『クビキリサイクル』読了ー。
でも、今回書くのは『輪環』です。
『輪環の魔導師』1~5巻まではこの前書いたので、6巻単品での感想・レビューです。
さて、今巻から新章開幕。
小休止的な部分であるにも拘らず、特に飽きたりダレたりもせず読むことができました。
自分のことを自分で言うのもなんですが、本当にこの作者の書く文体が気に入った様子・・・
今巻では、前回の記事でも予想した通り、他の六賢人達も登場し、賢人側も様々な思惑をもって動き出してきたこともあり、予想以上に複雑な関係が出来上がっていて、政治的な描写も増えてました。
敵の魔族も一枚岩ではないけれど、味方であるはずの賢人側も決して一枚岩ではないという・・・
魔族に代わり、聖人『クラニオン』率いる聖教会が野心を燃やす様な描写もされていて、魔族だけでなく味方である賢人側にも注意を払わねばならないという状況になってきました。
セロや「還流の輪環(ソリッド・トーラス)」についても少しずつ伏線が回収されだしたかと思えば、新章に入ったことでまた新たな伏線が別のところで張られてるし・・・
セロが見た夢(=過去の記憶?)というものが、今後どの様に絡んでくるのかという点にも注目。
渡瀬さんのことですから、そこらへんのバランスも考えて書いてるんでしょうね。
また、今巻では『エスハール』という単語が出ていたんですけど、どうやら同作者の過去作『パラサイトムーン』と世界観的にいくらか繋がってるみたいですね。
まぁ、『パラサイト』は未読なので、よく分かりませんが・・・(読んでおくべきか・・・?
それと、これは蛇足なんですが、今巻の巻末のオマケ、「フィノのセロの観察日記」が面白すぎる。
黒い、怖い・・・
そして、あの歪みっぷり・・・いかん、鳥肌が・・・w
あと、前回の記事で書き忘れました、5巻の「あとがき」、個人的に「ツボ」で、読んでいて爆笑しました。
本編のネタとは無関係なネタなので、興味がある方は立ち読みされてみるのも良いかとw