以前使っていたフォレストブログがサービス終了していたようで、気づかないうちにサイトが閉鎖していたみたいです。
web拍手のほうにサービス終了のことを教えてくれた方がいたのですが確認不足でした。
データのバックアップはとっていなかったので、あちらのサイトに載せていた小説はすべて消去されてしまいました。
読者登録してくれていた方や、サイトを見に来てくれていた方には申し訳ないことになったと思っています。

しかし書きかけの小説が溜まる一方だったので、新たな保管庫を作りました。
今度のサイトはここ同様に名前変換のない二次創作作品がメインです。
思いつくままに書いた小説を置いていくので、まさに保管庫のようなものとなっています。

基本的にそのときハマっている作品の小説を書くことが多いです。
興味がある方は是非見に来てみてください。



▼小説保管庫@Real Beat



現在ラブライブの女オリ主ものをせこせこ書いています。
えりちか推しによりえりちか推しのための作品になる予感。
飽きないうちに完結したいんですが、相変わらず進度が遅いです。

そしてありがたいことに未だにこのブログはちょいちょいアクセスあるんですね。
プリキュアやセーラームーンの二次小説を期待しての人が多いみたいです。
最近は書いていないので、過去の二作品の小説が見られているようで。
黒歴史気味な作品たちなのでやや恥ずかしいw
というわけで新しい保管庫の方でそのうちセーラームーン作品でも書こうかなあと考えています。
誰得って感じのあやかしの四姉妹相手とか書きたいw




風が流れているわけでもなく、熱も冷気も感じない。
ただ光だけが存在し、光の周囲の空間が歪んでいるように見える。
その青い光の渦には見覚えがあった。
忘れるわけがない。私がこの"異世界"に足を踏み入れる原因となったものだからだ。
そしてこの一年半の生活の中で私は何度もこれを目にしていた。



「旅の扉……か」



扉と言う名に反して、その見た目は渦巻く青の光。
渦潮のようにも見えるが決して水が流れているわけではない。
この光の渦に飛び込むことで、別のどこかにあるもうひとつの光の渦へと移動できる。
その機能から旅の扉と呼ばれているが、これを目にするのは主に魔物の出るダンジョン内だ。
しかし今は草原のど真ん中。街からは二時間ほど歩いた場所にあり、魔物もさほど強くない。
この場所に旅の扉があるという話は聞いたことがないし、実際今まで目にしたことはなかった。
この草原はまんげつ草がよく採集できる以外にはなんの特徴もない場所なのだ。
過去にはなかったということは、何者かが魔法によってこの旅の扉を出現させたのだろう。
見ただけでは転移先はわからない。それを知るためには飛び込んでみるしかない。

一年半という長いようで短い、実に濃い日々をこの"異世界"で送ってきた。
ここでの生活に慣れるにつれて元の世界へと帰るのは不可能だという諦めの気持ちが大きくなっていた。
だが、この突然現れた旅の扉を見ていると、もしかしたら……という思いが頭に過る。
この世界にやって来た日も、私は突然現れた旅の扉に飛び込んでいる。
だからこそ、淡い期待を抱いてしまうのだ。

先ほどから胸の奥がざわめいて仕方がない。
何かに呼ばれているような、そんな気がする。
青い光の向こうで誰かが私を呼んでいるのだろうか。
それが私の家族や友人たちで、この旅の扉の先が元の世界であることを願って、私は一歩踏み出した。





**********





最初に視界に飛び込んできたのは、青だった。
青い光の次は晴れ渡った空の青。
絵の具を塗りたくったかのように混じりっけがなくよく澄んでいる。
先ほどまで私が立っていた草原が夕陽の色で赤く染まっていたことを考えると、大分離れた土地に来てしまったらしいことがわかる。
足下では伸びきった草花が足首に絡んで来る感覚がないことに気づいた。
視線を下へと落とすと無節操に伸びた草とは異なる、よく手入れされた様子の芝生が広がっている。
さらには石造りの塔や、同じく石造りの建物が目に入った。
どれも立派な建造物だが、私の故郷では見たことのない建物だった。
恐らく日本ではないのだろう。元の世界だとしたら、ヨーロッパあたりか。
そんな私の予想を否定したのは赤や青、果てにはピンクという奇抜な色をした頭髪を持つ人々の存在であった。
私の目の前には桃色のウェーブがかった髪を持つ一人の少女。
体の大きさから想像するに十代前半ほどだろうか。小学校高学年から中学一年生くらいに見える。
顔の造形は整っており、十年後くらいにはなかなかの美女に成長するだろう。
その表情を一言で表すのなら驚愕、といったところだろうか。
少女の後ろには褐色の肌と燃えるような赤毛の少女や青い髪の眼鏡をかけた少女。金髪パーマの少年に丸い体型の少年など、同世代の子供たちがズラリと並んでいる。
男女で多少の差はあれど、白のブラウスに黒のマントで服装が統一されている。
彼らの傍らには様々な動物や魔物のような生物がいるが害意があるようには見えない。
エルマニオン雪原には冒険者を育成するエルシオン学院があるが、ここも似たようなものなのかもしれない。


「おい!ゼロのルイズが人間を召喚したぞ!」

「どこの貴族だ?あんな髪飾り見たことないぜ」

「貴族なのか?いや、でも平民にしちゃあ上等な服だよな」


明らかに日本人ではない人々の口から出る言葉は日本語。
ヨーロッパではないということは薄々感づいてはいたが、やはり元の世界に戻って来れたわけではないらしい。
それにしても気になるのは「召喚」という単語だ。彼らに囲まれたこの立ち位置からして召喚されたというのは私のことなのだろう。
そして召喚した、というのは私の一番近く、目の前にいる桃色の髪をした少女か。
ここで改めて少女へと視線を移すと、誰かに向けて声をあげている。
少女が話をしているのは頭髪の薄い男性だった。一人だけ年齢が高く、着ているものも違う。彼らを監督する教師なのだろうか。
二人の会話では「人間」「使い魔」「儀式」「貴族」「平民」そんな言葉が何度も出てきていた。

召喚された(私からすると旅の扉に飛び込んだだけなのだが)らしい私は暫し放置されている。
貴族なのか平民なのか。それが判断できず対応に困っているらしい。
私の今の身分は、職業で言えばレンジャー。大きく分けると冒険者ということになっている。
戸籍もなにもない私には冒険者となり、自分の身一つで金を稼ぐことでしか生活をすることができなかった。
一年半も冒険者をやっていれば自然とスキルが身に付く。私の場合は訓練やら何やらとハードな生活を送ってきたため、冒険者のなかでも上級に近いレベルだ。
しかし貴族か平民かという区別をした場合、私は間違いなく平民である。
彼らがその判別に戸惑う理由は恐らく今の装備だろう。

私が今身に付けているのはさとりのワンピース、と呼ばれる白く清潔感のあるものだ。
街の防具屋などで気軽に購入できるものではない。私の場合はダンジョンに潜って手に入れたものであり、珍しい生地でできてあるらしくちょっとやそっとの攻撃では傷すらつかない。
また、製造の時点で魔法がかけられているようで、マホトーンなどに対抗する力が備わっている優れ物だ。
見た目にも一般的に着られている麻のそれとは明らかに異なる光沢を持つ。
それゆえに店で買い取ってもらえばかなりの値が張るだろう。
そして頭につけているほしのサークレットも彼らを困惑させている理由のひとつだろう。
これもかなり珍しい品で、見た目に美しいだけでなくその効用も素晴らしい。
混乱を防ぐという効果は私のように一人旅を基本としている者には実にありがたい。
魔物と対峙しているときはもちろんだが、この効果の有り難みを実感できるのは今のような状況の時だろう。
突然訳のわからない状況やとんでもない状況に陥っても常に冷静な思考を保てるのだ。

そんなことを考えている間に結論が出たらしい。
丁寧な口調で話をはじめたのは教師らしい男性だ。ジャン・コルベールと名乗った男性の話を要約すると「魔法学校の恒例儀式で使い魔を召喚したら人間喚んじゃった!やり直しきかないからチューして使い魔になってちょーだい!」ということらしい。
私のことを呼んだらしいルイズ……なんとかという長い名前の少女は問答無用で呪文を唱えて今にも契約をしようとしている。
彼女には悪いのだが私には使い魔になる気など微塵もない。何を好きこのんで子供の下僕になるというのだろうか。
大分諦めがついていたといっても元の世界に帰ることを完全に諦めたわけではない。
使い魔の契約によって自由を奪われ、帰れるものも帰れなくなるかもしれない。
私には損することこそあれど、得することなど何一つないのだ。



「悪いけど、使い魔になるつもりはないよ。――……ルーラ」



元の世界に帰れたとしたら、この魔法だけは使えるままでいたいと常々思う。これさえあれば一生満員電車なんかに乗る必要がなくなるだろうし。
ルーラを唱えたと同時に、石造りの建物やルイ……なんとかという少女やその他もろもろという風景がぐにゃりと曲がる。
うねうねぐにゃぐにゃ。目の前の風景が高速で変化し、一瞬の出来事ではあるがやや酔いそうになる。これでも大分慣れたのだが、やはりルーラの時は目をつぶっておくに限る。
逃走の際にはルーラやキメラの翼が重宝する。どちらも空を移動するため、室内では使えないことが難点ではあるが。
もしも旅の扉でたどり着いた場所が屋内だったとしたら、こうも上手くはいかなかっただろう。
ルーラで飛んできた場所は今朝まで私が滞在していた街、アレクサンドリアだ。
世界中でもかなり名の知れた王都であり、いろんな国から様々な人種が集まり、実に賑やかである。
日が落ちて空には月が浮かんでいるというのにも関わらず、街は人で溢れている。
もう少し経てば大分静かになるだろうが、街の中央部にあるカジノにはさらに人が集まるのだろう。

私はといえばこの街に来る度に訪れる店「ルイーダの酒場」へと向かっていた。
私がこの世界にやって来て最初にたどり着いた場所はアレクサンドリアから少し離れたところにあるマイラという村だった。
温泉以外にはなにもない小さな村を拠点としてレベル上げ、そしてアレクサンドリアへ向かった。
アレクサンドリア近郊の魔物のレベルがどの程度かわからなかったため、必死にレベルを上げたものだが、実際に行ってみるとマイラ村周辺の方が強い魔物が多くて拍子抜けしたものだ。
そしてたどり着いたアレクサンドリアのあまりの人の多さに戸惑っていた私を助けてくれたのが今向かっている酒場の店主であるルイーダさんだった。
彼女は異世界で右も左もわからなかった私に冒険者として生きる術を教えてくれた恩人である。
冒険者としてある程度の力がついてからも定期的に顔を見せ、彼女からの依頼を受けたりしていた。
今朝までこの街に滞在していたのも彼女からの依頼、クエストのためであった。

ルイーダの酒場は街の東側の地区にある。
東の門から街に入って数分歩けば大通りに面した二階建てのレンガ造りの建物が見える。
入り口に立つと中の喧騒が漏れて聞こえてくる。どうやら今日も繁盛しているようだ。
ドアを開けて店内に入るとどっと音が押し寄せて来た。話し声や笑い声。食器が触れる音に椅子を引く音。
電気がないこの世界では照明は基本火を用いる。電気の明かりに慣れた私からすると、店内は少し薄暗く感じる。
薄暗い中でも目的の人物を見つけることは容易であった。黒髪を後ろで一本に結った妙齢の女性が店内を足早に、しかしゆったりとした動作で歩いている。
その姿は間違いなく目的の人物であり、背中を追うようにして空いているカウンター席を目指した。
カウンター席に座りながら、彼女の背中に声をかける。振り返りざまの微笑みに周囲のお客さんからため息が漏れた。
店員として働いているリッカの人気もなかなかだが、やはり彼女は別格だろう。



「あら、シュウ。早かったのね?」



確かに今朝二階の宿屋を出た時は二、三日したら帰ってくると話してあった。
それが出発した日の夜には戻っているのだから少し都合が悪い。
何だかちゃんと仕事をしていないように思われたような気がしてしまう。
慌てて彼女から依頼されていた品を腰から提げていた小袋から取り出して、テーブルに置いた。
サンドフルーツと呼ばれるそれは、砂漠地帯で採れる果実だ。美容に良いとかなんとかで女性から特に人気がある。
樹になっているのを採集するのが基本だが、砂漠に出現する魔物が水分補給のためか、所有していることが多く見られる。そのため、道中で魔物から手に入れることも可能である。
早朝からルーラで砂漠にある街へ飛び、そこから砂漠を歩き回ってある程度の数のサンドフルーツを採集した。昼食を終えたころには彼女からの依頼を終えており、アレクサンドリア近郊で素材集めをしていたのだ。
二、三日というのは素材集めの日数であり仕事にかかる時間ではなかった。決して仕事をサボったというわけではない。

サンドフルーツ採集の報酬のゴールドを受け取り、ついでに適当に食べ物を頼む。
体を動かすようになってからというもの、明らかに以前よりよく食べるようになった。
料理の調理法などは元の世界のほうが多くあるし、調味料なども向こうのほうが豊富にある。美味しさで言えばやはり元の世界のほうが勝るかもしれない。
しかしこちらの世界にしかない食材や調味料などを試すのは楽しいし、今までに経験したことのないような味を楽しむことができる。
はじめて調理された魔物を食べたときはとても驚いたが味は普通に美味しかった。
考えて見ればぐんたいガニなんて陸にいるデカイカニ……なんだよね。うん。

食前に出された水を飲みながらカウンターの奥へと目をやると、ルイーダさんがゆったりとした機敏な動き(矛盾しているようだが実際にそうなのだ)で料理を仕上げている。
この世界では飲酒に細かい制限はなく、子供でも酒が呑める。といっても十代半ばほどから呑み始めるのが一般的らしいが。
私は特に酒が好きというわけでもないため、付き合いで呑む以外ではアルコールを摂取することはない。
一人旅で酔っぱらっていざというときに冷静な対処ができないとなったら目も当てられない。

少し待つとリッカが料理を運んできた。
あばれうしどりのステーキにとつげきうおのスープ。オニオーンのサラダは大盛りだ。そして皿いっぱいの白いごはん。
魔物料理は慣れたものだが、この世界に来てから白いごはんを見るのははじめてだ。
ここでは基本はパン食でお米を食べる機会はそうない。ましてや白米だなんて!


「それ、ジパングの行商人から買ったのよ」

「えっ……ジパングから行商人なんて珍しいですね。――いやぁ、でもすっごく嬉しいなあ!白いごはん!」

「ふふ……。前にシュウの国ではお米が主食だったって言ってたのを思い出して、ね」


たくさんあるから遠慮しないで食べてね。と微笑むルイーダさんに返事をする暇もないほどの勢いで料理を口に運ぶ。
久しぶりのお米の味にちょっとした感動を覚える。やっぱり日本人なんだなあとしみじみ。これでお茶があれば最高だ。
ごはんをかきこみながら、今度はジパングを目指してみようかと考える。
何時やってくるかわからない行商人を待つよりも、自分でその地を訪れて買い付けにいく方が良い気がした。
一度行った場所ならば、ルーラがあるので移動も楽だ。これでいつでもごはんが食べられるようになる。……よし、目指すはジパングだ!
食というのは重要だ。少なくとも私にとっては旅の目的地を左右するほどの重要さを誇る。
そんな私の考えを見抜いたかのように、ルイーダさんは笑みを深める。
何が楽しいのか、ルイーダさんは私が食べているときはその様子をじっと見つめてくる。
食べっぷりが気持ち良いから、とかやる気の充電だとか言っていたような気がするがよくわからなかった。
ごはんを二回もおかわりするとさすがに満腹になる。これだけ食べても外で魔物と戦って帰ってくると体重が減ってしまうのだから日頃の運動量の多さがよくわかる。
普通に学生をやっていた頃にこれだけ食べていたらあっという間に体重が増えていただろう。
明日は出掛ける前におにぎりにして持っていこう。出掛けるついでに海苔を探すのも悪くない。最早食のための旅になりつつあるが、一年半も経ってしまった今、先を急ぐ旅でもない。



「ところでシュウ……帰りが早かったけれど、何かあったの?」



あっ!と思わず大きく声をあげてしまった。
白いごはんの感動に浸り、おにぎり計画、ジパングへの買い付けで頭がいっぱいになっていてすっかり忘れてしまっていたのだ。
草原に現れた旅の扉。何とかという魔法学校。使い魔召喚の儀式。つい先程逃げてきたばかりだというのに我ながら情けない。
世界は広い。旅をしてきたと言っても自分の足で訪れた土地や国はまだまだ世界のごく一部でしかない。ここには裏の世界と呼ばれる場所があるという噂も聞く。
旅の扉でたどり着いたあの地も私がまだ行ったことのないどこかの国なのだろう。
旅の扉に飛び込んでから何だかんだで逃げ出したことをザックリとルイーダさんに説明する。
話を進めていくとルイーダさんの優しい表情が徐々に厳しいものへと変わっていった。


「恐らくだけど……その魔法学校はこの世界のものじゃないわ」


「……へ?」


ルイーダさん曰く、世界的に見ても魔法専門の学校は存在しないらしい。
冒険者になる者は大抵エルシオン学院に行く。剣技を磨く者は剣技を、魔法を学ぶ者は魔法を専攻し、冒険者としての知識や技術を身に付けていくようだ。
要は大学のように自分の興味のある学科の講義を選択して受ける形なのだろう。
また、多くの家庭ではある程度の年齢になると子供を教会へと通わせて教養を身に付けさせる。
そこからさらに知識を深めたい者は教会で僧侶見習いになることが多いとか。
とある地方では元冒険者が個人で学校を開設しているそうだが、それは教室ひとつ分ほどの規模であり、エルシオン学院に並ぶほどの学校となると存在しないらしい。
しかもエルシオン学院はエルマニオン雪原にある本校の他にも、大きな街にいくつかの分校が開校されている。
そんな教育事情の中であれだけ大きな学校だったら有名になっているはずだ。
世界各地から冒険者が集まるこの酒場で、そんな学校の情報が入ってこないという方が不思議だ。

しかしあの旅の扉が別の世界へと繋がっていたとなると、私が元の世界へと帰ることもあながち不可能ではないのではなかろうか。
トル……なんとか魔法学院がある世界では自在に旅の扉を作り出す魔法があるのかもしれない。それがあれば……!


「でも、召喚……って言ってたんでしょう?だったら呼び寄せることは可能だったとしても送り出すことができるとは限らないわよね」

「たしかに別世界から受信はできても、別世界に向かっての発信はできないかもですよね……」

「それに下手に使い魔なんかになったら、うちの店にも来られなくなるかもしれないでしょう?」

「うーん。ルイーダさんの料理が食べられなくなるのは、イヤだなあ」


空になった皿を見ながら素直にそう思う。
他の店で食事をすることもあるけれど、やはりこのルイーダの酒場の料理が一番だと感じる。
それは店主のルイーダさんやリッカ、ロクサーヌさんと接する機会が多く、彼女たちの人柄を知っていることもあるかもしれないが。
カウンター越しにルイーダさんの手が伸びてくる。この細い腕で店を立ち上げて経営しているというのだから凄い。
頬に触れたルイーダさんの手の温もりが伝わってくる。つうっと頬を撫で、顎をそっと持ち上げられる。
妙に色気のある触れ方で思わず背筋がぞくりと震えてしまった。
ルイーダさんはいつもより声のトーンを落とし、ささやくようにして言った。



「好きなのは料理だけなのね……私に会えなくなるのはどうでもいいのかしら?」



有り余るほどの魅力を私に向けるのはいかがなものだろうか。
どんな男性もこんなことをされたら一瞬でコロリと落ちてしまうだろう。
同性ながらもルイーダさんのしぐさにドキリとさせられる。
頬が自然と熱を持っていくのを感じ、慌てて咳払い。
時々私をからかうようにしてこういうことをやりだすのだから困ったものだ。
「ルイーダさんのことが好きなのは言うまでもないでしょうに」と答えると、触れていたルイーダさんの手がぱっと離れた。
一体何がしたいんだろうか。無言になったルイーダさんを見上げると、何故かその頬は赤く染まっていた。
どうかしたんですか、と聞こうとしたのを遮るかのようにテーブルに瑞々しい果実が現れた。
一口大にカットされたそれはルイーダさんからの依頼で採集して来たサンドフルーツだ。
ルイーダさんは赤くなった頬を両手で押さえながらカウンターから出て行く。接客へ向かうのだろう。
その際に「それはサービスよ」と言い残して行った。……これ、私が採って来たんだけど。
サンドフルーツの味を堪能したあとは軽く体を動かし、風呂で体を清めてから二階にとってある部屋で就寝した。
眠りに落ちる直前、誰かに呼ばれているような気がしたけれど気のせいだろう。私の名前は「バカ犬」ではないのだから。




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3年ぶりの投稿らしい。
まとめて適当に移すかもしれないしこのまま投稿つづけるかも。
DQ世界というのはDQシリーズをごちゃ混ぜにした挙げ句オリジナルもいれているという。
正直ルイズの召喚からルーラで逃げる主人公が書きたかっただけだったりする。
たぶんつづかない。

「シェリルかわいいよシェリルはあはあh「ねーちゃんうるさいー!ランカのほうがかわいいって!」……どう考えてもシェリルこそ至高」



なんてどうしようもない話をしていたのが数分前。

そのとき、私はこのままだとニートになるんじゃないかと心配されている弟と二人でアニメ鑑賞をしていた。

弟は俗に言うオタクだ。気がついたら部屋の壁はアニメのポスターで埋もれていたし、フィギュアも多く並べられている。

唯一セーフだと思えるのはあの抱き枕カバーがないことだろう。

オタクではあるけれど性格的には明るい。でも童貞。それを言うと「リア充氏ね、糞ビッチ」と言い返される。

彼氏がいただけでビッチと呼ばれるなんて……ねーちゃん悲しい。

まあ、弟の口が悪いのは仕方がないことだ。なぜなら我が家は一家全員口が悪い。飼い猫ですら性悪だ。


私は暇な時間を弟と過ごしていることが多かった。

よくブラコンだとかなんとか言われる。確かにそうなのかも?と思うこともあるけど、うちは家族みんなが仲が良いので特別なことだとは思わない。

今日もいつものように弟の部屋で暇つぶしにアニメを見ていた。弟が撮りためていた深夜アニメだ。

先週から一緒に消化しはじめて、ついに最終回を見終えた。

その結果、私はシェリル派で弟はランカ派ということで、くだらない口論を小一時間ほどしていた。

一向に平行線のままの会話にも飽きてきたときだった。ケータイの着信音が鳴る。友人からだった。

『久しぶりにセッションしよう!ついでに泊まりに来てー!』

友人とは一緒にバンドを組んでいる。最近はライブをしたいから、なんて理由じゃなくて、ただ一緒に音を鳴らしたいから。ていう理由で遊んでいる。

泊まりに来て、ということは今すぐ来いということなんだろう。家が遠くないからと言っても別に近いわけじゃないのに。勝手なヤツだとは思うが、私の友人たちは私を含めてわりと自分勝手だ。

文句を言いつつも泊まりの準備をはじめてしまう私も相当なバカなんだろう。


「てわけでねーちゃん行ってくるわー」


「うん、いってらっしゃい。お土産買ってきて」


「数キロ先の住宅街になんのお土産があると思ってんだ、アンタは」


ギター、ピアノは友人の家にあるからいらない。ってことで自分のメインの楽器でもあるベースと泊まり道具一式をもって家を出た。

友人の家に泊まりに行って一週間帰ってこないのはざらなので、結構な大荷物だ。

父親から譲ってもらったバイクに乗って、さあ出発。……そして事故った。




「(――はずなのに、なあんで病院?)」




事故って怪我して入院?にしてはほんとに家を出て僅かしか時間が経っていない。

ずっと気絶してた、とか言われたらどうしようもないけど。ずっと寝ていたときの頭がぼーっとする感じがない。

妙に意識ははっきりとしているのだ。そして何だか……空気が違う。

何と言えばいいのだろう。病院なんて何度も行ったことがあるし、薬臭い感じの部屋の匂いにも覚えがある。

それなのに、違うのだ。周りが纏う空気に違和感を感じる。まるで、違う世界に来てしまったかのような……。


コンコン、と控えめなノックが聞こえた。

辺りを見回しても人はいない。この病室は個室だったらしい。

つまり今のノックはこの部屋にいる私へのものだったようだ。そんなことを考えているうちに病室のドアが開く。

横に手でスライドするドアを想像していた私はそのドアが開く様子に驚いてしまう。

しゅん、という微かな機械音と共にドアは横にスライドした。自動、だったけど。



「あら……!目が覚めたんですね!具合はどうかしら?」



看護士さんは驚いた様子で駆け寄ってくる。病室で走るのはどうかと思うのだけど。

しかしこの看護士さん。私の見間違いでなければどうみても外国人だ。

日本語ぺらっぺらだからハーフ?なんにしろかなりの美人である。すばらしい。

質問に答えようと口を開き、声を発しようとした。そこで自分の喉が酷く渇いていることに気づいた。

なんとか搾り出すかのように出した声はインフルエンザになったときのようなガラガラ声だった。

同年代の女の子と比べると低いけど、よく通る声は羨ましいと言われることが多かった。それだけに声がガラガラになってしまうのはちょっとショックだ。



「あー、げんき、です。ていうか……ここ、どこですか? わたしは、なんで、ここに?」



それに、バイクと楽器はどうなったんですか?と、ガラガラの声を聞いていた看護士さんの様子がおかしい。

なんだか顔色が悪くなっている。小さく、「記憶喪失?」という声が聞こえた。

私の質問に「あなたは事故でこの病院に運ばれたんです」という返事をすると、先生を連れてきます。と言って看護士さんは病室を出ていってしまった。


私が記憶喪失?そんなことがあるわけがない。

数分前までの弟とのやり取りも、鞄になにを入れたかまではっきりと覚えている。

でも、ここが私のいるべき場所でないような。そんな違和感も同時に感じる。


ふと、病室の窓から見えた外の景色。


私の住む場所は都会ではない。むしろ田舎だと言ったほうがいいくらいの場所だった。

それなのに窓の外に立ち並ぶ、高層ビル、機械、機械。空には機械の光なのだろうか。境界線のような光が張り巡らされていた。




「ここは、どこなの?」




なにもわからない。なぜこんなところにいるのか。なにも。

胸の中に渦巻く不安。今まで忘れていたかのように、急にやってくる頭痛。

手を頭に触れるとそこにあるのは包帯だった。怪我をしているようだ。


わけがわからなくて、ただ、不安で。涙が溢れてきそうだった。

でも泣いてしまったら、この不安な気持ちに負けてしまいそうな気がして。ぐっと歯を食いしばった。




***

あーシェリル可愛いすぎて生きるのが辛い。と考えてたときに思いついたトリップもの。つづかない。

めずらしくメッセージがきてたのでお返事です。

見てるかな?見てると嬉しいです。


>>>通行人Aさん

voice acter はブログの方に載せているもののことですよね、多分。

あのシリーズは完全に自己満足作品なので他の人の目に当たらないように、という理由と実在の人物をネタにした小説であるということから記事を見れる人を限定してあります。

あれはアメンバー限定記事ということでアメンバーの人しか見れないのですが、アメンバーがほとんどいない(笑)=ほぼ自分以外見れないってことになってます。

voice acter を見るためには要アメンバー登録なんですがアメブロに登録する必要があるようなのでアメブロに登録していない人はとても面倒だと思います。

捨てアドでもいいのでメールアドレスを教えてもらえればvoice acterの続きを送ります。

アメンバー登録もメールも面倒だとは思いますが勘弁したください←




ブログに載せている作品は基本自己満足です。

扱っているのも戦隊モノ、海外ドラマ、生モノ、マイナー作品等々需要ないです。

それでも見てくれてると思うと嬉しくなるのでたまーに感想くれると嬉しいですwww

正直ふざけるなっていいたいね。
元々は普通の高校生だった私が、久々にスーファミを出してドラクエをはじめたのがいけなかった。
シリーズの中で一番やりこんでいたドラクエ5の世界に飛んでしまったのだ。
最初はどーしたもんかと思ったけどなんやかんやで気がついたらエスタークまで倒しに行ってた。
で、なんか世界が完全な平和になったっぽい。と思ったら現実世界に戻ってきてたのね。
現実世界では時間はほんの数十分しか経ってなかった。わけわかめ。
ドラクエ5→現実のときは気がついたら横になってたから盛大な夢でも見たんだと思ってた。
やるつもりだったドラクエ5もなんだかやる前から満足してしまったのでプレステを出してドラクエ7をやることにした。まあ、失敗したよね。
今度はドラクエ7かよ、ってね。前回ドラクエ5のとき得た知識で私は最初から強かった。そのうえ転職を繰り返して上級職からモンスター職までいろいろやった。
そしたら俺最強みたいな雰囲気になっちゃって、みんなで悪いの倒したら現実世界に戻ってきてた。
これでゲームを起動させるとその世界に行っちゃうっていうのが証明された。
証明されてからの私は早かった。大きめの鞄に必要になるであろうものをありったけ詰め込んでプレステにFF7をセットしたのだ。
なんでFF7かって?そりゃゴールドソーサーに行きたいからに決まってんでしょうが。


それなのになぜ私は現実落下しているのだろう。まじふざけんな☆
内臓が浮いてる感じというかなんというか。体が浮遊感に支配される。きもちわるい。

プレステにゲームをセットして電源を入れたあと、ドラクエのときのように瞬間移動のようなものが起きなかった。
それはなぜかと思い、テレビ画面を見ると少々バグっている様子。
仕方がないのでリセットをすると同時に浮遊感がおそってきたのだ。
バグってたせいなんだろうか。うまいこと飛べなかったのは。

いつまでこの浮遊感が続くのかと思っていたが案外すぐに終わりは来た。
世界が見えたからだ。今までは視覚できなかった世界が見えてきた。
足下にはガラの悪そうな男が3人と遠目からでもわかるほど端正な顔立ちの女性。ていうかスタイルいいなおい。
落下することはできても宙を歩くことなんてできない。つまりは下に人がいることがわかっても避けることができないのだ。
あれ、もしかしていきなり死亡?はじまる前からジ・エンドすか?



「ちょ、いや、まじやばいやばいやばいやばいやばい!!どいてどいて!マジで!!!死ぬって!!!」



人生終了のお知らせまであと数メートル。
私の必死の叫びも虚しく足下にいる人たちは気づかない。
死にたくね~!ってことで私のために死んでくれ!誰だか知らんけども!!
足下の踏み場(ガラの悪いお兄さんのことだよ☆)に無事着地。膝が痛いで……。
踏み台はぐしゃっと潰れた。べ、別にアタシが重いせいじゃないんだからっ!


さて、現状を確認してみようか。
電源ON→バグった→落下→踏み台潰れる→いまここ
なわけですが現在私の前にはぽかんとした表情のおねえさんと青筋立てたお兄さんたち。……どういう状況さ?



「とりあえず、ここどこさ?」



薄暗い路地裏っぽいところで長居したくない場所だってのはわかる。
あんまり治安がいいようには見えない。実際私の足下には悪い感じのお兄さんがいるわけで。


「おいお前!!」


仲間呼ばれてボコられそうです。殺られそう。ていうか犯られそう。
そもそもドラクエの世界では日本語通じたけどこっちだと通じないんじゃね?登場人物が外人ぽいの多いし。喧嘩売られても言葉通じないんじゃ……。


「おいっつってンだろ!!」


ノリで来たはいいけどどうしたもんかな。
肩に提げたカバンの持ち手が肌に食い込んで少し痛い。小旅行用のカバンに荷物を詰め込んで来たはいいけど使う前に死んじゃったりして。



「テメェさっきからムシしてンじゃねぇよ!!」



「うるさいな。――メラ、あ」



とか言ってもここFFの世界だから使えるわけないかと思ったのに。
手のひらから危ないお兄さんに向かって飛んでく火の玉。
どうやらドラクエ世界で覚えた魔法が使えちゃうらしいです。
つまりは向こうで覚えた特技とかもいける系なのかな?
最後の一人になって慌てふためく悪い感じの(ry)。
試しちゃっていいかな?いいよね?悪人ぽいし。

一瞬で間合いを詰め、繰り出すのはまわし蹴り。武道家として随分と修行をしたものです。
ふと前を見ると綺麗なお姉さん。この距離……まさかぶつかってたりしてないよね。
まわし蹴りは敵グループを一掃する技なわけだし。
内心冷や汗だらだらで声をかける。あー、怖い。



「大丈夫だった?」



怪我とかさせてないよね、女の恨みとか怖いしやだよ。
お姉さんはぼへっとした表情をしている。せっかくの美人さんなのにこの表情はアホっぽすぎる。
ていうかさっきから気になってたんだけど このお姉さんなんっか見たことあるんだよね。
誰かに似てる?のかな。うーん、誰だろ。
話を聞いてたのか聞いてなかったのか。お姉さんはぼへっとしたまま動かない。
放置してってもいいのかな。でもここがどこかくらいは聞きたい。



「おねーさん、聞いてる?」



あまりに反応がないのでお姉さんの顔を覗き込みながら話しかけた。
なかなか身長が高くて羨ましいです。
お姉さんはきゃっ、と小さく悲鳴をあげて後退った。
顔を真っ赤にさせてらっしゃるんですが何か怒らせることしちゃったかね。
ていうか悲鳴あげて逃げられるって結構ショックですよ。そこまでグロメン?じゃねーです。多分。



「あ、あの……ごめんなさい!びっくりしちゃって。助けてくれたのに――……」



助けた覚えなどないのですが、などと言える雰囲気ではない。

しかしなんのことを言っているのか。



「あなたが助けてくれなかったら(中略)――とにかく、ありがとう。何かお礼をさせてほしいんだけど……」



「あ、お構いなく」



しまった!と口に出してしまってから思う。
こんなところで発揮しなくていいんだけど、日本人精神。
是非ともお礼に衣食住の保証をしてくれ。流石にそんなことは言わんけどさ。

お姉さんはしばらく考えているような仕草を見せていたが突然思い出したかのように言った。



「そうだ!私の店に来てちょうだい。なんでもサービスするわ!」



18禁なお店じゃないよね、おねーさん。



***



《ただいま事情を説明しております。しばらくお待ちください。》



ここは「セブンスヘブン」
七番街スラムと呼ばれる街のまさに天国というべき場所。
店主のティファ・ロックハートが美しいこともそうだが、彼女が出す料理やカクテルがおいしいということで評判の店だ。

そして現在その店は貸し切り中。
一人のお客、私こと三上愁のためである。



「――というわけなんですけど」



「……信じられないわ」



「ですよねー」



美人のお姉さんことティファさん(名乗られてから気付くなんてうかつ!)があの男たちに絡まれていたという話から始まり、私がなぜあの場に落ちてきたのかという説明をした。
誤魔化すのもめんどうだったのでとっても正直に話してみた。
が、その結果がこれだ。
まあ確かに違う世界からぶっ飛んできた、なんて言われてあっさり信じるような奴がいたら頭ん中心配になっちゃうわな。

だがしかしゲーム補正的なものなのか、非現実的なものにも多少疑いの気持ちを持ちながらも信じてくれるティファさん。アンタ悪い人に騙されちゃうぞ!



「こんな怪しい人のこと信じちゃっていいんですか?常識的に考えてありえんでしょう?」



こんなに簡単に信じてもらえるんなら私にとっては嬉しい展開なんだけどさ。
思わずつっこんでしまう。これで考え直されちゃあ困るけど!

ティファさんが作った肉じゃがらしきもの(使われている食材が微妙に違うのだ)を食べつつ、そう言うとティファさんはにっこりと微笑んで首を横に振った。
なんてゆーか、美しいよね。どんなことをしてても絵になるって羨ましいぜ!



「本当に怪しい人は、自分からそんなこと言わないでしょ?」



さ、どんどん食べて!と追加で違う料理(オムレツっぽい!)を出してくるティファさん。いい人すぎて感動した。
ティファさんは私の食べっぷりが見ていて気持ちがいいらしく次々と料理を振る舞ってくれる。
私の胃袋は宇宙よ!いやまじで。
できればお得意のカクテルを出してくれると嬉しいんだけど。



***



何言ってんのかわかんねーと思うがとりあえず聞いてほしい。
現在私はティファさんの部屋で一緒のベッドにいます。
あっ、やめて!石投げないで!!


なんでこんなことになったのか。それはほんの一時間前の話だ。
私が行くあてがないということを言ったところ、ティファさんは私の家にいればいい、と言ってくれた。
ありがたい申し出だけどもちろん断ったんすよ!私としてはどこか空き家的なのを紹介してほしかったからね。スラム街だからそんなんないかもしらんけど。
しかしなぜか強気なティファさんに押し切られティファさんの家に世話になることになった。
それはまあいいさ。でも問題はそこじゃなくて、ティファさんの家ってのがこの「セブンズヘブン」で彼女の部屋には一人分のベッドしかないってこと。
床でいい、ソファーでいい、と言っているのにも関わらず彼女はベッドで寝るよう勧めてくるのだ。
お互い譲らず、最終的には二人でベッドに寝ることになってしまった。なんてことだ。



「そういえばティファさん――……いや、やっぱなんでもないです。おやすみなさい」



「?――おやすみ、シュウ」



言いかけた言葉をぐっと飲み込んだ。
あの時どうして逃げなかったんですか?と聞こうと思ったのだ。
彼女はアバランチの一員だし一人でもチンピラくらいぶっ飛ばせただろうに。
と考えたところで答えはすぐにでた。

幼なじみとの約束を未だに信じているからなのだろう、と。

ピンチになったらヒーローがきて守ってくれると、どこかで期待していたのだろう。
残念ながら現れたヒーローは待っていた幼なじみじゃなくて正体不明の女子高生。



「本当のヒーローは私じゃないよ」



さあ、星を救う旅にでよう。

キミの出番だよ。クラウド。





***
<あとがき>
FF7のSS見て書きたくなった。
ご都合主義を寄せ集めた自分用の作品。
FF7はエアリスが死んだあとしばらくしたところでデータ消えて絶望して以来やってない。
ああ、クソ。めんどくせえことになった。
面倒なのはいつものことだし俺が面倒事を嫌ってるのもいつものことだが今日のはより一層めんどくせえ。
パーティーに行くのが嫌だったもんで誤魔化してサボろうってのがブレアにバレて強制参加になっちまった。最悪だ。
ネイトがいるんだからいいじゃねえかってのは言ったってムダらしい。俺は妙にブレアに気に入られてるしネイトやチャックとの友好関係だって悪くない。
両親が事故ったとか親戚が死んじまったとか、よっぽどのことがなけりゃパーティーは参加しなきゃなんねえ。俺はそんなのにいくより薄汚え街でジャンクフードを食ってB級映画を観てる方が楽しいんだ。
それにパーティーに行くったって今は特定の恋人なんていねえもんだからいろんな奴が寄って来てめんどくせえったりゃありゃしねえ。
どうしたもんか。ああ、誰か事故んねーかな、なんて冗談でも考えることじゃないな。

ぐだぐたと考えていたせいだ。正面を見ていなかったため曲がり角を曲がったとこで誰かにぶつかっちまった。ついてねぇ。


「きゃっ!!」


「っと、悪い。大丈夫か?」


ぶつかった相手はブロンドの女の子だった。
一瞬セリーナかと思ったがあいつだったら考え事をしててもすぐに気づける。
相手が倒れる前に腕を伸ばして抱き留める。まるでおとぎ話みてえな展開だ。
我ながらこっぱずかしい流れだ。嫌ンなるぜ。


「う、うん!大丈夫!」


「そうか、よかった。でも悪かったな、少しイラついてて……不注意だった」


「ううん。気にしないで!私もまさかレン・トライバルと話せるなんて——あ」


「ん?俺のこと知ってるの?ハジメマシテ、だよな」


俺の言葉に女の子はバツの悪そうな表情を浮かべる。
もしかして以前にも話したことがあるのか?人の顔と名前を覚えるのはあまり得意じゃないが、この子と会うのははじめてのはずだ。


「うん、えっと、違うの。私が勝手に知ってるだけ。あなたってほら……有名だから」


「そうか?俺は比較的おとなしくしてる方だよ。他が派手にやりすぎだからな」


「ふふ……、レンって本当にクールね。他の人とはなんだか違うみたい」


「そんなことないさ。俺も所詮バカなボンボンの一人なんだ。いくら周りと違うと思いたくてもな……」


そう、いくら他と違うと思ったって俺は中途半端なままだ。
本当に変わりてえんなら荷物もなしに家を飛び出なんちゃなんねえ。
そんなこともできねえような甘ちゃんなんだ。チェリーパイよりずっと甘ぇ。クソみてーなチキン野郎だ。


「ああ、なんか悪いな。変なこと言っちまって。——それで、君の名前はなんていうの?俺だけ知らないのは、フェアじゃないだろう?」



***



ブルックリンまで配達、ね。俺の担当地区じゃないっての。
文句を言ったところで別の奴が配達してくれるわけじゃない。
できたてのピザを入れた箱をバイクの後ろにのせエンジンをかけた。
金持ち学校の奴らがブルックリンにいることなんてねえかもしんねーけど何があるかわからない。
用心してたって顔を見られりゃすぐにバレちまう。ま、バレねえことを祈っていくか。

ブルックリンは治安が悪いと思われがちだがいいところもたくさんある。たとえばH&Hベーグルのベーグルはうまい、とかね。
ピザの配達ってのは忙しい。アッパーイーストサイドじゃあんまり注文はこないけど。(あそこの人間はカロリーがキライだし、こんな安っぽいピザは食べない)
ジャンクフード好きの俺にとっては配達ピザもチキンもなんだって好きだ。カロリーってのはうまいんだ。

配達先の家に着いた。非常階段付き?どんな非常事態があるんだ。
チャイムを鳴らすと中から出てきたのは見覚えのあるブロンドの女の子。



「——レン!?」



オーマイゴット!!!



***
ゴシップガールにはまった。ドラマの内容を無視してるけど気にしない。
ていうかアメリカよくわかんないゾ☆
セリーナが戻ってきた、というのが最近もっぱらの噂である。
どこに行ってもセリーナ、セリーナ。彼女の友人という立場にあった俺はその戻ってきたという彼女にまだ会っていない。
セリーナは一年前彼女がコネチカッ州トの寄宿学校に転校する前、酔った勢いですべてを俺に打ち明けた。
酔った勢いだからといえ他の誰にも話していないことを話してくれたのだ。俺は彼女の話したすべてのことを誰にも話していない。もちろんこれからもだ。

アッパー・イーストサイドの人間はみんなどっかがおかしい。
といっても上流階級のいつもパーティーをしてるやつらがその中心なんだがな。
このアッパー・イーストサイドでもかなり家柄のいいところに生まれたのが俺の最大の不運だ。
嫌でもあっち側にいくことになっちまう。まあ、自ら進んであっち側に入りてぇやつらにとっては羨ましい話なんだろうが。
実業家の父親に女優の母親。親の名前が有名なら子供の名前も有名になるってもんだ。最悪なことに。
両親も昔から上流階級特有の雰囲気が嫌いな上にいる人間としては珍しいタイプだった。だから俺があっち側にいくことが嫌なのもわかっているからパーティーにいくことを無理強いしたりはしない。理解のある親なんだ。
その親の理解を利用して、俺は今一人暮らし中だ。さすがに一人暮らしをするっていうのには渋っていたが時々は家に飯を食いに帰るというのを条件に一人暮らしを許可してもらった。
一人暮らし中の部屋っていうのがとても広いとは言えないマンション。
家のクローゼットと同じ広さね、という母親の言葉は聞かなかったことにした。
せっかくの一人暮らしなのでついでといってはなんだが仕事もはじめた。ちなみにピザの配達の仕事だ。
仕事中に知り合いに会ったことはまだないが、会っちまったら最悪だ。


<>


ケータイの着信音が鳴る。――電話だ。
液晶画面にはブレア・ウォルドーフの文字。
めんどくさいやつから連絡が来たもんだ。ブレアは悪いやつじゃあないが、いいやつってわけでもない。アッパー・イーストサイドらしい人間だ。
セリーナの親友だったが、今はどうもそういう雰囲気じゃないみたいだ。ブレアとはあんまり関わりたくねーんだけど。
嫌々ながらも通話ボタンを押す。聞こえてきたのはもちろんブレアの声。


「レン、おはよう」

「……ああ」

「どうしたの?もしかして寝てた?」

「いや、起きてた。それでなんか用か?ウォルドーフ」

「もう……またそうやって呼ぶ。ブレアって呼んでよ」

「あーそうだな。で、用は?」

「――ええ、レンは今度のパーティー来るでしょう?私が招待状を渡したんだから」

「パーティー……あぁ、そういえばもらったな。まぁ、行けたら行くさ」

「また忘れてたのね?せっかくのパーティーなんだから楽しみましょう?」

「ん。俺のことなんか気にしねぇでネイトと楽しんでろよ、じゃあ切るぞ」

「ちょっとレン――」


なにかを言い掛けたブレアの言葉を聞かずに通話を終了させる。パーティーは、たぶん行かない。
すっかり着慣れた制服に腕を通す。ケータイをポケットに突っ込んでろくに中身のはいっていないカバンを持つ。

さぁ、学校に行こうか。



***
力つきた
合同体育なんてめんどくさいだけなんだけど。と言ったところで体育がなくならないのはわかっているがめんどくさいのだ。
どうせなら球技がやりたかったぜー。なんでフォークダンスなんだよー。
準備体操を終えて身長順に並ぶ。隣になった人がダンスのペアとなって練習するのだ。
前の方では宮崎さんが今にも倒れてしまいそうな顔色でペアの男子から距離をとっていた。そういえば男の子が苦手なんだっけか。かわいそうにねー。
それぞれいろんな反応があるけど、私のペアはどんな人なんだろう?



「み、三上さんっ!」



隣から聞こえた聞きなれた声。
どうやら私のペアはお客さんでもある関 和也くんらしい。
関くんは少し緊張したよう表情を浮かべている。


「知ってる人でよかったー。よろしく、関くん!」


「お、俺も三上さんでよかった……!」


関くんは顔を真っ赤にしてそう言った。
私は関くんに手を差し出す。周りのペアはお互いに恥ずかしがってなかなかはじめれないみたいだけど、私たちは知り合いだから恥ずかしがることもない。
関くんはちょっと戸惑いながらも私の手をとった。
私は握ってないほうの手を関くんの肩にまわすと関くんも私の腰に腕をまわしてきた。
そして二人して動きが停止する。


「フォークダンスって、どうやるんだっけ?」


「えーっと……俺もわかんねーや。」


「てゆうかこんな体制だったっけ?——あ、関くんどきどきしてんね?」


「なっ、そ、そりゃぁ三上さんとダンスだし……緊張するって!」


「え~?今さら緊張?私そんな威圧感あんのかな~……」


ち、ちがうけど!とあわてる関くん。
おかしくって笑うと関くんはさらに顔を真っ赤にする。
他のペアが微妙な感じになってる中、普通に話してる私たちはちょっと目立ってるかもしれない。



***



「愁!あれはどういうことなの!?」


体育が終わって更衣室に戻って早々柿崎が詰め寄って来た。
やっぱしめんどくせーことになったかと思っていると、他の3-Aのメンバーも興味津々といった感じで私を見ていた。
早乙女さんはラブ臭がするとかなんとか言ってるし、朝倉はカメラを構えている。
素直にお客さんだなんて話せるわけがない。こいつらのことだ。店にまでやってくるに決まっている。


「ナンノコトダカ、サッパリダワ」


「誤魔化さないで話しなさい」


柿崎がマジで怖いです。
なんでこんな本気でかかってきてんだろ?
周りもあまりのマジ加減にちょっと引いてんじゃんね。
体操着から制服に着替えようとしているところで肩を掴まれてしまった。……着替えれねー。


「はぁ……、関くんは前からの友達!そんだけ!」


「それにしては随分と仲がよろしいみたいですけど?」


今度は釘宮かよ!柿崎にしっかりと肩を押さえられている私の横から口を出してきた。
ちょっと男子と仲良くしてるだけでこれだから女子校はめんどくせーんだよ!
だんだんとイライラしてきた。うん。みんなうぜぇ。
私が誰と仲良くしようが関係ねぇべ?騒ぎ立てるような関係でもないんだし。
関くんはただのお客さんで恋愛感情なんて一切ない。それは向こうも同じだ。
私の肩を掴んでいる柿崎の手に自分の手を重ねて力を込める。



「なんもねぇっつってンだろ。うぜぇよ」



キッ、と前に立っている柿崎を睨みつけて、同じく釘宮にも視線を向けた。
柿崎の手の力が緩んだのと同時に制服を入れている体操着入れを取って更衣室を出た。

苛つく。
あいつらが、ムカつく。
それと同時につい軽くキレてしまったことに自己嫌悪する。

このまま家に帰ってもいいけど……着替えなきゃな。
とりあえず保健室でもいくか。



***
久々すぎて主人公のキャラわがんね
麻帆良祭終わりくらいまでは適当にざらっと読んでたけど最近はどうなってんですか?
>閉じたケータイを鏡代わりに髪型を適度に整え、リリアン女学園に足を踏み入れた。
丁度学校が終わったところらしく、校舎から生徒たちが次々に出てくる。
生徒たちは私に好奇の視線を向ける。
古臭いセーラー服、足首近くまである長いスカート、時代錯誤の三つ折り靴下。
そんなリリアンには明らかに不釣り合いな私。
赤茶に染めた髪、改造したブレザーの制服、短く切ったスカート。リリアン生から訝しげに見られるのは当たり前だろう。
私も好き好んでリリアンに来たわけじゃない。
変な目で見られるのはわかりきったことだったし、何よりこういう面倒くさいことはしたくない。
じゃあなんで来たのかって?……答えは簡単、頼まれたからだ。
リリアンに通ういとこを我が家に連れて行くことを頼まれたので仕方なくリリアンに来た。
生徒会で集まってると思うから、と言われたのだけど、生徒会は一体どこで集まっているんだろうか。

今更ながらいとこのアドレスを聞いておけばよかったと後悔しつつ、校舎に入った。
来客用のスリッパを履いて、廊下をペタペタと歩いていく。
とりあえず職員室にでも行けば生徒会の場所もわかるだろう。けど、肝心な職員室の場所がわからない。
すれ違うたびにリリアン生がちらちらと見てくるのに若干イラつき、ちらっと見られた瞬間に睨みつけると、リリアン生は慌てたように目をそらした。
それを何度か繰り返しているうちに気づく。……この人たちに生徒会の場所教えてもらえばいいんじゃん!!
なんですぐに気づかなかったんだろう、とリリアン生に歩み寄りながら思う。
私が近づいていくとリリアン生はすぐに目をそらしてその場を去ろうとする。
いなくなられても困るので少し離れた場所からリリアン生に声をかけて駆け寄った。


「すみません、生徒会の役員の方がどこに集まっているか教えてもらえませんか?」


驚くほど丁寧だ。こんなちゃんとした言葉遣いはバイト中以外でしたことがない。
あの人のいるリリアンで横柄な態度をとったらあとで何を言われるかわかったもんじゃないからだ。

丁寧に場所と道順を教えてくれたリリアン生(恐らく上級生)に礼を言い、薔薇の館とやらに向かう。
リリアンでの生徒会は山百合会と言うらしい。言われてみればあの人もそんなことを言っていたような気がしてきた。
いつも適当に話を聞き流していたのであまり記憶に残っていないのだ。
数分校内で迷い、やっとのことで玄関から出ると先程教えてもらった道順に沿って歩いていく。
薔薇の館はすぐに見つかった。生徒会だけで使ってるとはなかなかいい御身分だな。
どうせなら校舎に集まってくれればいいのに。と思ったのは内緒だ。
薔薇の館に入り、階段を上がっていくと階段の軋む音がした。わりと年期がはいっているらしい。

(クッキーみたい……ビスケットか?)
大きな扉の向こう側から微かに話し声がした。
人がいるみたいだ。あの人だけがいるんだったらこっちも都合よかったんだけど。
生徒会の集まりってことはなんかの会議中なのかもしれない。話が終わるまで待
っているべきだろうか?
まあ、家に連れてくだけだし、急げって言われてるわけじゃないしな。
大きな扉の脇のスペースに腰を下ろして壁に寄りかかる。

…あ、急に睡魔が。
座った途端に睡魔が襲ってきた。生徒会の話し合いはまだ続くだろうし、少し寝てよう。
睡魔に抗うという考えは一瞬にして消えていった。



***



「おーい。君!ねぇ、ねぇってばー!!」


誰かの声で夢の中から抜け出した。
何かすごく嫌な夢を見ていたような気がする。目が覚めてしまえばそれも思い出すことはできないのだけど。
未だぼんやりとする思考。起きていることはわかる。だけど現状を理解することができない。
が、眠りを妨害されたということには憤りを感じていた。


「……うっせぇ…、起こしやがって……(つーか顔こゆっ…)」


寝起きのテンションのせいだ。思わず本音をもらしてしまった。
目の前の知らない女。私を起こした張本人は足首近くまであるリリアンの制服を着ていた。
そういえばリリアンに来てたんだったな、私。
つーかリリアンにも金髪っているんだ。顔むっちゃこゆいからハーフかもなー。
ぼけーっと目の前のリリアン生を見ていると隣にあった大きな扉が開いた。
私は扉のすぐ脇に座っていた。ということはもちろん扉が横顔に当たるわけだ。
そのことに気づいたのは扉が横顔にぶつかった直後だった。一気に目が覚めたぜコンチクショウ…。


「ごきげんよう、白薔薇様。どうなさいまし…た――!?」


「ごきげんよう、祥子。――見事なクリーンヒットだったよ!」


ごきげんよう…!?そんな挨拶が現実に存在しただなんて!!
17年の人生で初めて聞いたよ!マジで言う人いるんだ!ごきげんよう!(笑)
心の中で黒髪美人なリリアン生に挨拶をしていると生徒会の人たち(恐らく)がわらわらと現れた。
その中には私が会いに来たあの人もいた。
私はその姿を見つけると何かいいたげな金髪とか、酷く慌てた様子の黒髪美人さんとか、じっと私を見つめるデコっぱちとか、全てをスルーしてまっすぐあの人のもとへ向かった。


「――愁っ!?」


むっちゃびっくりしてる!!
半年前くらいに会ったのにむっちゃびっくりされとる!!
生き別れの兄弟に会ったみたいなびっくり具合に私も微妙に驚いた。
制服のスカートについた埃を適当にはらいながら、笑顔を浮かべた。
ちなみにこれは、なんで私がわざわざリリアンまで来なきゃいけないんだよ、という若干の苛立ちも交えた笑顔だ。


「ユキの命令で 蓉子、迎えに来た。……おばさんから聞いてないん?」


「き、聞いてないわよ!っていうか来てたのなら入ってくればよかったじゃない!」


「一応気を使ったの。なんか話し合ってたみたいだったし。…まぁ寝ちゃったけどさ」


「はぁ…、相変わらずね。……って、それより額の怪我!どうしたの!?」


「怪我…?なにそれ…って、なんこれ!?むっちゃ血ィでてんじゃんか!つーか
痛い気がする。なんでこんなんなってんの?あたし……夢遊病?」


夢遊病はマジでこえーわ。無意識自傷行為なんてされたらたまったもんじゃない。
私は周囲が変な雰囲気になっているのに気づかず、自分が夢遊病患者であることを仮定し、いろんな場面を想定したシミュレーションをはじめていた。(もちろん脳内でだが)
急に黙り込んだ私に蓉子が呆れたように声をかけ、腕を引かれた。


「保健室に行くわよ。そしてそのまま帰りましょう。」


「私は別にいいけど。生徒会はいいわけ?」


「……あなたを放っておいて また怪我でもされたら困るじゃない」



めんd(ry
マリみて読んだことないのに書こうとするって無茶だよね☆
途中まで書き溜めたやつを投下してるわけですが、途中までーのやつはむっちゃあるんですよ
でもうpれそうなのはこれくらいなので今日のとこはこれくらいで。

生後8ヶ月、歩けるようになった私が真っ先に触れたものは母でも、父でもなく
、ピアノだったらしい。
両親共に趣味が音楽だったために我が家には音楽室なるものがあった。
私は幼い頃から一日の半分以上をその部屋で過ごしていた。
3歳の頃に母からピアノを習い始め、5歳からはヴァイオリンをはじめた。
小学生になった私は父にお古のギターをもらい、ついでにベースを教えてもらっ
た。
4年生からは吹奏楽部に入部してサックスを経験し、5年生からはトランペット
にパート変更される。
途中で楽器が壊れ、修理に出している間はパーカッションを経験し、ドラムの基
礎を覚えた。
小さな頃から気がつけば音に触れていて、それ以外はしてこなかったとも言える
。
運動は人並みにできるけど手を怪我してしまうといけないので熱心にやったりは
しなかった。
勉強に関して悩むことは中学年になるまでは一度もなかった。
小学校の勉強は大したことがなかった。授業を聞いていれば誰でも余裕で100点を
とれるようなレベルだったし。(もちろん例外もいたみたいだけど)
しかし中学校は楽じゃなかった。まず数学で挫折した。いきなり登場したX(エッ
クス)に困惑。こんなの社会にでたら使わないじゃんか、と思うのは決して現実か
ら逃げているわけじゃない。
英語なんかは音楽に通ずるものがあるから全然大丈夫だ。洋楽を聴くのがより楽
しくなったしね。
でも結局私は日本人なわけで。英語よりもやっぱり母国語が得意なわけで。

エメラルドグリーンの瞳にブロンドヘアなんていう見るからに外国人とコミュニ
ケーションなんかとれないのだ。


「あー…ワタシ、エイゴ、ワカリマセーン」


現在中学2年生、三上愁。咄嗟に英語がでるほど英語はできません。
咄嗟にでてきたのは日本語を話す外人のような妙に片言な日本語だった。
それに対してショートカットのブロンドヘアの外国人は(よく見ると近所の私立中
学の制服を着ていた。ブレザーうらやましいなー)眉間にがっつりシワを寄せて私
を睨み付ける。
こえーよ外人!なんでそないに睨まれなあかんのや!
なんて言えるわけもなく、とりあえず目をそらしてこの場を去ろうと一歩下がる
、が



「ちょっと!待ちなさい!三上愁!」



と、バッチリ日本語で呼び止められてしまった。
私より日本語うまい気がするんだがそれはどうなんだろうか。
そもそも私が外人相手に困惑してたのもこの人に話しかけられたからで、最初話
しかけてきたときもよくよく考えてみると日本語だった気がする。
あれ……私、頭悪い?
衝撃の事実に気づいてしまったが忘れることにする。そんな事実はいらないのだ
。



「アンタ、私のこと忘れたわけじゃないわよね!」



バイオリンのコンクールで何度も会ったわ!と言っているが正直まったく記憶に
ない。
昔は何度もコンクールに出ていたが、最近は出てないのでもし最近のことを言っ
ているのなら完全なる人違いだ。
素晴らしい演奏をしていた人ならさすがに記憶に残るかもしれない。でも覚えて
いないということはそうでもなかったということなのだろう。
うーん、言っちゃなんだけども興味のないことはスッパリ忘れちゃうタイプだか
らなぁ~。やっぱ記憶にないわ。


「――~~っ!!」


覚えていないということを伝えると外人さんは明らかに怒った表情で一度睨み付
けて走り去っていった。
私の見間違いでなければ若干涙目だった。もしかして私が泣かせた感じなわけ?

そんなこんなで妙な罪悪感に苛まれながら家に帰った放課後の出来事。
家に帰った私は真っ先に自分の部屋に入って本棚からアルバムを取り出した。
コンクールに出たときの写真を集めたアルバムだ。

5歳、はじめてのコンクール。とても小さい。
6歳、はじめて優勝したコンクールだ。
7歳、小学校の部で入賞。さすがに上の学生の子には勝てなかったようだ。

そこで気づく。コンクールに出た人たちで撮った集合写真の中に一際目立つブロ
ンドヘアに。


「もしかしてこの子が……」


それから順番にコンクールや演奏会の写真を見ていくと必ずと言っていいほどブ
ロンドヘアが見つかった。
何度もコンクールで会っていたというのは本当だったらしい。
小学校4年生のときに全日本バイオリンコンクールで優勝して以来コンクールや
演奏会には出ていないのでそれ以降の写真はない。

それにしても私とあの子になにか接点があったんだろうか。全然わかんないや。

「ま、いっか」


もう会うこともないだろうし。

なんて思ってた時期もありました。



「あ、この間の外人」

翌日に再会するとは、ね☆
*****
めんどくさ(ry
ちなみにこのつっかかってきてる外人はアリサ・バニングスちゃんです☆