今日は小説の感想・レビュー記事。
このネタも久しぶりです。
最後に更新したのが2月21日ですから、もう1ヶ月半くらい小説ネタ書いてなかったんですね・・・(汗
すいません、この業界に不満が出てきていて、最近読みたいと思う作品があまりないんです。
しかし、そんな中でもちまちま読んでたのが今作です。
『狼と香辛料』
旅から旅へ荷馬車に揺られて各地を巡り様々な物を売り歩く行商人『クラフト・ロレンス』は収穫祭に沸くパスロエの村を後にしたその夜、荷台の覆いの中で眠りこける密航者を見付ける。
「ヨイツの賢狼」『ホロ』と名乗るその姿は獣の耳と尻尾をそよがせる美しい少女だった。
ホロは遙か北の地にある故郷『ヨイツ』を離れての放浪中にある青年と交わした約束からパスロエ村の麦に宿り、半ば土地に縛られながらも数百年に渡り豊作を司って来た神と崇められる存在であった。
しかし、時代の進歩を受けた人々から疎まれ始めたこともあり次第に村との離別の意を深めていた。
そんなある日、村の収穫祭の始まるとなる最後の刈り入れの時、偶然通りかかった荷馬車に積まれた麦束に移ることで村からの脱出を果たしたのだった。
左前脚だけとはいえ狼としての姿を見せられたロレンスは、半信半疑ながらも「遙か北の故郷に帰りたい」と願う彼女を旅の道連れとすることになる・・・
ジャンルは「エポックファンタジー」。
・・・らしいんですけど、僕は今作を簡易的な「経済小説」のつもりで読んでます。
自分が専攻している分野と関係がないわけではないですし、経済史・商業史的な面についても真っ当に書かれていて、なおかつ読みやすいので。
経済・商取引メインの話なので、ファンタジーといってもバトル的な要素はないです。
とはいっても、ストーリー自体はよく考えられてますしロレンス、ホロ、コルといった主要キャラも魅力的。
ロレンスとホロの理知的な掛け合いも、読んでいて「上手い」と思わされるような掛け合いです。
また、商取引をする上での掛け合いも「あぁ、当時の商取引ってこんな感じだったんだな」という雰囲気が伝わってきたり、「何て上手く相手を丸め込むんだ(汗」と、とても感心させられたりもしました。
基本的に主要キャラはみんな頭の回転が速く、知恵も回るので、その点においては個人的にとても好感が持てます。
それにしても、理工系の大学卒なのに、ここまで経済史・商業史(中世の商取引)について細かく書いている作者は凄いと思います。
まさか当時の為替についてや貨幣の相場云々、信用取引などの用語まで出してくるとは思わなかったので・・・
そういう意味では、ラノベっぽくない作品かもしれないですね。
いや、よく出来てる作品だと思いますよ。
ちなみに今の所(7巻は抜いて)9巻まで読了してます。
7巻と10巻は、まぁその内ね。
でも、来月11巻出るんだっけ・・・
ていうか、ホロのネコ耳ならぬイヌ耳?や尻尾って別にいらない気がするんですが・・・
何か無駄に「萌え要素」付け足してるように思ってしまう。
あ・・・でも、それがなかったらなかったでファンタジー的な要素が薄れてしまう・・・か?
ハッ・・・もしかして、作者はそこまで考えて耳と尻尾を・・・?
いや、ないない。