『レジンキャストミルク 8巻(最終巻)』読み終わりました。
去年からちまちま読んでいた今シリーズですが読み終わってみると感慨深い・・・
7巻でのショックを引きづったまま今巻を読み始めたので、クライマックスがイマイチ盛り上がりに欠けていた印象がありました。
まぁ最終巻だけあって、キャラそれぞれの戦う動機や晶に付いていくという意志、傷付きながらも自分達の信念を貫いていく姿は熱かったですけどね。
最後の戦いなのに盛り上がる方向に向かいづらい感じがしたのは、多分敵の能力の特性のせいかと。
結局樹との決着も、何だかうやむやな感じになってしまってましたし。
精神的な決着としては晶自身は樹に勝ったんでしょうけど、読み手からすればやっぱりせっかく戦ってきたんだから、もう少し明暗はっきりさせるカタチで決着を付けてほしかったかなぁと思います。
そこは読んでいて若干残念でした。
で、全てが終わって日常への帰還。
この日常が、今までの戦いの果てに辿り着いた場所にして、もう一度全てをやり直すスタート地点。
大切なものをいくつも失い、虚軸という壊れた世界を抱え、それすらも失って最後に得ることができた、ささやかな、けれども得難かった日常。
晶が、硝子が、その日々をどのように感じ、これからを生きていくのか。
失ってしまったものが、彼らにとって大切なものであったのなら、それを代償に得たこれからの日々も、この上ない幸福に彩られていくべきものであると、個人的には思います。
という感じで書いてきましたが・・・今作って色々な意味で救いがないですよね。
でもですね、現実でこういうことが実際にあったとすると、多分こんな結果になると思います。
「皆が笑って幸せになれる」なんてことは現実ではほぼありえませんからね・・・
でも7巻の殊子のあのシーンと、8巻の里緒のあのシーンでは涙が堪え切れなかったなぁ・・・
そう言う意味では、変にご都合主義的な話にせずこの物語を書ききった藤原さんに拍手を。
割と辛口な感想になってしまってますが、作品全体としては非常に上手くまとまってると思います。
シリアスな話がもちろんメインではあったんですが、コメディ的な要素も結構多くて笑えるところもありましたし・・・
・・・というか、よく考えてみたらまだ短編というか番外編というか読んでない。
・・・今度買ってこよ。