Reality Color


2日連続での小説記事です。

いや、ほら、良いじゃないですか、読書の秋だし・・・(と言い訳



ということで、今回は名作w『空ノ鐘の響く惑星で』の作者「渡瀬草一郎」さんの新作『輪環の魔導師』です。

既刊は6巻、僕が読了しているのは5巻までなので、そこまでまとめて書きます。



ジャンルはオーソドックスな中世風の異世界ファンタジーですが、絵師の方が代わったのもあって、前作とガラッと雰囲気が変わりました。


魔力を注ぎ込むことにより特定の効果を得ることができる「魔導具」、そして、それを作る職人「魔導具職人」、それを使う「魔導師」、魔導具を作ることができない代わり、魔導具の力を大きく引き出すことができる「魔族」など、設定面でも大きな変化が・・・

明らかに前作よりファンタジー色は濃くなってます。



文章自体は改めて語るまでもない完成度。
前作同様、非常に丁寧で読みやすいのでここは全く問題ないでしょう。



ストーリーの方は、1巻の時点では『空鐘』1巻ほど展開は早くありませんでした。

が、後に続く伏線はしっかりと用意され、それがこの作者の文体と相まって、より先の展開を読ませようとする終わらせ方になってます。(この点は前作と同じ


ただ、今作は、前作と異なり政治的な絡み合いはほとんどなかったですし、戦闘面でも魔道具を使用したタイマンなどが多いので、知略を使って形成逆転という描写も薄いんですよね。

・・・ええ、政治的な絡み合いはほとんど「なかった」んです。

しかし、5巻の終わりで、6巻以降そのあたりの要素が増えていきそうな雰囲気になり、個人的には次巻以降を読むのがより楽しみになってます。



話の展開は、1・2巻は世界観や人物紹介がメインの1巻完結型、3~5巻は王都奪還編の長編になってます。

故に、読み進めていくなら目安は、まずは2巻、続いて5巻を目安にすると切りが良いので読み進めやすいかと。


で、前作と比較すると、ストーリー自体は今作はまだ完結してないので今のところ『空鐘』の方が上かな、と思いますけど、キャラ設定の面では今作の方が面白いです。

ヒロインの「フィノ」が「ヤンデレ」であるとか、希少な闇属性の魔導師、通称『闇語り』の「アルカイン」は魔族に呪いをかけられネコになってるとか・・・

つか、フィノってヒロインなのに、5巻ではほぼ出番なくて空気だったよね・・・(あ、どうでもいい・・・?




『空鐘』同様今作もお薦めなので、小説読むのが好きな方は、読んで損はしないと思います。


・・・え?『空鐘』の方の感想・レビュー書いてないだろって?


・・・・・・大丈夫、大丈夫、近々あの方(←誰だよ)が書くから、多分。(オイ