卒1期生に何をやらせるか?
2008年から新卒採用を始めましたが、当社は金属製品の製造業であり、
また開発設計で付加価値を高めたいので、技術系、しかも機械系の新卒を
採りたいわけです。
しかし、いきなり最初から、しかもスタートしたのが6月ぐらいだったので、
かなり出遅れた状態での新卒採用なので、技術系が採れるわけもなく、
採用できたのは全員文系で、男子2人、女子2人でした。
この4人はやる気も感じるし、目がキラキラしているので、とても可能性を
感じました。
前回書いたように、彼らが入社してくる2009年4月はリーマンショックの
影響で仕事が激減して仕事がない状態でしたので、一体新卒の4名に何を
させるのか?という問題に直面しました。
配属は決めないといけないので、生産部や営業部に配属。各部署で仕事を
始め、何らかの担当を決めて教育指導が始まりました。
しかし、そもそも会社としての仕事量が圧倒的に足らないし、売上激減の
状況を何とかしないといけない。
そこで私が考えたのが、「増客作戦」と「魅せる工場化」。
今仕事が減っているのは顧客が離れたのではなく、リーマンショックの
影響で顧客の仕事が減ったからである。それならば、顧客の数を増やそう。
これが増客作戦。
そのためには、顧客候補を工場に連れてきて、「いい工場だな」と感じて
もらう。そうすると顧客はこの工場に出せる仕事はないかと頭の中で考える
ので、そこから引き合いをいただく。いい工場だなと感じてもらうために、
工場の磨いて、工場見学会を開く。これが魅せる工場化。
後で考えると、そんな簡単に顧客が増えるわけでもないし、新規案件を
売上に結び付けるには時間がかかるので即効性もありません。でも、
その時は何か手を打たないといけないと焦ってましたので、これを進める
ことにしました。
今までやっていない新しい動きなので、社員に言ってもなかなか動かないの
ではないか、また今持っている仕事があることを言い訳にするんではないか。
ということもあり、新卒社員の4名をこのプロジェクトの中心に据えることに
しました。
右も左もわからない新卒社員にそんなプロジェクトができるのか?という
疑問の声も聞こえてきましたが、私はやる気さえあれば人間には無限の
可能性があるし、新卒社員にできたことは先輩社員ができないとは言えなく
なるだろうという思惑もありました。
半年ぐらいかけていろいろなことをやりました。
工場の床や壁を塗装して明るくしたり、あまり使っていないスペースを
ショールームにしたり、工場見学ルートを作り、工場見学のポイントを
決めてアピール内容を決めたり、工場案内のマニュアルを作って、工場
案内の練習をしたり。
協力的な社員と新卒社員でどんどん進めていきました。
2009年11月頃にやって準備ができて、最初は取引銀行に来てもらって
工場見学会を実施しました。工場案内は新卒社員。何回も練習を積み重ね、
本番では立派に案内役を務めました。銀行からは好評でした。
こうして工場見学会がスタートしました。それから何回も工場見学会を
実施しています。
この工場見学会によってリーマンショックから立ち直ったというわけではなく、
リーマンショックから1年ぐらい経ったら正常化してきたというのが実情です
が、やってきたプロジェクトは決して無駄ではありませんでした。
このプロジェクトで、我が工場の付加価値とは何か?を認識する機会となった
のです。工場見学会をするために、各部署に見学者に何をアピールするのかを
出してもらおうとしました。
そしたらなんと!
特に他社と比べて特徴はありませんという返答でした。
ちょっと待って。今の顧客は当社を選んで注文を出してくれているのであるから、
何か他社でなく当社に仕事を出す意味があるはずです。
それを考えるいい機会になったのです。
これがその後の経営判断の基準のひとつとなっています。
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