最近、結構な頻度で小説読んでます。

が、読んでばかりで全く感想・レビュー書いてなかったですね・・・

そのせいで、感想・レビュー待ちの作品が溜まる溜まるorz



・・・ということで、今日から数日は連続で感想・レビュー記事を書いていきます。



嘘です、その時の気分次第です(オイ



Reality Color


『ストーム・ブリング・ワールド』

この作品、『カルドセプト』というゲームの世界観を使ったファンタジーモノらしいです。


謎の力を持った勝気な少女『アーティミス』を守るため、腕は立つけどどこか抜けている少年『リェロン』が転校してくる――という設定(・・・何かどこかで聞いた事あるような・・・w


簡単にストーリーを説明すると、いろんなものを失い、またいろんなものを抱えた少年と少女が、互いの邂逅を通して欠けたものを補い合い変わっていくお話。



文体自体は、割と淡々としていて、『リェロン』と『アーティミス』が出会うまでは若干退屈。

しかし、基本的にストーリーの構成力とキャラクター描写は上手く、それをきちんとまとめて綺麗に書き切れていました。

世界観の奇抜さや、妙な個性付けをされたキャラクターは出さず、人と人がどう関わり、何をなすか・・・という物語の核心的な所も上手に描写されてましたし。


虚勢で明るく強く振舞ってきたアーティを、「実は弱い」というような短絡的な描写をしないあたりのバランスの取り方もいいと思いますし、後半のスパークする青臭さは「あ~、ラノベっぽい」と思われるかもしれませんが、それがラノベの醍醐味でもあるので。


あと、冲方さんは戦闘シーンの描写も上手く、ジャンル的にも結構な割合で戦闘が入ってきてます。
また、ゲームが原作ということもあってか、知力を使って形勢を変えていくという戦略的な戦闘描写が多くて、戦闘シーン自体は結構秀逸な出来になってます。




一応全2巻という巻数で、単調・・・というかよくあるストーリー展開、割とあっさりとしたファンタジーモノになってるので、手軽に読める1作かと。



惜しむらくは、イラストレーターが『山本ヤマト』さんになのに、挿絵がない・・・orz