ジオラマ ~1.邂逅~ | Meaning

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日記と言うより言葉を徒然と。

私たちが出逢ったのは偶然じゃなくて・・・
必然という運命だったの。
私はそう----信じたい。
ありがとう。
ごめんなさい。


「・・・?」
普段ほとんど通らない道。
此処は天空世界<ジオラマ>の中枢から外れた何もない場所。
あるのは唯、野原と川と一本の大樹くらい。
彼は人目から逃れる為にこの道を辿った。
彼女は・・・。

野原の真中で小さな草花に囲まれて鳥と戯れる少女に近づいていく。
ほんの些細な興味から。
少女は全く警戒していない。
「・・・もしもし、おねぇさん」
「えっ」
とても驚いた様子で少女は彼の方を向く。
鳥は彼女の傍を離れ飛び立った。
青い空に小さな鳥の色が映える。
「こんなトコロで何してんの?・・・つか驚かせちゃったみたいね、悪ぃ」
「・・・いえ・・・」
青年の屈託の無い笑みに彼女は少しずつ落ち着きを取り戻す。
悪いヒトでは無いようだ。
「・・・私はただ・・・少しだけ、羽根を伸ばしに」
少し困った表情の後に照れた笑みを浮かべる。
少女は問い返す。
「貴方こそ・・・どうしてこんな場所へ?」
この野原に立ち寄るヒトなんてほとんど居ないのに。
寂しそうに付け加えると彼女は俯いた。
「オレは小煩いヤツから逃げてきただけ」
「何か悪戯でもしたのですか?」
「オレってそーゆぅ風に見える?」
「えぇ、少し」
「見抜かれてんね」
くすくすと彼女は笑った楽しそうに。
彼は屈んで手を差し出した。
「オレは泰央<タイオウ>。おネェさんのおナマエは?」
「・・・私は・・・翠蓮<スイレン>と申します」
彼女はその手を握り返す。
小さな手だった。