『「超」怖い話 Ξ(クシー)』

平山夢明

(2009.07.14/竹書房)

 

 

いま一度、表紙をじっくりとご覧いただきたい。

あなたは、そこに何を見るのだろうか。

羽を広げた蝶か、向かい合う人の横顔か、はたまた暁の空を渡るエイの姿か・・・・・・。

 

よく見れば、最初は意識しなかったものの形が浮かんでくるだろう。

初めからそこにあったにも関わらず、まるで見えていなかった姿に。

霊、この世ならざる者とはそれと似たようなものではあるまいか。

彼らはこの世界に溶け込むように生きている。

我々がそうと気がつかぬだけで、ともにいる。

ほんの少し焦点をずらして目を凝らせば、世界は彼岸に変わるのだ。

 

手始めに片目をつぶってご覧なさい。

いかがですか。

何か見えましたか?

 

まだ何も見えぬなら、どうぞ本書のページを繰っていただきたい。

今度こそそれが見えてくるだろう・・・・・・。

 

読了日:11月22日~23日