Reality Color



小説はともかく、基本的に漫画の感想とかは書いてないんですけど、今作は別。


『BLACK LAGOON 9巻』

前巻から1年2ヶ月ぶりの発刊。

え~、僕の購入してる漫画の中で、1番気に入っている作品。



超正統派のガンアクションですね。知ってる方も、多分多いんじゃないかと・・・


裏のセカイで生きる登場人物たちが様々な形で絡まりあい、時に対立し、時には協調し、また時には殺戮(ころ)し合う。

深い情念が幾重にも重なり合って圧倒的な世界観を構築しています。

救いのないリアル(現実)重視のダークでヒリヒリするストーリー、そして、アクション中のグロテスクな描写等、僕の気に入らない要素が何一つないという・・・w


身も蓋もなく言えば「大好き」です。




さて、今巻では、「El Baile de la muerte」(通称:ロベルタリベンジ)編が完結。

ページ数も270ページとボリュームも十分。

このシリーズも、6巻中盤~なので3冊半ですか、・・・長。

しかし、その長さに見合うほど、キャラは入り乱れ、ストーリーも絡まり合ってましたね。


ロベルタが復讐として狙っているアメリカ軍の「グレイフォックス・襲撃軍」(以下「狐」)。

そこにレヴィ達だけではなく、コロンビアの「スマサス旅団」やロベルタが仕事を依頼した「ブレン・ザ・"ブラックデス”」と、彼らに騙された地元のゴロツキなど乱れまくりの展開でしたが、スマサス旅団とゴロツキたちが壊滅して残るはロベルタと狐、そしてロック達。

しかし、今度はそこにバラライカ率いる遊撃隊(ヴィソトニキ)も参戦し、また展開が二転三転する今巻。


遊撃隊の活躍で「狐」をロベルタから引き離し、さらにレヴィ達も負傷退場、市街地での戦闘も一端収集ついたんですが、まだロベルタは復讐を完遂できておらず、ガルシア達はロベルタを連れ戻せていない、狐たちもロアナプラでの任務を果たせていない、といずれの側も消化不良という中途半端な状況。
その後、再度ロベルタと狐たちの対決の場が訪れるわけですが、そこでの戦闘・結末は読み手側も緊張させられました。



で、今巻を読んでいて何気に驚いたのが、8巻でロックは張に「ひとでなしのくそ野郎」と言っていたのに、9巻の終盤では、逆にファビオラにロックが「この街1番のくそ野郎」と言われてたことですねw

結果的にはロベルタを連れ帰すことができたものの、他人を危険にさらし自分自身は安全地帯で見ていて、ガルシアたちが戻ってきたときには

「君たちを助けることができて、本当に良かったよ」

と、そんな発言をすれば、そりゃあ「くそ野郎」と言われても仕方ないですって。

彼ら(ガルシアやファビオラ)を踊らせて、弾が空砲の銃とはいえガルシアに人を撃たせた・・・ラグーン商会に入った直後では想像できない今のロック。


あ~、ロックも良い具合?にロアナプラに染まってきてんな~、とw



例によって、この話が完結することで救われたキャラはいません。

むしろ、話が終結したことによって、ガルシアのこれからの人生はより過酷なものになっただけという・・・



次巻からまた新章ということで、今度はどんなバットエンd(ry・・・おっと、不運がロック達を振り回すのか、楽しみです。



アニメもOVA出ますし、1期と2期観返しますかね。





「もしか(=if)のお話は時間の無駄だ、起きたことしか起きねぇのさ、人生は」



「最後に人を救(たす)けるのは神じゃない、人なんだ」



「・・・僕らは悪くない、――誰もが皆そう思ってる。だから、殺し合いは終わらない」