先日、スピーカーをとある場所に見に行ったときの出来事。
ほぼ実話で紹介したいと思います。
私自身、その販売員の接客を受けて、20万円以上するスピーカーセットを、その場で即決で購入してしまいそうになり、販売員の方の営業魂を感じたのです。
種明かしをすると単純で、本当に押しが強かったのです。
でも、ここまで相手を不愉快にせずに、販売を押し通せる技術を持った方には、滅多に出会えないので、商売人として学ぶべきことが多いと思いました。
はじめ、その販売員の方は、スピーカーの片隅で寝ている様な様子でした。
デモで渋めのジャズを大きめの音量で掛けて、聞き入っている様子です。
本当に良い音がしていたので、私もその場で一緒に聞き入っていたのです。
すると突然、販売員の方が私の右横に位置取りをしていて囁くのです。
『いい音でしょう?違いわかりますか?』
確かにいい音だったので、『いい音ですね。』と答えた訳です。
そこから、スピーカーのデモストレーションがスタートします。
今度は、金管楽器の音が目立つクラシックを掛け始めました。
流れるようにスピーカーの特徴や機能を説明し始めます。
約5分間、スピーカーの素晴らしさを語った後に、開発責任者のプロフィールを紹介し始めます。
どうやら、開発責任者は、音響スタジオのエンジニア出身らしく、音にはかなりうるさい人物の様です。
つまり、その説明を聞いた瞬間、この人が、悪い音の製品など発売できる訳が無いと心から信じこんでしまいました。
このスピーカーには、音の質感をライブぽくする機能が付いているらしく、その機能素晴らしさをデモをしながら何度も説明してくれます。
そして、一般的に、これだけの音を作り出すには、100万円近くの投資が必要であることを説明してくれました。
『でもこの製品は、本当にお手軽な価格なんです。100万円の価値が、わずかXXXXXX円で手に入るんです、安いでしょう。』
(決して安くは無いと思うが、確かに良い音・・・。沈黙)
沈黙していた事もあって脈アリとみたのか、今度は、プレイヤーにDVDを入れている。
DVDは、ジャズライブの映像、ボーカルが繊細な歌声で歌っている。
『このスピーカーをご家庭のテレビにつないでみてください。誰のでも分かるぐらい劇的に音がかわります。どうです。ボーカルの息遣いまでわかるでしょう?』
『今日、ご注文いただければ直ぐにお届けできますので、ご自宅のテレビにつないでみてください。驚くほど良い音がしますよ。』
(DVDに見入っていて、暫し沈黙)
『そういえば、もしかして、ご結婚してますか?』
私は、その時点ですっかり打ち解けていたので
『ええ、結婚していますよ。』と答えました。
『じゃ、こんなものイキナリ相談無しに買ったら叱られちゃうね。いい作戦があるよ。』(年配の方なのでフレンドリーな感じ)
(おお、何だこのトークは!と、ちょっとビビる。)
おもむろに分割の一覧表をバインダーから出して、分割払いの説明を始める。
『これ分割にすると良いですよ。回数次第では月6000円になりますし、まず自宅に届いたらテレビにつないで、一緒に映画でも観れば、奥さんによろこびますよ。こんないい音するホームシアターはありませんよ。二人の為に、僕のおこずかいの範囲で、1日200円の投資をしたと説明すれば、怒られませんよ。』
(なんだか強引だけど、妙な説得力がある。)
この後もいろんな話をしたのですが、20万円以上するスピーカーセットを、本当に、その場で購入してしまいそうになりました。
私自身、そこまでスピーカーセットを直ぐに購入したいという状態では無かったので踏みとどまりましたが、素晴らしい営業トークでした。